歯・お口の状態について

Q81 口の中を健康に保つにはどんなことに気をつければいいの?
A81

共通したリスクファクターへのアプローチとして、口腔健康促進の合理的な基盤を分析した研究報告があります。

口腔健康は、食事口腔衛生喫煙アルコールストレス外傷によって決定されます。これらの原因はいくつかの他の慢性疾患と共通するため、連動したアプローチを採用することは、特定の疾患一つに対してのアプローチより合理的です。共通したリスクファクターへのアプローチはさまざまな方法で実行でき、食品政策の実施と健康促進教育の開始は口腔健康の促進方法として効果的な一例です。

Sheiham A, Watt RG. (Community Dent Oral Epidemiol 2000; 28(6): 399-406.)

※参考書籍
 「ペリオのための重要16キーワードベスト320論文」
 和泉雄一/伊藤公一/佐藤秀一 監修
 クインテッセンス出版株式会社

Q82 不眠症の治療って、精神科や心療内科の領域だと思ってました。歯科で治療できるって不思議です。
A82

精神的な悩みによる不眠症なら精神科や心療内科への受診が必要ですが、いびきによる不眠症は口のなかの舌や軟口蓋が問題となるので、まさに歯科の領域の治療なのです。

※参考書籍 「nico 2013.7 クインテッセンス出版株式会社」

Q83 歯周病の治療について教えて下さい。
A83

歯周病は、細菌による感染症です。歯周病菌が原因で歯ぐきの腫れ・出血が発生します。
外からは見えない歯周ポケットに汚れが溜まり、歯周病菌が増殖していませんか?
歯周病菌を口から追い出すのがもっとも確実で効果的な治療法です。
歯周ポケットのなかを掃除するスケーリング&ルートプレーニング、歯ぐきを切り開いて行うデブライドメント、PMTCやていねいな歯みがきなど、方法はさまざまでもその目的はひとつ。
すなわち、「歯周病菌の除去」です。
抗菌剤、抗生剤がよく効くのはスケーリングをしっかりした後。
薬の力だけで退治するのは困難です。

※参考書籍
 「nico 2013.4 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2011.9 クインテッセンス出版株式会社」

Q84 どんなクセや習慣が悪くて顎関節症になるのですか?
A84

顎関節症を発症・増悪させる原因を減らすために、日常生活で何気なく行っているクセや習慣を見直しましょう。気づいて改善していくと症状がグッと楽になります。ぜひお試しください!

1.背筋を伸ばそう

つい猫背になっていませんか?猫背になると顎が前に出て顎関節に負担がかかりがちです。とくに仕事や勉強で長時間集中するかたは要注意です。ふだんの何気ないクセを直していきましょう。

2.上下の歯を離そう

仕事や家事、運転中や勉強中に歯を噛み締めたりして、上下の歯を触らせてはいませんか?上下の歯が触るのは、食事を含めても、通常1日20分程度と言われています。上下の歯を触らせるクセがあると、あごの筋肉を疲労させてしまいます。

3.睡眠を十分取ろう

睡眠不足になると緊張状態に陥りやすく、リラックスしにくくなります。また、睡眠の質が悪い歯ぎしりが増えることがわかっています。生活のリズムを整えて十分な睡眠を取りましょう。うつぶせや高めの枕は避け、できるだけ上向きで寝ましょう。

4.頬杖をやめよう

テレビを見ながら、おしゃべりしながら、つい頬杖をついていませんか?偏った力があごに加わって余分な負担をかけるだけでなく、バランスを取るためにあごの筋肉が緊張し筋疲労の原因にもなります。

5.仕事の合間に休憩しよう

仕事や家事、勉強の合間に休憩を取りましょう。緊張したり集中したりしている時間が長く続くと、あごの周りの筋肉も緊張しがちです。お茶を飲んだり、軽くストレッチをしたりして一息つきましょう。

6.電話の肩ばさみをやめよう

電話の肩ばさみは、あごの筋肉を疲れさせ、偏った力をあごにかけてしまいます。また、長電話はあごの疲れの原因に。口を開けると音がするかたや、あごに違和感のあるかたは、ひとまず長電話は控えましょう。

7.うつぶせで読書をしない

うつぶせ読書は、下あごが前に突き出てあごに負担がかかります。読書はつい同じ姿勢を長時間続けやすく、何気なく続けているうちにあごを傷めてしまいます。読書はよい姿勢でしましょう。

