日常生活での注意について
Q101 | 歯ぎしりによるストレスで影響をうけるものはどんなものがあるの? |
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A101 |
1. 顎関節 ※参考書籍 |
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Q102 | 噛めば噛むほど歯や骨が鍛えられて治療にもいいと思っていたのですが、歯の治療中は、無理して噛まないほうがいいんですよね? |
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A102 |
そうなんです。「治療に早く慣れたい」と頑張って噛んで食べているとその強い噛む力が妨げとなってせっかくの治療がスムーズに進まないことも。 1.外科治療を受けてしみる&腫れている外科手術を受けたあと1週間ほどは、噛む力で傷口が開きやすいとき。 2.インプラント体が入ってから約2週間インプラント体の埋入手術から2週間は、インプラント体と骨が結合しはじめる、とくにデリケートな時期。可能な限りそっとしておきたいものです。現在は、即時荷重インプラントといって、手術当日に歯も入る治療が増えています。 3.仮歯が入っているクラウンやブリッジの仮歯は、治療途中の歯につけられ、必要なときに外して治療しやすいように、仮歯用の弱い接着材が使われています。 4.新しい入れ歯の調整中新しい入れ歯に早く慣れようと、まだ調整の終わらないうちから、出来たばかりの入れ歯で無理をしてふつうの食事をするのはやめましょう。 ※参考書籍 「nico 2012.6 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q103 | 歯の裏につくヤニが歯によくないそうですがこれって単なる着色じゃないんですか? |
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A103 | タバコのヤニはとてもしつこい汚れ。ベッタリと幾重にも付着しているうちに歯の表面はザラザラになります。このザラザラが、細菌にとって格好の足場になってしまうのです。 |
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Q104 | 口呼吸は歯周病に悪いのですか? |
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A104 |
口呼吸することにより口の中が乾きやすくなり、プラークが溜まりやすくなります。 口呼吸が歯周病に悪いというのは、口が開くことによって、歯と歯ぐきの周囲が乾燥し、歯周病菌は粘度を持つことで歯にへばりつこうとすることにあります。また唾液による自浄作用がなくなることから口の中の細菌の活動性を高めるなど、悪影響があります。 ※参考サイト 「日本臨床歯周病学会」 |
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Q105 | 歯医者で抜歯することになりました。糖尿病でタバコも吸っています。注意点はありますか? |
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A105 | 手術が決まったら、手術をする外科領域の医師は、術前にさまざまな検査をします。その中には糖尿病があるかどうかの検査、すなわちヘモグロビンA1cや血糖値の測定も含まれています。 ただし、歯科医院内で血液検査をすることはできません。もし正確な数値が分かれば申告してください。 なぜなら、糖尿病があるかどうかは手術成績(結果)を大きく変えるからです。高血糖状態では、体内にウイルスや細菌が侵入したときに、それを取り囲んで食い殺す白血球の機能が低下します。免疫反応すなわち一度感染した病原体に対し、体内でその抗体が作られ、次に同じ病原体が体に侵入しようとしたときに、それを防ぐはたらきも低下しているため、細菌やウイルスに感染しやすくなるのです。 また、合併症が進行していて、細い血管で血液の流れが悪くなっていると、創傷治癒のための栄養や酸素、さらに薬物の局所への供給が阻まれます。神経障害により痛みなどの症状が分かりにくくなっていることで、さらに感染が重症化することなども考えられます。 一度、細菌などに感染すると、インスリンを効きにくくする物質(サイトカインなど)が多くなって、血糖値はさらに高くなり、感染を進行させてしまうという悪循環が生まれます。また、手術の傷(縫合部)の感染は、傷の縫合がうまくいかない縫合不全につながり、さらに全身状態の悪化などで手術後の回復が大きく遅れます。 このような背景からも糖尿病のコントロールは日ごろから良好にしておく必要があります。 喫煙している方については、たばこにより、種々の周術期合併症が増加し、術後の回復が遅延するため、手術前のいつの時点からでも禁煙を開始することには意義があるとされています。禁煙は糖尿病の合併症予防の点でも有益ですので、この機会にぜひチャレンジしましょう。
