小児・妊娠中の治療について

Q71 赤ちゃんの発達の順序を守るためのポイントを教えてください。
A71
  • 首が据わるまでは頭を支える
  • 自力で座るまでは座らせない
  • 身体を固定する椅子は使わない
  • 自力で立つまでは立たせない
  • 歩行器は使わない

※参考 床矯正研究会

Q72 口唇の成長について教えてください。
A72

口唇は成長に伴い摂食機能の発達によりその運動機能が口唇形態に大きく影響することから、口唇診査は乳幼児の摂食機能の発達段階を知るためのスケールとして活用できると考えられます。

口唇の形態から口唇機能の発達の遅れや低下、摂食機能以外の口腔機能の発達への影響などを推測し、さらにはその背景にある育児や保育環境での子どもの生活を想像することができます。つまり、口唇の機能はすべての口腔機能に関わっていることから、口唇を健全に成長させることは口腔機能全体の質を高めることになります。

口唇の働きは、摂食機能の咀嚼や嚥下だけでなく、鼻呼吸の管理や構音機能、表情の形成や歯列と咬合の育成にまで広く関わっていることからも乳幼児の口唇診査は大変意義のあることだと考えられます。

 

口唇の動き

  • 摂食機能の捕食
  • 咀嚼中の食物の口腔外への漏出防止
  • 摂取した食物の温度やテクスチャーによる食物選択や危険回避
  • 咀嚼運動における食塊形成のための食塊の移送と把持
  • 嚥下における上中咽頭収縮筋による咽頭収縮の補助的働き
  • 鼻呼吸時の咽頭と口腔の2次閉鎖
  • 構音機能(口唇音の形成)
  • 前歯の歯列形態の支持(前歯歯列ガイドライン)
  • 口腔疾患予防(口腔乾燥、感染防止)
  • 口腔運動としての「吸う・吹く」などの運動形成
  • 表情の形成

 

※参考書籍
 「小児歯科臨床 2020年4月号」 東京臨床出版

Q73 ハイハイについて教えてください。
A73

ハイハイの役割

  • 骨格筋をしっかり育てる
  • 骨格筋が育つと、呼吸力が高くなる
  • 足の親指で地面を蹴れるようにする
  • 姿勢反射を高める
  • 目線が上がることで顔が成長する

ハイハイをしっかりするために

  • 目線を上にあげれる→眼球運動が大切
  • お尻が上にあげれる→それまでの寝方、抱き方が大切
  • ハイハイの練習は足の裏に手を添えて、お尻を上げる

※参考 床矯正研究会

Q74 離乳食はいつ与えたらよいですか?
A74

離乳食を食べるには、以下の3点に注目してください。

  1. 日中の授乳を3~4時間間隔にする
  2. 食べる前はできるだけ空腹に
  3. 3回食に慣れたら早期の授乳習慣を見直す時期

※授乳時間以外に欲しがる時は、一緒に遊んで授乳以外のかかわりを増やします。

遊ぶことの楽しさが、母乳離れを進めます。

離乳食の必要性

  1. 母乳・粉ミルクの栄養不足
  2. 咀嚼の練習
  3. 消化機能の発達(消化器への刺激)
  4. 味覚の形成(甘味、うま味以外の体験)
  5. 発達を育む(感覚器官・運動器官への刺激)

 

離乳食の好き嫌いの対応

離乳食時の好き嫌いは咀嚼機能にあっていない場合がほとんどです。柔らかすぎても硬すぎても嫌がることがあります。

※月齢だけでなく萌出状態にあった軟らかさ、大きさ、とろみなど調整してあげます。

※参考文献
 「子どもの健やかな発育を願って いつどういう支援をすればいいのか」
 鏡 宣昭 講師 セミナーレジュメより引用

Q75 卒乳の時期と方法を教えて下さい。
A75

生後12か月が「離乳完了時期」の目標とされていましたが、現在は年齢で決めるのではなく、それぞれの親子の状況に合わせて検討する必要があります。

卒乳の条件

  1. 母乳やミルク以外から十分な栄養と水分が取れること
  2. 家族の卒乳への受け入れ準備が整っていること

 

