小児・妊娠中の治療について

Q51 6歳の娘の前歯が生え替わったとたんに、急に歯並びがヘンになってビックリしています。お母さん仲間に「咬合育成」がいいと聞きましたがこれって、どういう治療なんですか?
A51

小さなお子さんの頃からお口の管理をすることで、歯並びが悪くなる兆候を早期に発見します。そして、問題を改善しながらきれいな歯並びの永久歯にしていくことを「咬合育成」といいます。「歯並びの予防」のようなものだと思ってください。

※参考書籍 「nico 2013.10 クインテッセンス出版株式会社」

Q52 2歳8ヵ月の子どもがいますが、食事に時間がかかります。食が細いし、気が散りやすく、食事がなかなか終わりません。来年幼稚園に上がったらどうなることか、心配です。
A52

好き嫌いと同じく、噛む機能が弱くて時間がかかっている可能性があります。スティックビスケットを奥歯で噛む練習をしてみてください。

そのほか、テレビを見るとお口が止まってしまうとか、食事のたびに怒られて食欲不振になっているなど、理由はいろいろでしょう。ぜんそくや心疾患など全身疾患のあるお子さんも、食事がゆっくりのことが多いです。

「食べ終わるまで食事を終わらせない」ということが習慣化すると、食事が苦役になり悪循環になってしまいます。20~30分で切り上げ、外遊びで気分転換するなど工夫してみてくださいね。

こんなことが原因かも

  • 噛む機能が弱い
  • 気が散る環境で食べている
  • 食事が楽しくない

 

※参考書籍 「nico 2020.9 クインテッセンス出版株式会社」

Q53 歯の予防処置は保険適用外となるので、COの進行を止めるための処置が高額にならないか心配なのですが・・・。
A53

2016年春から、COの非切削治療が保険適用になりました。なりかけのむし歯を停止させるために、歯科の非切削治療を受け、定期的に歯科医院に通いむし歯や歯周病を防ぎましょう。

 

※参考書籍 「nico 2016.4 クインテッセンス出版株式会社」

Q54 2歳2ヵ月の子どもがいますが、好き嫌いが多くて心配です。ふりかけご飯や混ぜご飯、おにぎり、納豆はよく食べますが、野菜やお肉はなかなか食べてくれません。栄養が心配です。
A54

「やわらかいものは食べても固形物がなかなか食べられない」という場合、噛む機能が弱いのが原因になっていることがあります。離乳後期のモグモグの練習が十分にできていなかった可能性はないでしょうか。

もし思い当たるようでしたら、スティックビスケットなどを奥歯で噛ませて「シャリシャリ」といった音を楽しみながら噛む体験をさせてあげてください。小さく切って徐々に慣らし、無理に丸飲みさせないことが大切です。

 

こんなことが原因かも

  • 噛む機能が弱い
  • 新しい食材に抵抗感がある
  • 歯の噛み合わせが悪くて噛みにくい
  • 歯が生えそろっていない
  • むし歯があり噛みにくい

 

※参考書籍 「nico 2020.9 クインテッセンス出版株式会社」

Q55 3歳6ヵ月の子どもがいますが、よく噛まず丸飲みします。わりとなんでも食べるのですが、よく見ていると噛まずに飲み込んでいる感じです。
A55

離乳後期にはじまるモグモグとすりつぶす機能が、うまく獲得できていないのかもしれません。離乳食を早く進めすぎたり、逆にいつまでもペースト状のものを食べていると、練習が十分にできずに持ち越してしまうことがあります。

舌でつぶせる程度のやわらかさのもの(卵焼きやハンバーグ、煮大根など)を前歯でかじり取らせたり、奥歯で噛みつぶさせたりして、噛む体験をさせます。また、スティックビスケットを奥歯で噛む練習をしてみてください。

こんなことが原因かも

  • 噛む機能を十分に獲得できていない
  • せかされて食べている
  • まだ哺乳していて舌の使い方が未熟(寝る前に少し飲む程度ならそれほどの影響はありません)

 

※参考書籍 「nico 2020.9 クインテッセンス出版株式会社」

Q56 上顎の成長と下顎の成長は違うと聞きましたが、どう違うんですか?
A56

小児期に矯正治療を行ううえで考慮しなければならないのは、顎骨に成長変化があることです。スキャモンの発育曲線において、上顎骨は神経系型であり脳や頭蓋骨の成長パターンに準じますが、下顎骨は一般型に属するため、身長が増加する時期に下顎骨成長のピークを迎えます。