※参考書籍 |
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Q106 | 最近友人から顔がゆがんできているよと、よく言われるのですが・・・ |
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A106 |
顔のゆがみの原因は大きく次のように分けることができます。 1.偏咀嚼癖程度の差はありますが、ほとんどの人に存在します。 2.不良口腔習癖舌癖、口唇癖、顔面癖など 3.不良姿態癖寝ぐせ、頬(顎)づえ、作業姿勢など 4.不正な噛み合わせ不正な歯列や不適切な冠などによる顎偏位
1.と2.は口腔周囲筋の硬化、短縮や習癖のエングラム化(一部分だけで噛み合わせるような早期接触がわずかにでも生じると、それを無理やり避けるように下の顎をずらした位置で噛むように習慣化してしまうこと)が主たる原因なので、マッサージなどの手技療法やストレッチングなどの運動療法により筋肉をリリース(弛緩)させたり、筋エングラムの再構築をしたりすることで改善できます。 3.は主として外からの力によるものです。その原因は生活習慣の中にあるため、問診が非常に大切になってきます。不良な姿勢癖を改善することにより、顔のゆがみだけでなく身体の健康状態もよくなることが多くあります。 4.は噛み合わせに問題があるため、嚙み合わせの治療が必要となりますが、顎位の修復は審美的バランスだけでなく筋バランスのも留意しなければなりません。 ※参考書籍 「小出馨の臨床が楽しくなる咬合治療」 |
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Q107 | 「口呼吸」より「鼻呼吸」がよいと聞きました。「鼻呼吸」の利点を教えてください。 |
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A107 |
1.加湿外気を体温に近い状態にして吸気できる。 2.空気清浄機目に見えない塵、埃を取り除く。 3.加湿乾いた空気を加湿する。 4.脳の冷却副鼻腔を通して脳を冷やす。 5.免疫機構の賦活ワイダエル咽頭輪 ※舌扁桃、口蓋扁桃、咽頭扁桃、耳管扁桃の4つがワイダエルの咽頭輪を構成している。 具体的には以下のような改善があります。 口腔内症状1.起床時
2.歯を磨くとき
3.口内炎ができなくなった 4.気になっていた口臭がなくなった 5.イビキがなくなってきた 鼻の症状1.鼻がつまらない(鼻の通りが良くなった) 2.「いびき」をかかなくなった 皮膚の症状1.乾燥肌がなくなった 2.肌が痒くない 3.潤い肌で、化粧ののりが良くなった 4.接触性皮膚炎が解消した 5.アトピー性皮膚炎・掌跡膿疱症の症状が改善してきた 6.慢性リウマチの症状の進行が止まった 全身の症状1.肩こりしなくなった 2.睡眠中トイレに行く回数が減ってきた 3.起床時の頭痛、睡眠時の頭痛がなくなった 4.日中の眠気がなくなった(缶コーヒー症候群が解消) 5.起床時に爽快感がある 6.夜間高血圧がなくなった 7.不整脈がなくなった 8.眠中に暴れなくなり、上を向いて眠れる 9.幼児では夜尿症や夜驚症がなくなった 10.目が覚めたとき上を向いていた
※参考書籍 |
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Q108 | 「むせ」はなぜ起きるのですか? |
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A108 | 「むせ」とは、気管に余分なものが入らないように働いている、からだの防御機構です。気管に誤って食べ物や飲み物、唾液が入り込みそうになると、反射的に「ゴホン、ゴホン」とむせます。食べ物や唾液といっしょに気管から肺へとばい菌が入らないように、気管から追い出し、守っているのです。 |
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Q109 | 誤嚥性肺炎について教えてください。 |
