日常生活での注意について
Q1 | 「鼻呼吸はいい、口呼吸はよくない」と聞きました。鼻呼吸の利点を教えてください。 |
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A1 | 鼻呼吸には次のような利点があります。 1.ゴミや塵、アレルゲンなどの除去、濾過 2.加温、加湿など外気の調節、調整 3.気道抵抗の確保 4.細菌やウイルスの不活化 5.呼気中の水分奪取 6.ネイザルサイクルの存在 ネイザルサイクルとは鼻の機能維持のため片側鼻閉が数時間おきに起こる現象。自律神経作用による。
※参考書籍 |
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Q2 | 歯が悪いと食べられないものができ、それが栄養の偏りの原因になるのですね。たしかに、お肉とかは食べづらくなりそうですよね。 |
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A2 | ご明察です。噛める人と噛めない人の栄養摂取を比べたデータがあるのでご覧ください。噛めない人の食事は糖質過多になりやすく、肉が食べづらくなるためたんぱく質不足にも陥りやすいという特徴があることがわかっています。 ※参考書籍 「nico 2018.10 クインテッセンス出版」 |
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Q3 | 介護をしている親がいます。食事が飲み込みづらそうです。どうしたらよいでしょうか。 |
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A3 | 飲み込みやすい食物の物性の必要条件として、適切な凝集性がある(食塊としてまとまりがよい)、付着性が低い(粘膜にはりつかない)、変形性が高い(咽頭・食道通過時に形を変える)があげられています。 誤嚥の観点から考えると、嚥下前に食物が咽頭に流れ込んだとしても、咽頭蓋谷領域で食塊としてまとめることができ、ひとたび嚥下が起これば変形性が高く、一塊として咽頭を通過し、咽頭残留を生じない物性が安全と考えられます。摂食・嚥下障害の重症度により対応する食物形態はさまざまです。重症であればゼリー化補助食品やとろみ調整食品を用いて調整したゼリー食やペースト食が用いられており、この段階では均一な物性であることが求められます。機能回復が進めば段階に応じて形のあるものに移行させていきます。 摂食・嚥下運動に過程のなかで、咀嚼は舌の運動と強い連携をもち、食物を粉砕する、唾液と混ぜあわせ飲み込みやすい硬さに調整する、咽頭へ送り込むために口腔内で取りまとめる、という作業を担っています。 この作業をスムーズに行うためには、舌のリハビリができてよく噛める義歯、食べ物を咽頭に送り込める食塊形成のしやすい義歯が必要となります。 舌接触補助床(PAP)という義歯型の口腔内装置で、舌の接触状態等を変化させて咀嚼機能等を改善することができます。 →PAPについてのQ&Aはこちら ※参考書籍 |
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Q4 | 噛む機能を改善するために舌接触補助床(PAP)が有効であると聞きました。詳しく教えてください。 |
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A4 | 舌接触補助床(PAP)とは、舌の接触状態等を変化させて咀嚼機能等の改善を図ることを目的とした、口腔内の形態や空隙を考慮して製作された床(義歯)型の口腔内装置のことをいいます。 例1. 上顎義歯の口蓋部を肥厚させたPAP例2. 口蓋部だけの装置(口蓋床)として製作されたPAP対象の疾患等
※神経筋疾患では、嚥下障害を契機に病気が発見される場合もあります。 嚥下障害・構音障害に対するPAPPAPは嚥下や構音における舌と口蓋との接触状況を改善するための装置ですので、当然舌と口蓋との接触状況を診査する必要があります。 診査内容
嚥下障害に対するPAP頭頚部癌による舌切除術後は、舌の欠損や運動障害が生じます。その結果、舌と口蓋の接触が不良となり嚥下に必要な圧力を産出できなくなるため、嚥下障害が生じます。PAPは義歯床口蓋部に豊隆を付与し、舌が届かない空間を埋める可撤性の装置で、これにより舌と口蓋の接触を補助することが可能となり、嚥下機能の改善が見込まれます。 構音障害に対するPAP頭頚部癌による舌切除術後は、舌の欠損や運動障害が生じます。その結果、舌と口蓋の接触が不良となり構音点を確保できなくなること、適切なせばめが作れないこと、破裂、破擦などの構音様式に必要な巧緻な動きができなくなることなどにより構音障害が生じます。PAPによる構音機能の改善については、主として硬口蓋部で産生される子音の構音点の回復、構音様式の補助がまず直接的効果として期待され、また共鳴腔としての口腔容積の減少により、一部の母音を改善させることも期待できます。 ※口腔内で舌によってつくられる子音 舌の欠損や運動障害がある場合、とくに「カ行」「サ行」「タ行」「ラ行」に影響がみられます。
■PAPの治療費 原則として摂食機能療法を行っていることが必要となりますが、保険治療です。 ■正常な食生活のために心がける事 前号でも触れましたが、正常な食生活は口腔機能の維持および全身の健康にとってとても大切です。次のことに気を付けましょう。 1.精製されたものは食べない。(砂糖・小麦粉など) 2.合成されたもの(着色料・甘味料・保存料など)が入っていない食品を選ぶ 3.悪い植物油は避ける(サラダオイル・マヨネーズ・天ぷら油・ゴマ油・ココナッツオイルなど) 4.添加物は避ける(発色剤・酸化防止剤・調味料・乳化剤・pH調整剤など) 5.人工甘味料は絶対に避ける 6.ファストフード・パン類全般は避ける ※参考書籍 |
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Q5 | 歯科金属アレルギーについて教えてください。 |
