矯正治療

Q1 マウスピース矯正って何ですか?
A1

マウスピース矯正とは、従来のワイヤー+ブラケットでなく、樹脂製の透明なマウスピースを使った新しいタイプの歯科矯正です。歯をマウスピースでくるみ、その弾性を使って(システムによっては補助装置も使用)歯を動かしていきます。

この方法は「取り外しできるし目立たない」と近年注目を集めていますが、じつは従来の矯正に比べると難易度が高く、患者さんを選ぶ治療法でもあります。

 

※参考書籍
 「nico 2016.7 クインテッセンス出版株式会社」

Q2 マウスピース矯正ってどんな歯並びでもなおすことが出来るんですか?
A2

推奨される症例

1) 非抜歯症例で、以下の要件を満たす症例

・軽度の空隙を有する症例

・軽度の叢生で歯列の拡大により咬合の改善が見込まれる症例

・大きな歯の移動を伴わない症例

2) 矯正治療終了後の後戻りの改善症例

3) 抜歯症例であっても歯の移動量が少なく、かつ傾斜移動のみで改善が見込まれる症例

4) 金属アレルギーを有する症例

推奨されない症例

1) 抜歯症例

・犬歯が遠心傾斜している症例

・前歯部が大きく舌側傾斜している症例

・歯の大きな移動を必要とする症例

・大きな回転、圧下・挺出を必要とする症例

・患者の協力度が低い症例

2) 乳歯列期、混合歯列期で顎骨の成長発育や歯の萌出の正確な予測が困難な症例

3) 骨格性の不正を有する症例

治療における留意点

1) 効果は装着時間に影響される

2) 傾斜移動が多い

3) 抜歯症例では、予期しない移動が発生することがある

4) 術前のシミュレーションには歯根の位置に関する情報が欠けている

5) 歯冠形態によっては把持力に差異を生じることがある

6) 咬合面を覆う形態のため、臼歯部が圧下されることがある

7) 保険診療には使用できない

※参考文献
 「公益社団法人 日本矯正歯科学会 アライナー型矯正装置による治療指針」

Q3 マウスピース矯正にとても興味があります。目立たないし取り外せるのが魅力ですよね。ただ、なぜマウスピースで歯が動くのかなとちょっと不思議な気もします。
A3

歯に力を「点」で加えて動かす従来の方法に対し、マウスピース矯正は「面」で力を加えて動かします。フレキシブルに力を加えられる従来の方法に比べ、面による移動の場合は適応症例が限られるため、主に軽度の治療に用いられています。

ワイヤー+ブラケットの矯正

ブラケット・ワイヤー矯正の力のかかり方

歯に力を点で伝えて動かします。

 

マウスピースの矯正

マウスピース矯正の力のかかり方

 

歯に力を面で伝えて動かします。

 

※参考書籍
 「nico 2016.7 クインテッセンス出版株式会社」

Q4 歯を動かすことって可能なんですか?
A4

矯正治療がそれにあたります。歯を動かす方向(移動様式)は5つが考えられます。

1)挺出

歯の長軸に平行に歯冠側方向へ移動させる様式のことです。

挺出のイメージ図

2)回転

歯の長軸を中心軸として、歯を回転させるような移動様式のことです。

回転のイメージ図

3)整直(傾斜移動)

近遠心的に、あるいは頬舌的に傾斜している歯の歯軸を是正する移動様式のことで、歯は回転中心を軸として歯冠と歯根が反対方向に移動します。

傾斜移動のイメージ図

4)歯体移動

歯を傾斜させないで異動する様式で、歯冠と歯根が同一方向に移動する様式のことです。

歯体移動のイメージ図

5)圧下

歯の長軸に平行で根尖側方向に移動させる様式のことです。

圧下のイメージ図

※参考書籍
 「一般臨床医のためのMTM」
 編著 月星 光博、月星 千恵、月星 陽介
 クインテッセンス出版株式会社

Q5 マウスピース矯正はワイヤーを使う矯正治療ほどは、歯がスムーズに動かないそうですがどういう動きが苦手なのですか?
A5

抜歯して歯を大きく移動させること、力を加える方向に倒れた歯の移動など苦手な動きはいろいろあります。補助装置や従来の治療と組み合わせてこの欠点を補って治療してきます。

もちろん患者さんのなかには、テクニックを駆使せずともスムーズに治るケースもあります。しかし、残念ながらそんなケースばかりではありません。そうした場合、補助装置を使ったり、目立たないように奥歯や側面だけワイヤー矯正で動かして置き、目立つ前歯をマウスピース矯正で治すなど、さまざまな引出しを使い、それを組み合わせて治療します。

 