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A109 | 誤嚥性肺炎って何?飲み込む力も、むせる力も弱くなって、食道へと流れるはずの唾液や食べ物、飲み物が、誤って気管から肺へと入ってしまうことが原因で起きる肺炎です。高齢者に起きやすく、ひどく体力を奪うため、寝たきりになる重大なリスクとしてクローズアップされ、広く知られるようになりました。 誤嚥から肺炎発症のメカニズム飲食物などが気管から肺に入り、炎症を引き起こします。 誤嚥しても誤嚥性肺炎が起こるとは限らない誤嚥をしても誤嚥性肺炎が起きないこともあります。肺に誤嚥された飲食物などに有害な細菌が含まれていない場合や、細菌に対する抵抗力(免疫力)が強い場合には発症しません。 つまり、「誤嚥」、「細菌」、「抵抗力の低下」の3つが誤嚥性肺炎の大きな原因となります。それぞれについて、対応策をご紹介します。 1.誤嚥の防止誤嚥とは、嚥下がうまくできないことです。つまり、誤嚥を防ぐには、嚥下を上手に行う必要があります。 嚥下とは、飲食物などを飲み込むことです。これを上手に行うためには、飲み込む前の段階である口腔の機能も大切です。嚥下に関係する口腔機能としては、飲食物を取り込む、咀嚼する、飲み込みやすいようにまとめる(食塊形成)、喉に送り込む、などがあります。これらの機能では、唇・歯・頬・舌が大切な役割を果たします。 虫歯で歯に穴が開いている、歯が痛くてかみ合わせることができない、歯が抜けたまま放置している、などの状態では咀嚼がうまくできませんので、歯科医院を受診してください。 喉に送り込まれた食塊が、誤って気管に入らずに正しく食道に入るためには、気管の入り口にある声門がしっかりと閉じていることが必要です。声門を鍛える方法は幾つもありますが、人とおしゃべりする、合唱やカラオケを楽しむといった日常生活でできることが多くありますので、楽しみながら実践してください。 食事時のむせなどが気になる場合は、食事するときの姿勢を見直すことが有効な場合があります。背もたれに寄り掛からず体をまっすぐにし、顎を引いた、やや前かがみの姿勢が理想です。 また、食べ物を口に詰め込みすぎるのも禁物です、1回で飲み込める量を、ゆっくりよくかんで食べることも誤嚥防止に役立ちます。 食事時の正しい姿勢
2.口腔内細菌を減らすもし誤嚥したとしても、誤嚥した食物や唾液の中に含まれる細菌がごく少数ならば、肺炎は起きません。また、細菌を誤嚥しても、肺炎の原因になる細菌がいなければ肺炎は起きません。つまり、口腔内の細菌を減らすとともに、肺炎の原因となる細菌の繁殖を抑える必要があります。手段は簡単、口腔ケアです。 積極的な口腔ケアによる肺炎予防効果 介護老人福祉施設に入所している高齢者に対し、日常的なセルフケア+定期的なプロフェッショナルケアを行った群(口腔ケア群)とそれ以外の群(対照群)の発熱発生率および肺炎発症率の比較 米山武義ら;要介護高齢者に対する口腔衛生の誤嚥性肺炎予防効果に関する研究、日本歯科医学会誌、2001 歯が1本もない人や胃ろうなどで口から食事をとっていない人にも、口腔ケアは必要です。口腔は粘膜で覆われています。この粘膜の細胞は新陳代謝により絶えず入れ替わり、古くなった粘膜細胞は、口腔内に剥がれ落ちます(剥離上皮)。つまり、垢が出てくるわけです。この垢の中でも細菌は増殖しますから、スポンジブラシなどを使い、やさしく口腔内の粘膜を掃除するようにしましょう。同様に、舌に付いた汚れ(舌苔)の掃除も有効です。義歯を使用している人は、歯と粘膜の掃除以外に、義歯の掃除も忘れずに行ってください。 また、唾液中のリゾチームやラクトフェリンなどは細菌の侵入を防ぎますし、唾液自体が食塊形成に必要な水分となり誤嚥を防ぎます。近年は唾液の分泌が減少する口腔乾燥症の患者さんが増えています。口腔乾燥症の対症療法の一つとして唾液腺マッサージがあります。 3.抵抗力を保つ気管や肺に細菌が入ってしまっても、感染を起こす前に排除できれば肺炎を予防できます。細菌に対する抵抗力を低下させる原因には、栄養不良、加齢、過労・ストレスによる体力低下などがあります。 ※参考書籍 |
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Q110 | 片噛み癖(偏咀嚼癖)は顔にどんな影響を与えるのですか? |
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A110 |
筋肉や関節は過度の使用(オーバーユース)によって組織は硬く縮んで働きが悪くなります。当然口腔周囲の筋肉や顎関節にも同様のことが起こり、その結果、顔貌にも変化を与えます。 偏咀嚼癖による顔貌の変化1.オトガイ点(顎の先端)は咀嚼側へ偏位する2.口唇ラインは咀嚼側に向かって上方傾斜する3.鼻唇溝は咀嚼側が深くなる4.咀嚼側の眼は細くなり、目尻も下がるこのような、咀嚼側全体が締まって縮んだようなお顔立ちとなります。
顔のゆがみが咀嚼筋・表情筋の硬縮の範囲に留まっているケースでは、手技療法や運動療法により、比較的簡単に回復しますが、咬筋の肥大などを伴っている場合には、咀嚼側の変更も考慮する必要があります。 しかしながら、無理に咀嚼側を変更すると、顎が痛い、口が開かないなどといった顎関節症になる危険性もありますので、歯科医院で相談してください。 ※参考書籍 |
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