スキャモンの発育曲線

スキャモンの発育曲線

※参考書籍
 「これで解決!矯正トラブル」 クインテッセンス出版株式会社

Q57 友人から味覚異常かと言われました。自覚症状のない味覚異常ってありますか?体調もあまりよくないのですが、体調と味覚症状は関係ありますか?
A57

94歳の高齢者71人(平均年齢80.0歳)を対象都市、実際に味覚検査(甘・酸・塩・苦味による感受性検査)を行い、味覚障害の実態についての調査があります。その結果、約37%に異常が認められました。

さらに、味覚障害を自覚している割合はわずか19%と少ないことが分かりました1)

味覚と食欲・体調の関係について調べたところ、味覚が正常な人の96%が食欲良好なのに対し、味覚障害者の43%の人は食欲がないと答えました。また、体調については、味覚が正常な人の93%が快調だと答えたのに対し、味覚障害者の45%が体調不良を訴えていました2)したがって、高齢者の味覚障害は単なる感覚障害ではなく、食欲や体調に深く関わる重要なサインを捉えるべきなのです。

また、味覚障害者は、味が分からないため、より濃い味を好む傾向にあり、その結果、塩分や糖分をとりすぎてしまい、高血圧症、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病や肥満につながる危険性があります。

1)Satoh-Kuriwada S, Shoji N, Kawai M, Uneyama H, Kaneta N, Sasano T. Hyposalivation strongly influences hypogeusia in the elderly. Journal of Health Science 2009; 55(5): 689-698.

2)佐藤しづ子、金田直人、酒井梓、金田敏夫、遠藤雄、熊坂晃、嶋田雄介、大方理絵、庄司憲明、笹野高嗣:高齢者における味覚異常感が食品摂取、食欲および体調に及ぼす影響―口腔疾患との関連―. 日本口腔診断学雑誌 2013; 26(3): 280-288.

※参考書籍
 「月刊 糖尿病ライフ さかえ 2018年12月号」 日本糖尿病協会

Q58 よく噛むとガンの予防になるって本当?
A58

例えば、食物繊維を多く含む食べ物は、便通をよくして大腸ガンの予防になると言われています。

しかし、歯が悪くて噛めなかったらどうでしょうか?

消化不良を起こすだけで、百害あって一利なしです。一方、合成保存料や食品添加物などは発ガン作用をもつとされています。

しかし、多くの発ガン物質を唾液に30秒間漬けると、発ガン作用(変異原性)が低下すると言われています。これは、唾液に含まれるペルオキシターゼという酵素によるものです。この研究を根拠に「よく噛むとガンの予防になる」と言われています。

 

※参考書籍
 「歯と口から伝える食育」
 岡崎 好秀・武井 典子 編著  東山書房

Q59 咬合育成であごを広げるって、どんなことをするのですか?子どもが痛がらないですか?
A59

あごのなかに、装置を入れ、歯を動かしたり、あごを広げます。広げるといってもほんの少しずつで痛みはありません。ご安心ください。

※参考書籍 「nico 2013.10 クインテッセンス出版株式会社」

Q60 最近何を食べてもおいしく感じないんです。今飲んでる薬の副作用で乾きやすくなった気がするのですが、関係ありますか?
A60

高齢者の味覚障害は唾液分泌低下と密接に関連することが示されました。すなわち、恒例の味覚正常者の唾液分泌量の平均値は基準値を上回っていたのに対し、味覚障害者では全員が唾液分泌低下の状態でした。

高齢者における唾液分泌低下の最たる原因は、服用薬剤であり、副作用情報に「口渇」と記載されている薬が多くみられます。少し詳しく述べると、唾液分泌は副交感神経という自律神経で調節されるため、自律神経に作用する血圧の薬、消火器の薬、アレルギーの薬、不安を和らげる薬、寝つきをよくする薬などは、唾液腺の自律神経にも作用し、唾液分泌を障害してしまうことがあります。なお、薬を飲んでいない元気な高齢者では、唾液分泌低下(口腔乾燥症)や味覚障害が起きにくいことも明らかとなっています。

「うま味」や「昆布だし」を用いた唾液分泌の改善の研究結果も報告されています。

※参考書籍
 「月刊 糖尿病ライフ さかえ 2018年12月号」 日本糖尿病協会

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