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A5 | ●金属アレルギーについてイオン化した金属が生体内に入り免疫反応を誘導することで金属アレルギーを発症します。皮膚や粘膜に直接接して生じる金属接触アレルギーと、歯科金属や商品に含まれている微量金属が体内に吸収されて生じる全身型金属アレルギーがあります。歯科金属による金属接触アレルギーとして、歯科金属と直接接する部位であれば、頬粘膜に白色レース状病変を示す口腔粘膜苔癬や口唇の一部が浮腫性腫脹する肉芽腫性口唇炎などが挙げられます。肉芽腫性口唇炎の場合には、歯性感染症の関与も考えられます。 ●歯科金属アレルギーとは?歯科金属アレルギーによる症状は、口腔内の金属が接触している部位に現れるとは限りません。 ●歯科金属アレルギーにかかっている人の割合年齢別では、男女ともに20~29歳がもっとも多く、次に30~39歳の順となっています。これらを合わせると全体の66.3%(男性70.0%、女性64.9%)です。 性別は全体で、女性が男性の2.6倍以上となっています。各年齢層すべてにおいても男性より女性のほうが多く、とくに50~59歳では女性が男性の4倍以上で最大の差があるという結果が出ています。 ●歯科金属アレルギーによる疾患疾患数は、アトピー性皮膚炎が67.5%と圧倒的に多く、ついで掌蹠膿疱症9.4%、湿疹8.5%の順です。 ●お口の中の金属はなぜ腐食するの?お口の中は金属を非常に腐食させやすい環境となっており、様々な原因で腐食します。 ■プラークや電解質溶液(唾液)などと、つねに接触する
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Q6 | ピアスなどで金属アレルギーがあります。歯に詰めている金属は大丈夫でしょうか? |
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A6 | ピアスホールが赤くなっている原因が何の金属であるかが問題になってきます。歯科で使用されている金属は合金であるために様々な金属が使用されています。アレルギーの原因金属が歯科用合金の中に使用されていればこれから発症する可能性はあります。金属は水分のあるところで金属イオンという小さな物質となって溶け出しています。この金属イオンが体の免疫細胞と過剰に反応してアレルギーとなります。お口の中に入っている金属に接触している頬や舌が赤くなったり、白くなったりして炎症が起こります。すぐに出る場合もあれば時間がたってから出る場合もあります。また、全身に出る場合もあり、特に手や足の甲に水泡状の皮膚炎が出ることがあります。 ご心配であればかかりつけの歯科医院や金属アレルギー外来などにご相談ください。 ※サイト:新潟県歯科医師会 |
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Q7 | 金属アレルギーのパッチテストってどんなもの? |
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A7 | パッチテストのスケジュールと内容をご紹介します。
※参考書籍 |
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Q8 | 20年前に金属アレルギーの疑いでパッチテストを行い、ニッケル(Ni)にアレルギーがあります。今回、金属をたくさん使った歯科治療を受ける予定です。治療前に改めてパッチテストなどを行ったほうがよいですか? |
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A8 |
一度ある金属に対しアレルギー反応が出た場合、一生その金属には接触しないのが大前提です。もともとアレルギー体質の方で、日常生活で金属によく触れたり、お口の中に金属を使用したかぶせ物やつめ物が多数ある場合は、新たに他の金属にもアレルギー反応を引き起こす可能性はあります。まずは、パッチテストや血液検査などをお勧めします。
◆加藤歯科医院ではパッチテストを実施しておりません。
※参考書籍 |
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Q9 | 歯科でのパッチテストは、なぜ7日目の判定まで見る必要があるのですか? |
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A9 |
歯科で扱うパッチテスト品目には、金属やレジンなどがありますが、パラジウム(Pd)のように遅延反応を起こすものや、ニッケル(Ni)や各種レジン類のように、初期に刺激反応を起こすものがあり、これらを見極めるため、7日目、もしくはそれ以降の皮膚の反応が重要となります。このため、歯科でのパッチテストは試薬貼付後7日目の判定を行います。
◆加藤歯科医院ではパッチテストを実施しておりません。
※参考書籍 |
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Q10 | パッチテストが終わった後から、テープを貼った部位に湿疹が出てきました。どうすればよいですか? |
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A10 |
遅延型アレルギー反応の可能性があります。可能であれば、ただちに反応部位を判定することが望ましいですが、患者さんの来院が難しいようであれば、患者さんに写真で記録を残してもらい、後日、早めに来院していただき、判定をします。検査後1週間経ってから反応が出る場合もあり、部位がはっきりしない場合は、疑わしい元素の身を再検査することも検討しましょう。
◆加藤歯科医院ではパッチテストを実施しておりません。
※参考書籍 |
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