マウスピース矯正の苦手な歯の移動

1.傾いている歯の移動

ワイヤー+ブラケットの場合

ワイヤーを使うと簡単・確実に移動します。

ワイヤーを使うときれいに並びます

マウスピース矯正の場合

歯を動かす方向に向かって倒れた歯を立てるのが苦手です。

マウスピース矯正は傾いている歯の移動が苦手

 

2.回転

歯を大きく回転させるのが苦手

マウスピース矯正は歯の回転が苦手

3. アップライト

引っ張り出すのが苦手

マウスピース矯正は歯を引っ張り出すのが苦手

 

歯を適正に動かすためのいろいろな補助装置

インビザライン®で使用する装置です。

インビザラインでの補助装置1

歯にボタンをつけゴムで下の歯を引っ張り上げています。

インビザラインでの補助装置2

奥歯と犬歯をゴムでつなぎ、犬歯の傾きを治しています。

インビザラインでの補助装置3

歯につけた装置をゴムで引っ張り、歯の傾斜をまっすぐにしています。

インビザラインでの補助装置4

目立たない場所でワイヤー矯正をしながら、ゴムで下の歯を引っ張り上げています。

「日本歯科評論」 槙宏太郎 著 vol.75 no.8 P64-74より引用

※こうした補助装置を使う場合、ゴムも毎日きちんとつけていただく必要があります。

 

最低限の移動で並べるため、エナメル質を削除しスペースを作ることも

1.エナメル質を歯の健康に問題のない範囲で少しだけ削ります。

歯を少し削ります

2.最低限の歯の移動できれいに並びました。

削ることにより、歯が動きやすくなります

※参考書籍
 「nico 2016.7 クインテッセンス出版株式会社」

 

 

Q6 普段歯ぎしりをしていて開咬の歯をしています。マウスピース矯正をしようと思うのですが、留学など遠方に行くとなった際、マウスピース矯正は留学中も矯正し続けることは可能でしょうか?
A6

留学中も行うことはできますが、留学の期間(1年に何回帰ってこられるのかなど)やお口のなかの状態によって対応が変わってきます。留学中はお口のなかのチェック・フォローができないので、綿密な連絡が必要となります。

長期出張中の際についてもマウスピース矯正を行うことは可能です。矯正期間中はチェック、フォローが必要なので、ご希望の場合はご相談ください。

Q7 筋機能訓練法(MFT)って何ですか?
A7

MFT(Myo functional Therapy)とは、舌突出癖や口呼吸により弛緩した口唇を、舌や口唇の訓練によって調和のとれた状態に改善する療法です。また、咀嚼、嚥下、発音、安静時の舌位や口唇位、呼吸などの口腔機能の改善を目指して舌や口腔顔面筋を訓練し筋肉を強調させる療法でもあります。

※参考書籍
 「バイオプログレッシブ・スタディクラブ会誌 No19 2009
  開口の診断と治療に考慮すべき事項」
  根津 浩、Carl F.GUGINO

Q8 MTMって、口全体の矯正とどこがちがう?
A8

おもに1本の歯にねらいをしぼって動かしていく治療です。口全体の矯正よりも小規模に時間をかけずに行います。歯の治療や歯周炎の治療にたいへん効果の高い治療です。

※参考書籍 「nico 2007.8 クインテッセンス出版株式会社」

Q9 歯ならびがいいとどんないいことがあるのですか?
A9

1.歯みがきがラク

歯並びが悪いと歯ブラシがなかなか届かず日常の歯のケアはたいへん難しいものです。

歯並びを改善するとむし歯や歯周病の予防にもなります。歯並びにデコボコがないと歯ブラシの毛先が届きやすくお掃除がラク。その分むし歯菌や歯周病菌がひそむプラークを取り除きやすく、歯石もつきにくいのです。

歯並びが悪く掃除がたいへんだとむし歯や歯周病になるリスクが高まってしまいます。とくに、歯周病が進行すると歯が動いてしまうため、さらに歯並びが悪くなってしまうことも少なくありません。

 

2.噛み合わせがよいと歯の寿命も長持ち

歯は本来、馬蹄型に並んで噛む力を受け止め、バランスよく調和しています。噛み合わせがよいと、かたよった力がかからないため、力によって歯が傷んだり、治療した歯が壊れたりするリスクがグンと減ります。噛み合わせがお口の健康に与える影響は大きいのです。

 

3.発音しやすい

舌やくちびるの動きが妨げられないので、発音がしやすくなります。主にサ行、タ行の発音に影響します。

 

4.しっかり噛めると胃腸にいい

噛み合わせが悪く、前歯で噛み切れなかったり、奥歯でしっかり噛めなかったりすると、食べ物を十分噛まずに飲み込みがち。長い間には、胃腸への負担が大きくなってしまいます。

 

5.自浄作用でお口のなかがきれいに

歯並びにデコボコがなく、くちびるや舌、頬が歯列にフィットしていると、活発な筋肉の働きで食べカスが押し出され、唾液に流されて口のなかに溜まりにくくなります。お口が本来持つ自浄作用が効果的に発揮されるので、当然むし歯や歯周病のリスクが低くなります。

 

6.笑顔がはなやかに

口もとに自信があると、自然と笑顔が明るくはなやかになります。歯並びをキレイにすると、見た目が美しくなるばかりではなく心まで笑顔にしてくれます。

一見きれいな歯並びに見えても前歯のせいで口もとが出ているかたは案外日本人には多いのです。こういう方も矯正をすると、横顔の印象がすばらしく変わります。

健康的で若々しい印象は美しい歯並びから!