8.硬い食べ物は控えて

痛みのあるかたはもちろん、あごを動かすと音がするかたや違和感のあるかたは、なるべく硬い物・大きな物を食べるのは控えて、しばらくあごを養生させましょう。せんべい、スルメなどはもちろん、フランスパンなども避けたほうがよいでしょう。

※参考書籍 「nico 2015.2 クインテッセンス出版株式会社」

Q85 口臭ってなにでできてる?
A85

気になるお口のにおい。このにおいの正体はお口の中にいる細菌がタンパク質を分解して作る、揮発性の硫黄化合物です。自分の体内で作られ、しかも四六時中嗅いでいると慣れてしまうので、においを撒き散らす当人は気付かないことが多く、その一方、他人の口臭には慣れていないため、よくにおいます。
自分の感覚があてにならず、「自分にも、もしかして口臭があるのでは?」と内心気にしている人も多いのです。
口臭は、朝起きてすぐなど、誰にでもある「生理的口臭」と、病気が原因でにおう「病的口臭」に分けられます。そばにいるのが不快なほど強いにおいは病的口臭。「魚が腐ったようなにおい」などと例えられて、人間関係やビジネスに影響を及ぼすことも。すぐに治療&予防を始めましょう。

※参考書籍 「nico 2010.11 クインテッセンス出版株式会社」

Q86 歯ぐきがやせるのはなぜ?
A86

歯ぐきがやせることを「歯肉退縮」ともいいます。

1.歯の位置関係

あごの骨に対する歯の位置関係が歯ぐきに影響します。くちびる側に飛び出している歯は歯ぐきが薄くなります。また、あごの骨の薄くなりやすい上下の犬歯の根元も、歯ぐきが薄くなることが多いです。

2.歯ぐきやあごの骨の厚い・薄い

歯並びと同じように、歯ぐきやあごの骨の厚さにも個人差があります。前歯の根面が露出しやすいのは、歯ぐきが薄く、骨も薄いことが多いからです。

3.強い力での歯みがき

強い力で歯ブラシを当ててみがくことを長時間続けていると、歯ぐきが下がっていってしまいます。

4.噛む力の激しさ

噛む力が非常に強かったり、歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯ぐきが下がりやすいと言われています。

5.歯周病

歯ぐきがやせる理由のひとつは歯周病歯周病のために歯槽骨が減ると、歯槽骨を覆っている歯ぐきもいっしょにやせてしまいます。歯周病は、歯周病菌が起こす炎症によって歯ぐきが腫れ、歯槽骨が失われる病気です。歯槽骨はいったん失われるともとには戻らないため、歯周病を治した後も、歯ぐきのやせは改善されずにそのまま残るケースも多いのです。
他には乱暴な歯みがき。力を入れてゴシゴシ歯みがきをする習慣があると、歯ぐきがやせてしまいます。

歯肉退縮の原因

うつくしく健康な歯ぐきを守るには、適切な歯みがき法のマスターと、歯周病の早期発見・早期治療がとても大切です。歯周病を放置せず、お早めに歯科医院へ!



※参考書籍
 「nico 2010.8 クインテッセンス出版株式会社」

 「nico 2018.12 クインテッセンス出版株式会社」

 「下野先生に聞いてみた1 ペリオ・インプラントの疑問に答える、指針がわかる」
 下野 正基 著  クインテッセンス出版株式会社

 「PRD YEARBOOK 2020 PRD 新時代の軟組織マネジメント」
 主席編集 岩田健男、山﨑長郎、和泉雄一
 クインテッセンス出版株式会社

Q87 うちの父はいびきがひどくて、「自分のいびきで目が覚める」といいます。息が止まっている様子はありませんが、からだに悪いのでは?と心配です。
A87

いびきは、気道が塞がりかけて呼吸が思うようにできないというサインです。息が苦しくなるたびに覚醒するので深く眠れず、疲労が蓄積します。ぜひ一度終夜睡眠検査をおすすめください。

※参考書籍 「nico 2013.7 クインテッセンス出版株式会社」

Q88 歯がしみる原因は何ですか?
A88

「虫歯じゃないのに歯がしみる・・・」なんて経験はありませんか?
知覚過敏かもしれません。
知覚過敏はさまざまな原因が重なり合って起こる事が多いのです。

1.歯ぎしりや噛みしめでエナメル質にヒビが入った

過剰な力が歯の表面を覆っているエナメル質にかかると、細かいヒビが入って、はがれやすくなってしまいます。
よく見られるのが歯の根元の近くのエナメル質が楔状になくなっているケース。力の集まりやすい歯の根元が影響を受けるのです。
その結果、むき出しになった軟らかい象牙質が削れ、楔状にへこんでしみる原因に。
汚れが溜まりやすくむし歯が心配ですが、ゴシゴシみがくと象牙質がさらに削れてしまうので注意が必要です。

