来院される前に
Q1 | 抜歯後の回復に影響するものは何ですか? |
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A1 | 以下のものがあります。 1.年齢 2.性別 3.喫煙習慣 4.経口避妊薬の使用 5.歯冠周囲炎の既往 6.術者の熟練度 7.手術時間 8.予防的抗菌薬投与 「埋伏第三大臼歯抜歯.術後回復に影響する因子の縦断的前向き試験」 ※参考書籍 |
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Q2 | 歯医者さんは痛くなったら行けばいいですか? |
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A2 | 痛みのないときから通うのが◎です。 「痛くなければ歯医者さんに行かなくていい」と考える方も多いのですが、実は、むし歯も歯周病も、その進行具合を痛みで判断することはとても難しいのです。 むし歯で痛みが出るのは、歯に穴があいてからしばらくの間だけ。炎症で神経が死ぬと、圧下していても痛みは消えてしまいます。また、歯周病は痛みなく進行し、痛むころには手遅れで、治療をしても歯を救えないケースも少なくありません。 そうならないために大切なのが、定期的な歯科受診。プロの目でお口の状態をチェックしてもらうことで、むし歯や歯周病の兆候が速めに見つかりますし、それを改善するための対策や指導もしてもらえます。 痛くなる前から通って、トラブルの芽を事前に摘めれば安心ですね。 ※参考書籍 「nico 2017.5 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q3 | 今歯がガタガタしていてよく噛めません。年齢が高く、歯医者が久しぶりで不安です。どんなことを聞いたらいいですか?また、どんな説明をしてくれる歯医者がいいですか? |
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A3 | 患者さんに覚えておいてほしいこと(聞くこと)
歯科医師からの説明項目で注目すべきもの
※参考書籍 |
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Q4 | 歯ブラシだけでお口のお手入れは完璧にできますか? |
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A4 | 歯ブラシだけでは、絶対に磨けない場所があります。 歯ブラシ1本でお口のお手入れは完璧にできるかというと、残念ながらそうではありません。歯と歯の間(隣接面)、歯周ポケットの奥など、いくら磨き方が上手でも歯ブラシの毛先が届かない場所があるからです。 とくに隣接面は、むし歯や歯周病のリスクが高いところ。ツルツルした歯面はもともとプラークがたまりにくく、むし歯のリスクが低い場所なのに対し、隣接面は歯ブラシが届きにくくプラークもたまりやすいのです。 歯ブラシだけでは磨けない場所をきれいにするには、デンタルフロスやタフトブラシ、歯間ブラシをセルフケアに取り入れるのに加え、歯科医院で定期的に歯のクリーニングをしてもらいましょう。毎日の歯磨きで取り残した汚れも、しっかりと落としてもらえます。 ※参考書籍 「nico 2017.5 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q5 | 歯垢が歯石になるってイメージがわかないのですが、どういうことですか? |
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A5 | 例えばカレーを食べた後、すぐにお皿を洗うと簡単に汚れが取れます。しかし一晩、空気中に放置するとどうでしょう?乾燥して汚れがこびりつき、汚れを取るのが大変ですね。 つまり食後、汚れが乾燥する前に、歯を磨くと汚れは簡単に取れます。また口呼吸があると、歯が乾燥し歯垢がこびりつきます。乾燥した歯垢が、歯石となるのです。 ※参考書籍 |
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Q6 | 次のうち、よく噛むと溜まらないものはどれでしょうか? |
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A6 | 答えを選んでください。
いかがですか?実はこれは歯科領域にも関わるクイズなんです!
正解は、「3.耳クソ」です!
