おとなの矯正治療

Q11 矯正装置を装着すると不快感を感じてしまいます。舌側矯正装置と唇側矯正装置で不快感は違いますか?
A11

「本研究では、LI群において発音障害が最も深刻な問題であった。LA群の全患者とLI群の患者の76.7%では問題が治療開始30日後に解決されたが、LI群の23.3%は3カ月の治療期間後も発音に問題を抱えていたと報告された。最大適応期間でさえ、LI群(90日)ではLA群(30日)よりも長かった。この研究の一般的評価では、初期の不快感のある時期の後、わずか一部(10%)の舌側矯正患者が治療による何らかの障害を訴えたことが示唆された。」

※LI群:舌側矯正装置、LA群:唇側矯正装置

Caniklioglu C, Oztürk Y. Angle Orthod 2005; 75(1):86-91.

※参考書籍
 「矯正歯科のための重要16キーワードベスト320論文」
 監修 小野 卓史/小海 暁  クインテッセンス出版株式会社

Q12 マウスピース矯正装置のインビザラインはどんな症例に適していますか?
A12

「インビザラインの強みは、空隙閉鎖や前歯部の捻転改善、辺縁隆線の配列を行う能力だった。」

Djeu G, Shelton C, Maganzini A. Am J Orthod Dentofacial Orthop 2005; 128(3):292-298.

※参考書籍
 「矯正歯科のための重要16キーワードベスト320論文」
 監修 小野 卓史/小海 暁  クインテッセンス出版株式会社

Q13 治療の流れを教えてください。
A13
1.初診相談

患者さんから歯並び・噛み合わせの悩みやご希望をお聞きします。また、お口のなかや顔の写真、パノラマエックス写真を撮り、写真を見ながら不正咬合の状態、治療方法などについてご説明をします。

2.精密検査

不正咬合の原因をさらに詳細に調べます。頭部全体のエックス線写真(セファロ)や歯のエックス線写真の撮影、歯の型取りなどをします。こうして、治療方針を正確に立てるための資料をすべてそろえます。

3.コンサルテーション

精密検査の結果にもとづいた治療計画案をご提案します。治療内容、治療期間、治療費、治療にあたっての注意事項などをご説明し、治療方針について患者さんと歯科医師がじっくりと話し合います。

4.歯みがき指導など

矯正中は歯みがきが難しくなります。そこで、歯みがきについての正しい知識と歯みがきの方法を習得していただきます。舌の機能検査、あごの機能検査なども必要に応じて行うことがあります。

5.むし歯や歯周病の治療、抜歯

むし歯や歯周病の治療の必要のある場合は、かかりつけの歯科医院で治療をします。また、抜歯が必要な場合は、かかりつけの歯科医院や口腔外科で抜歯を済ませていただきます。

6.矯正装置をつけて矯正開始

装置をつけて歯を動かす期間です。平均的には2年半~3年くらい。装着後は2週間~1ヶ月に1度通院していただきます。はじめて装置をつける日は2時間くらい、その後は30~1時間くらいの診療です。

7.矯正終了

装置をつけた治療が終了します。何年かの治療をがんばりとおした患者さんの、装置を取るときのよろこびは格別です。きれいになったお口と顔の写真を撮ります。

8.保定治療

歯並び・噛み合わせをしっかりと定着させるために、リテーナー(取りはずし式の装置)を1年半ほど使っていただきます。後戻りを防ぐためのとても大切な期間です。保定終了後は、半年~1年に一度のメインテナンスにおいでいただきます。噛み合わせやむし歯、歯周病をチェックし、お口の健康を長期的に保っていきましょう。

※参考書籍 「nico 2010.2 クインテッセンス出版株式会社」

Q14 矯正の治療期間を教えて下さい。
A14

矯正治療は通常2~3年かかるものです。
成人は顎の成長が終わっているので、歯の移動・固定に時間がかかってしまいます。
新しい治療法で「P.A.O.O」と呼ばれるものがあり、矯正の治療期間を半分に短縮出来ます。
顎の骨を切断する外科を使わず、小範囲の皮質骨切除手術により、歯を動きやすくする方法です。
同時に歯周病治療をすることもあります。全ての症例に適用できるわけでなく、歯や歯周組織の状態によっては適用出来ない事もあります
また、通常の矯正より短い間隔で来院して頂く必要があります

Q15 歯並びが悪いのは遺伝ですか?
A15

顎の骨の中で形成される歯の形態は遺伝的要因が強く、一方で歯列は乳歯と永久歯の交換時期の問題、むし歯や歯周病などの疾患の有無、咀嚼機能の影響など様々な環境に関係しています。

歯並びは歯の大きさ・形態と歯列の大きさ・顎の形などにより決まってきます。
遺伝要因もありますが、咀嚼による負荷や習慣的活動状況による後天的な要因が大きな影響を与えます