2. 歯ぎしりで歯がすり減った

就寝中の歯ぎしりで、歯がすり減ってしまいます。
そのためエナメル質が削れて象牙質がむき出しになってしまうのです。
象牙質がむき出しになると、エナメル質より軟らかいためさらにたくさんすり減り、しみる原因になることも。
奥歯が削れてしみたり、 前歯の先が削れたり欠けたりしてしみるなどの症状があります。

3. ゴシゴシみがきでエナメル質を削った

どんな人でも、ブラッシングには独特のクセがあるものですが、毎日欠かさずゴシゴシみがきをしていると、エナメル質が削れてしまいます。歯の汚れをきれいに落とすには、強い力は必要ありません。歯科医院でブラッシングの指導を受けることをおすすめします。

4.歯ブラシが硬すぎた

「硬い歯ブラシでみがかないとみがいた気がしない」とおっしゃるかたがいます。
でも、硬い歯ブラシを使い、さらには毎日ゴシゴシとみがき、そのうえエナメル質にヒビが入っていたりすると、知覚過敏まっしぐらです。

5.研磨材の入った歯みがき剤で歯みがきをしすぎた

歯を白くしたいと、粗い研磨材の入った歯みがき剤でむやみに30分、1時間と長時間歯の表面をこするのは止めましょう。歯みがき剤で取れるのは着色だけ。
ホワイトニングとは違います。当医院では歯みがき剤を使わず、歯ブラシには水のみつけ、本・雑誌・テレビなどを見ながら行う“ながらみがき”を推奨しています。

6.歯周病で歯ぐきが下がった

歯周病になって歯ぐきが退縮すると、歯が長く見えます。それは、歯ぐきに覆われているはずの歯の根元が表に見えてしまうからです。
歯の根元はエナメル質に覆われておらず、やわらかく、強いブラッシングなどによって容易に削れていきます。

7.すっぱい飲食物で酸蝕症に

近年の健康志向の高まりで、日常的に酢やレモンなどの酸性の飲食物を積極的にとるかたが増えました。
からだによいこうした習慣も、歯にとっては被害甚大。
酸によって溶けやすいエナメル質はだんだんと薄く、弱くなってしまいます。
エナメル質が薄くなるにしたがって、黄味の強い象牙質の色が透けて見えたり、知覚過敏になりやすくなります。
からだによいことが歯にもよいとは限りません。
健康志向も「ほどほど」でお願いします。

8.ホワイトニングをしすぎた

ホワイトニングは歯を削らず健康的に白くできる優れた方法です。ただ、刺激の強い薬剤を長期間使うと知覚過敏を起こしやすくなるのも事実です。
日本人の歯はもともと欧米人とくらべて黄色く、これを真っ白にするには、より徹底したホワイトニングが必要です。
そのため知覚過敏のリスクが高まってしまいます。


※参考書籍
 「nico 2011.2 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2008.12 クインテッセンス出版株式会社」

Q89 だ液が少なくなるとどんな影響が出ますか?
A89

だ液には、消化作用・抗菌作用・歯の再石灰化作用・粘膜保護作用・活性酸素の除去作用などがあり、唾液の量が少なくなると、むし歯・歯周病・味覚障害・異常乾燥感・不快感・舌痛症・口臭・摂食嚥下障害・上部消化器障害・感染症・肺炎などが起きやすくなります。

Q90 歯周病菌は恐ろしいと聞きました。自分でもすぐにはじめられる対策があったらぜひ教えて下さい!
A90

歯周病菌をお口から追い出すためにもっとも効果的なのは「歯みがき」。プラーク(細菌のかたまり)を歯ブラシでしっかり落としましょう。ポイントは、いつものなんとなく惰性で続けている歯みがきから、ブラシの毛先の動きを意識した、ていねいな歯みがきに変えること。その際、薬剤入りの歯みがき剤を使うとさらに効果的です。

 

※参考書籍 「nico 2020.7 クインテッセンス出版株式会社」

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