日常生活での注意について

Q151 口呼吸が悪いと聞きますが、本当ですか?
A151

本当です。代表的な悪影響をまとめておきます。

1. 前歯前突や歯冠の着色、口唇の弛緩などによる審美性の低下

2. 歯肉やノドの炎症、舌の味覚障害などの病状

3. 全身的な免疫力の低下によるアレルギー疾患の発症

※参考書籍
 「筋の生理から運動指導・手技療法まで 歯科臨床が変わる筋機能学こと始め」
 竹内 正敏  砂書房

Q152 タバコと血圧の関係を教えてください。
A152

タバコは血圧によくありません。タバコを吸うと、末梢の血管が縮まってしまい、血液が流れる面積が減ることで血圧は上がってしまいます。

また、科学的根拠として、「タバコを1本吸えば、血圧は10~20mmHg上がり、その状態が15分続く」というものがあります。1グラムの減塩で1mmHg血圧が下がるという事実と比較すると、一時的な現象ではあるものの、タバコを1本吸わないことは、1日10~20グラムの減塩に匹敵するインパクトがあるということになります。

しかも、血圧上昇が15分続くということは、1日に1箱(20本)を吸う人なら、単純計算で300分、つまり5時間高血圧が続く計算になります。寝ている時間や食事・入浴時間などを省くと、起きている時間のほとんどが高血圧状態になりかねません。

 

また、タバコは肺がんの原因になり、1本吸うと5分30秒寿命が縮みます。

血圧管理の面からだけでなく、肺がんの誘発を含めてタバコは百害あって一利なし。今すぐやめましょう!

 

 

※参考書籍

 「クスリを飲まずに、血圧を下げる方法」

 渡辺 尚彦  廣済堂出版

Q153 だんだんと歯の噛む面がすり減ってきている気がするのですが・・・大丈夫ですか?
A153

大臼歯の咬合面において咬頭部のエナメル質は1年間に約30μm消失されています。第一大臼歯で考えてみると、60年間で約1,800μm、すなわち1.8mmのエナメル質が消失することになります。咬合面でこれだけのエナメル質が消失すると、象牙質が露出するようになります。露出した象牙質部はエナメル質よりも早く消失し陥凹が形成されやすくなります。さらに周囲のエナメル質が小破折を起こしながら、咬合面の資質はさらに消失していくと考えられます。

※参考書籍
 「日本歯科医師会雑誌 2018 Vol.71 No.3」

Q154 食事のときテレビを見ることはよくないと聞きましたが本当ですか?
A154

噛み合わせにとって、テレビを見ながらの食事はよくありません。とくに横向きの姿勢は、噛み合わせに悪い影響を与えます

横向きでテレビを見ながら食事をしていると、目と首の動きにつられて、上顎はテレビの方を向いていますが、下顎は完全にその方向を向いておらず、上顎と下顎の位置、すなわち噛み合わせにずれが起こり、上と下の歯は、ずれた状態で接触してしまいます。毎日横向きでこのようなことをしていると、上の歯の裏側と下の歯がずれた状態で歯の磨耗が起こり、その結果顎がずれた状態で噛み合わせが合うようになっていきます

一度顎がずれた状態で噛み合わせが固定すると、今度は横向きで食べることに違和感がなくなります横を向くと顎はずれているが歯は噛み合っていて、正面を向くと顎はずれていないが噛み合わせがうまくいかないという状態になってしまいます。

したがって、噛み合わせをよくするには、成長期から正しい姿勢で食事をすることがとても大切なのです。

これと同じように、悪い姿勢が原因で、腰の具合が悪い、首が痛い、肩が凝るなどの症状が現れている場合、根本的な原因を治さずに顎だけに注目して正しく使おうとしても、よい噛み合わせをつくることはできません。生活習慣の乱れや悪い姿勢は噛み合わせをどんどん悪い方向にもっていってしまい、一度悪くなるとなかなか元には戻りません。噛み合わせは、日頃の生活習慣や姿勢の良し悪しなどによって、日々つくられているということをよく認識し、日頃からよい生活習慣とよい姿勢を身につけるようにしましょう。

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

Q155 “かみぐせ”は治したほうがよいのですか?
A155

噛み方にもクセがあります。左右の歯でバランスよく噛むのではなく、主として片側だけで噛むようなクセです。この“かみぐせ”は、治すべきかそのまま放っておいてよいのでしょうか?結論から先にいうと、治すにこしたことはないのですが、大人で“かみぐせ”はあるけれど噛むときの姿勢はきちんとしているという場合は、そのまま放っておいても大丈夫です。このような人の場合、長年に渡ってつくられてきたその人なりのバランスを無理に治そうとすると、かえって身体に負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあるためです。

骨や筋肉の発育における左右差には、成長する過程で姿勢の良し悪しが深く関係しています。ですので、片側で噛んでいることもまた、いままでの日常生活における姿勢のあり様の結果と考えることができるのです。そのため、根本的な原因である日常生活を正すことをしないで噛み方だけを変えようとすると、かえって無理をすることになり、顎関節症のような症状が現れてくるのです。