食事のときは、歯だけを使っていると思いがちですが、舌や下顎、それに筋肉も動いています。
両手の人差し指を耳の穴に入れて顎を動かしてみてください。 顎の関節の動きが指先に伝わってくるのを感じますね。
額のこめかみに指をあてて、顎を動かしてみてください。 筋肉(側頭筋)が動くことが分かりますね。
「顎関節が動くことで耳クソが剥がれ落ちる」というわけです。 ※参考書籍 |
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Q7 | 歯みがき剤はどれも似たようなものですよね? |
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A7 | むし歯予防のためには、ぜひフッ素(フッ化物)配合のものを選びましょう! ドラッグストアや歯科医院に並ぶ歯みがき剤。「どれも同じだ」と言う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、むし歯予防のためにはぜひフッ素(フッ化物)配合のものをお選びください。 実際、子どものむし歯はフッ素入り歯みがき剤の普及にともない激減し、今では12歳児では1本ほどになりました。もちろんフッ素は大人にも効果的です。 なかでも歯科医院の歯みがき剤は、むし歯予防効果が確認されているフッ素濃度が配合され、濃度もきちんと明示されています。歯みがき剤選びに迷ったときは、ご自分にあったものを歯科医院で選んでもらいましょう。 ※参考書籍 「nico 2017.5 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q8 | 削って詰めた歯はもうむし歯になりませんよね? |
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A8 | 詰め物・被せ物をした歯こそ再発に注意しましょう! 削って詰めた歯は、「これでもう治った」と安心しがちですが、歯と詰め物との境目にプラークがたまると、そこから新たなむし歯ができてしまうことがあります。 歯科ではこれを「二次う蝕(むし歯)」と呼んでいます。歯科医師がうまく詰めても、人工物である詰め物や被せ物と天然歯はまったく違うものでできているので、ミクロの目で見るとどうしてもいくらか段差ができ、そこに細菌がくっつきやすいのです。 詰めた歯、被せ物をした歯は、いつも気にかけてよく磨くこと。そして、新たなむし歯ができていないか歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう。 ※参考書籍 「nico 2017.5 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q9 | インプラントを入れたから、歯周病はもう大丈夫ですよね? |
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A9 | そんなことはありません。インプラントも“歯周病”になります! 「インプラントには歯周病の心配はない」。そんなふうに思われるかもしれませんが、じつはインプラントも“歯周病”になります。 “インプラントの歯周病”は「インプラント周囲炎」と呼ばれ、歯周病が歯石やプラークが原因で起きるのと同様に、インプラントの周りに歯石がつきプラークがたまると炎症が起こります。やっかいなことに自覚症状が出にくく、膿が出るなと気づいたときには重症化しているケースが多いのです。 せっかく入れたインプラント。長持ちさせたいですよね。それには、治療が終わったからも歯科医院で定期的にチェックを受け、クリーニングしてもらうのが一番です。 ※参考書籍 「nico 2017.5 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q10 | 歯科って往診があるの? |
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A10 |
お医者さんが自宅に往診してくれるのと同じように、歯科にも訪問診療があります。「歯科の治療にはいろんな道具が必要だから、歯科医院に通えなくなったら治療は無理だろう」とあきらめている方は周囲におられませんか? あまり広くは知られていないのが残念なのですが、歯科でも歯科医師や歯科衛生士がご自宅や施設にお伺いして、治療をし、お口のなかをきれいにケアする「訪問診療」を行っています。 ことに近ごろでは、歯科の治療道具がコンパクトにセットされた往診用のポータブルユニットも普及しはじめていて、歯科医院においでになるのとほとんど変わらない治療やケアが受けられるようになってきています。 入れ歯が痛い、残った歯が折れたり欠けたりして傷む、歯が揺れて噛めないなどのトラブルを抱えたまま我慢していると、食が細くなり、体力の低下につながりがちです。また、しっかり噛んで食べられないと、噛む、飲み込むといった機能がおとろえやすく、ましてお口のなかが汚れていると、お口のばい菌が誤って肺に入って起きる誤嚥性肺炎を起こしやすくなってしまいます。 いざ通院が困難となったとき、おいしく食べられるお口を守って体力を維持するために、ぜひ歯科の訪問診療をお役立ていただきたいと思います。 ※参考書籍 「nico 2014.12 クインテッセンス出版株式会社」 |
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