一般的な卒乳方法

  1. 卒乳を考えたら母乳を与えながら寝かしつけることをやめましょう
  2. 母乳を与える感覚を徐々に伸ばします
  3. 水分は時々与えます
  4. 1ヶ月くらい経過を見て食欲が安定したら母乳をやめてみます
  5. 3日与えないと欲しがらなくなります

 

※参考文献
 「子どもの健やかな発育を願って いつどういう支援をすればいいのか」
 鏡 宣昭 講師 セミナーレジュメより引用

Q76 1歳半になりますが、母乳をやめないとむし歯になりますか?
A76

母乳に含まれる乳糖はショ糖ほど酸産生能は高くありません。睡眠時は口腔内の自浄作用が低下します。規則的授乳は規則的食生活傾向・自律的授乳は食生活が乱れる傾向があります。添い乳は危険です。「泣いたらすぐおっぱい」や「寝かしつけ」のための授乳は避けましょう。

※参考文献
 「子どもの健やかな発育を願って いつどういう支援をすればいいのか」
 鏡 宣昭 講師 セミナーレジュメより引用

Q77 3歳を過ぎても指しゃぶりをやめませんが、どうしたらよいですか?
A77

東京都の調査で、指しゃぶりの頻度を調べたデータがあります。

  • 1歳2か月(393名)28.5%
  • 1歳6か月(557名)28.9%
  • 2歳0か月(472名)21.6%
  • 3歳0か月(695名)20.9%

 

指しゃぶりの弊害については、しゃぶる指の種類やしゃぶり方によるとされています。上顎前突・開咬・変則性交叉咬合などの異常により、舌癖・口呼吸・構音障害などが起こりやすくなります。

子どもの発達と指しゃぶりへの対応

乳児期及び幼児期前半(1~2歳)

見守りの時期

幼児期後半(3歳~就学前)

専門家による積極的な対応

小学校入学後

専門家による積極的な対応

※参考文献
 「小児科と小児歯科の保健検討委員会(H18)」より

Q78 子どものむし歯は治さなければいけませんか?
A78

治さない場合、「今こまること」と「先にいってこまること」があります。

今こまること

  1. 痛い
  2. 咬めない、飲めない(咬みにくい、飲みにくい)
  3. 見た目が悪い

 

先にいってこまること

  1. 痛みの重傷化(時には腫れたり・・・)
  2. 永久歯の歯並びに影響?
  3. 咬み方に変化?

 

知っててほしい子どものむし歯

乳歯は永久歯よりも、「エナメル質が薄く、むし歯の進行が速い」ということを覚えておいてください。

※参考文献
 「子どもの健やかな発育を願って いつどういう支援をすればいいのか」
 鏡 宣昭 講師 セミナーレジュメより引用

Q79 歯みがきはいつから始めたらよいですか?
A79

歯みがきの始まりはスキンシップからです。

焦らず急がず早めの準備をしましょう。乳歯が生えるまでは準備期間です。乳歯が生えたらガーゼで拭いたり、歯ブラシを入れて慣れてもらいましょう。

前歯4本が揃い、奥歯が生え始める1歳半頃から歯みがきが習慣づけられるといいですね。

※参考文献
 「子どもの健やかな発育を願って いつどういう支援をすればいいのか」
 鏡 宣昭 講師 セミナーレジュメより引用

Q80 おしゃぶりのメリット・デメリットについて教えてください。
A80

日本小児歯科学会によると、次のようにメリット・デメリットを説明しています。

【明確な根拠はないが、一般的に言われている歩き始めから2歳過ぎまでのおしゃぶり使用の利点と欠点】

メリット

■精神的安定、簡単に泣き止む、静かになる、入眠がスムーズ、母親の子育てのストレスが減る

■おしゃぶりの宣伝に使用されている「鼻呼吸や舌や顎の発達を促進する」は現時点では学問的に検証されていない

デメリット

■習慣性となりやすく、長期間使用すると噛み合わせが悪くなる

■子供がどうして泣いているのかを考えないで使用する

■あやすのが減る、ことば掛けが減る

■ふれあいが減る、発語の機会が減る

※噛み合わせの異常は2歳頃までに使用を中止すれば発育とともに改善される。

※おしゃぶりの害は乳臼歯が生え揃い、開咬や乳臼歯交差咬合などの噛み合わせの異常が存続しやすくなる2歳半から3歳過ぎになっても使用している場合といえる。

※参考 床矯正研究会

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