Question

歯医者で「不良肉芽を取った」と言われました。肉芽って何ですか?

Answer

臨床でよく使われる「不良肉芽」という用語は適切ではありません。

藤木省三、岡 賢二(監著). HOME DENTIST PROFESSIONAL 3 歯周基本治療のエッセンスとノウハウ. 東京:インターアクション, 2019.

「不良肉芽」という用語は、「感染した組織」と呼ばれるべきであり、「治癒が妨げられた状態」を意味しています。そのため、一般的に「不良肉芽(感染した組織)」は、「肉芽組織(創傷治癒、異物の処理、組織欠損の補充のために現れる)」とは明確に区別して除去することが望ましいのです。

肉芽組織について

  • 肉芽組織は生理的な状態では認められません。
  • 肉芽組織が関与する病変は、①創傷治癒、②組織欠損の補充、③異物処理、④炎症です。
  • 肉芽組織は、顆粒状の外観を呈し、鮮紅色の肉のように見えます。
  • 肉芽組織の構成成分は、毛細血管、線維芽細胞、好中球、リンパ球、形質細胞、マクロファージなどの炎症性細胞のほか、酸性ムコ多糖、コラーゲンです。
  • 損傷を受けた皮下組織および口腔粘膜下組織は、受傷後2~10日目に肉芽組織が形成され、10~21日後に線維化・改造(リモデリング)がはじまります。
  • 感染をともなっている場合であれば、慢性炎症へ移行します(不良肉芽)。感染をともなわない場合は、肉芽組織は線維化して、瘢痕組織(成熟瘢痕)となります。

 

※参考書籍
 「肉芽の科学と臨床」 編著 下野正基
 クインテッセンス出版株式会社

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