 

7.補綴治療との連携

クラウンやブリッジ、インプラントで歯の修復を行う際、歯並びが障害となってしまい治療のできないことがあります。そうしたときには治療中の歯科医からの依頼で歯科矯正専門医が連携をとり、治療しやすい歯並び矯正します。こうした他科との連携も歯科矯正専門医の重要な仕事です。

 

8.外科も併用して噛めるお口に

矯正装置による治療と外科手術による治療を併用し、歯並びとともに噛み合わせの治療を行って本来そうあるべき噛めるお口を創るための治療を行うのも歯科矯正の重要な仕事です。

 

※参考書籍
 「nico 2010.2 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2008.2 クインテッセンス出版株式会社」

Q10 おとなの矯正治療のデメリットを教えてください。
A10

矯正治療は通常、患者さんがおとなになる前に行われるべきものです。その時期には顎骨は成長発育期にあるので変化が活発であり、歯の移動が容易で、歯の移動がもたらす弊害も少ないからです。おとなの矯正治療はいくつかのデメリットがあります。

1.矯正力に対する組織反応が著しく遅い

成人の顎骨は成長が完了しているので骨の急激な変化は期待できません。つまり、歯の移動に伴う組織の修復が遅いということです。

2.矯正力に対する反応が遅い

小児では、矯正力に対する最初の反応は24時間以内に生じますが、成人では約3週間かかってしまいます。 さらに歯の移動速度も遅くなってしまいます。歯の移動速度は矯正力の性質や強さにもよりますが、骨の緻密度に大きく左右されます。成人の顎骨は骨髄腔の数が少なく骨の密度が高いという理由で骨の吸収現象を起こすことが難しいといわれています。

3.hyalin zone(歯の移動時に歯の移動を一時的に妨げる層)が移動歯の圧迫側に容易に形成される

特に、矯正力が大きい場合にはその危険が大きくなってきます。

4.歯に矯正力を加えたときの骨破壊活動が骨造成活動を上まわることがありうる

成人では唇頬側の歯槽骨が薄くなっていることが主な原因であり、その結果しばしば歯槽骨の吸収が生じます。

5.歯根吸収の危険が大きい

特に、大きな矯正力を作用させたとき、長期間の継続的な歯体移動を行ったとき、歯の圧入などを行ったときなどには歯根吸収の危険が増大します。歯根吸収は被移動歯だけでなく、大きな力を受けている固定歯にも生じる可能性があります。一方で顎骨発育期の患者さん(小児)は、矯正治療による歯根吸収はあまり見られません。

6.抜歯空隙の閉鎖が困難で、閉鎖後しばしば再離開しやすい

歯の移動のためのスペースを確保するために行う抜歯が推奨されない症例もあります。

7.ほとんどの症例に歯周炎が見られる

歯周炎になっている歯は移動時に骨再生能力が弱く、その結果歯の移動に伴う歯槽骨吸収の危険が大きくなります。また歯周炎のない症例でも、おとなは歯肉の抵抗性が弱いので、矯正装置の機械的刺激や、矯正装置による清掃不全などによって辺縁歯肉の炎症を作りやすいということも注意しなければなりません。矯正治療による骨吸収と年齢との間には相関関係が見られ、年齢の増加と共に骨吸収の危険が大きくなるというデータもあります。

8.十分な固定が難しい場合が多い

歯が欠損していたり、歯周病により歯の支持が弱くなっているといった理由で、十分な固定が難しいときもあります。

9.ごく僅かな量の歯の移動を行っても多くの場合その後に咬合治療を行う必要がある

小児の患者さんは、僅かな歯の移動による噛み合わせの変化は自然な歯の移動によって調整され、良好な噛み合わせ状態を自然に確立することができます。しかしおとなではそれがほとんど期待できないので、僅かな歯の移動後でも噛み合わせの調整やその他の咬合治療が必要な場合が多くなってしまいます。

10.小児と比べると矯正装置に対する適応能力が劣る

たとえば可撤性矯正装置を装着したとき、成人は、小児に比べると発音がうまくできるようになるまでにより長い期間が必要となります。

※参考書籍  「矯正歯科の基礎知識」  飯塚 哲夫 著  愛育社

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