子供の頃から左右の偏りのない正しい姿勢で生活することは、左右の顎をバランスよく使うために必要なことです。しかし、すでに骨格の固まった大人が、生活様式はそのままで、噛み方だけ変えることは問題がすり替えられているだけのように思われます。

普段の姿勢に問題がある人の場合は、噛み癖を治すより先に姿勢を正すことの方が根本的かつ全体的な治療になります。そして姿勢がよくなってくると、噛み癖も良い方向に変わってくるのです。

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

Q156 いすに座って足を組むとどんな悪影響があるのですか?
A156

足を組んでいすに座ることは歯の噛み合わせを悪くする原因になります。実際に、足を組んだ姿勢で歯を噛み合わせると、足を組んでいないときに比べて顎の位置がずれてしまうことが明らかになっています。コンピューターで解析すると、足を組んでいないときと比較すると、足を組んでいるときは歯の接触面積は半分以下、噛む力も半分以下になるという結果がはっきりと出ています。

このように、いすに座って足を組んだ状態で食事をしたり、ガムを噛んだりしていると、顎関節にずれが生じ、噛み合わせがおかしくなってきます。また、顎関節のずれは、肩こりや首の痛みの原因にもなりますので、いすに座るときは、足を組むことをやめ、身体への負担が少なく、見た目にも美しい姿勢で座るようにしましょう。

■こんな座り方していませんか?

悪い座り方

脚を組んで膝を内転させていますが、ポーズを作るために肩と腰椎、さらに足首も外旋させるモデル座りは大きな負担がかかります。真似をするのはやめましょう。肘掛けにもたれたり、足を投げ出したりするのもよくありません。

■美しくいすに座るためのポイント

・自然な形で背もたれに腰を当てる。

・深く腰掛ける。

・首すじをぴんと伸ばす。

・胸を張り、顎を引く。

・足をそろえてまっすぐ下へ。かかとを床につける。

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

 「Tarzan 2016年2月11日号」
 株式会社マガジンハウス

Q157 楽器演奏や運動と顎関節症の関係を教えてください。
A157

楽器を演奏したり、運動をするには基礎体力が必要です。ここでいう基礎体力とは、重力に抗して、よい姿勢でいることができる体力のことを指します。

基礎体力がないにもかかわらず、無理をして楽器を演奏したり、過激な運動をしたりすると、全身の骨格にゆがみが生じ、顎の関節にも悪い影響が出てきます。

例えば、楽器の演奏でいえば、あまり力を入れなくても演奏できる楽器ならよいのですが、トランペットのように下腹部や口元にかなり力を入れなければならない楽器の演奏や、ブラスバンドで重い太鼓を持たなくてはならないような場合などは、上半身をそらし、全身に力を入れなければなりませんから、腰や首ばかりでなく、全身に大きな負担がかかります。

そのため、ブラスバンド演奏で有名な学校では、楽器の練習の前に、まず腹筋運動をしたり走りこみをしたりして、基礎体力をつけることからレッスンを始めるとのことです。

中学校の学校歯科医として活動していた竹中正敏さんは、平成7年から追加された顎関節の診査で、「吹奏楽部の生徒に顎関節の異常が多く見られる」ということに気づいたそうです。また、詳しい調査で「弦楽器ではその演奏姿勢から、バイオリンやヴィオラ奏者に顎関節障害が多く見られる」、「声楽でもその最大開口量の大きさや長時間の開口が顎関節に悪影響を及ぼす可能性がある」などの報告も見つかったようです。顎のオーバーワークにはプレイ後のアイシングが効果的です。また、休みを入れながらの演奏練習をしましょう。ウォーミングアップやクールダウン、ストレッチングやマッサージは期待されているほど効果が出ないことも分かっています。

 

楽器の演奏だけでなく、運動にも気をつけなくてはなりません。「最近、運動不足だから少し運動をしなくては・・・」などと思って、いきなり激しい運動を始めたりすると、とたんに顎関節の調子が悪くなることがあります。また、運動部に所属している人では、「もうすぐ試合があるからがんばらなくては」ということで、一生懸命練習したことが原因で、顎関節症になるなどということもあります。

よい姿勢を身につけるには、毎日適度な運動をして、首、腰、大腿部などの筋力を鍛えることが大切ですが、過度な運動は禁物です。くれぐれも注意しましょう。

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

 「筋の生理から運動指導・手技療法まで 歯科臨床が変わる筋機能学こと始め」
 竹内 正敏  砂書房

Q158 年齢とともに歯並びが悪くなったような気がします。何故でしょうか?
A158

年齢を重ねるうちにクセ(ほおずえ、つめかみ、寝る姿勢、くいしばりなど)や生活習慣で歯列が乱れてしまうことがあります。

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