遺伝要因が強い部位

・顔の長さ(丸顔や面長など)

・鼻の形

・唇(大きさや厚み)

環境要因が強い部位

・歯並び

・顎の形

 ※参考書籍
 「歯科に役立つ遺伝学」
 葛西 一貴、近藤 信太郎  わかば出版

Q16 歯周病で歯が動いてしまい歯並びが悪くなって気になっています。こんな私でも矯正治療はできますか?
A16

矯正治療では歯周靭帯や骨が健康でなければなりません。
なぜなら、歯周組織に炎症などの病的状態がある場合は、歯周靭帯や骨の新生が期待できないからです。まずはその歯の歯周組織を精査し疾患(歯周病変や根尖病巣など)がある場合にはそれらを治療しましょう。

歯周病の治療をしっかりと受けて炎症のコントロールができているかたなら多くの場合、矯正治療は可能です。ただし、健康なお口の治療とくらべて特別な配慮が必要です。


矯正装置を装着して歯みがきがむずかしくなる前に歯周病もむし歯もしっかり治療しておきましょう!

※参考書籍
 「nico 2010.2 クインテッセンス出版株式会社」
 「矯正歯科の基礎知識」  飯塚 哲夫 著  愛育社

Q17 矯正治療の後、歯がグラグラしているんですが、大丈夫でしょうか?
A17

歯の移動は歯周組織の変化の結果です。矯正力が消え咬合力に対し自然に反応できるようになると、3~4カ月後に歯周組織のリモデリングが完了し、歯の動揺はなくなります。ただし、歯肉線維は反応が遅いため、1年たっても歯の位置の不安定化の一因となります。

※参考書籍
 「咬合と矯正歯科治療」
 前田 芳信 監著 クインテッセンス出版株式会社

Q18 矯正治療の後、下の前歯の裏にワイヤーをつけなければいけないのはなぜですか?気持ち悪いのでつけたくないんですが・・・。
A18

矯正治療を受けていなくても加齢とともに20年で1.8mm、あるいは40年で1mmとわずかですが下顎の叢生(前歯の歯列が重なり合い、乱れている状態。でこぼこした歯並びの状態。)が増加するものと考えられます。

叢生を起こす因子は、筋圧や舌圧、咬合圧などの生理的なものであると考えられます。

※参考書籍
 「咬合と矯正歯科治療」
 前田 芳信 監著 クインテッセンス出版株式会社

Q19 なぜ保定治療が必要なの?
A19

矯正装置をはずしたあとはリテーナーを使って保定治療をします。
歯の移動後には当分の間、歯の支持組織の変化が依然として続いている状態です。
おとなのかたの治療ではとくに治療前の歯並びや噛み合わせによる癖が強固に定着していることが多いので、保定を行わず歯が自由な状態に置かれると、せっかくきれいに並んだ歯が以前の位置に向かって後戻りしたり、思わぬ方向に移動したりすることがあります。
歯の移動が目的通りに完了したとしても、それで矯正治療が終わったわけではないのです。
その傾向は切歯、特に下顎切歯で最も著しいといわれています。
叢生矯正後の下顎切歯は、たとえ適切な保定を行っても矯正後の安定を得ることはなかなかむずかしいもので、成功裡に矯正を行った症例でも20%に顕著な後戻りが見られるといいます。

装置をはずしたあとの保定治療は通常1年半ほどで、きれいな口もとを維持していただくために、たいへん大切な治療期間です。リテーナーの使用を忘れないようにしましょう
保定治療の終了後は、半年~1年に一度の定期的メインテナンスを受けましょう。
歯並びや噛み合わせだけでなく、むし歯、歯周病の有無、そしてフィックスリテーナーの管理など、お口の状態のチェックを定期的に受けておくと安心です。
また、きれいになった歯の健康を守るため、プロフェッショナルクリーニングもおすすめです。
きれいで快適になったお口を、ぜひ長く維持していきましょう。

※参考書籍
 「nico 2010.2 クインテッセンス出版株式会社」
 「矯正歯科の基礎知識」  飯塚 哲夫 著  愛育社

Q20 保定に必要な期間はどのくらいですか?
A20

歯の移動の量や種類や速度、新しい位置で歯に加わる力のタイプや程度などによって異なります。歯の移動の量が大きいときには保定期間が長くなりますし、また年齢によっても保定期間は異なり、成人の矯正では小児の場合よりも長期間の保定を必要とします。
このように保定期間は症例によって異なるものの、大幅に異なるわけではなく、特殊な場合を除いて通常は6~10ヶ月間程度の保定で十分であると考えられています。それは、歯の移動後6ヶ月ほど経過すると歯周組織が安定してくるからです。

※参考書籍  「矯正歯科の基礎知識」  飯塚 哲夫 著  愛育社

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