Question

歯周組織の再生療法が終わりました。この後の管理・メインテナンスの流れと注意点を教えてください。

Answer

再生療法の術後管理の流れは、4つに分かれます。それぞれ注意点を説明します。

【第1期】(術直後~1週間後[抜糸])

来院頻度は2~3日ごと。

治療部位近辺は、歯ブラシ・歯間ブラシ・タフトブラシ・デンタルフロスなど、すべての清掃器具の使用を中止し、絶対に触らないようにしてください。

その他の部位は、通常通りていねいにブラッシングを行い、その後洗口剤にて軽く含嗽(1日2回、1回1分間)するようにしてください。

また、治療部位を舌や指、歯ブラシなどで触れることは避けていただき、口を大きく開けたり、大きく動かしたり、強い含嗽を行うなども避けてください。

治療部位での咀嚼はできるだけ避けて、反対側で食事するようにしてください(可能であれば術後1カ月間)。さらに、固い食べ物や極端に熱い、冷たい、辛いなどの刺激物なども避けてください。

抗生剤、鎮痛剤は用法・用量を守ったうえで服用してください。また血行を促進しすぎないよう、激しい運動、飲酒、入浴(シャワーは可)は控えてください。ただし、冷やしすぎも治癒遅延を招く恐れがあるため、冷やす場合には濡れタオル程度とし、氷水などは使用しないでください。出血や腫脹などの症状が強い場合はすぐに来院ください。

 

【第2期】(1週間後[抜糸後]~1カ月後)

来院頻度は1週間ごと。

治療部位近辺は歯冠部のみ、やさしくブラッシングを再開してください。歯間ブラシやデンタルフロスはまだ使用しません。歯ブラシは洗口液に浸した超軟毛歯ブラシを用いましょう。

(超軟毛ブラシには、ルシェロ歯ブラシOP-10[ジーシー]、TePeスペシャルケアコンパクト[クロスフィールド]などがあります。詳しくはスタッフまでお尋ねください)

その他の部位は、通常通りていねいにブラッシングしてください。そして、治療部位においては、舌や指などで触れること、咀嚼すること、固い食べ物を食べることは避けてください。

 

【第3期】(1カ月後~9カ月後[再評価])

来院頻度は1カ月ごと。

通常の歯ブラシ・歯間ブラシ・デンタルフロスを再開してください。歯周組織再生療法を行っている部位は、他の部位と比較して患者さん自身でプラークコントロールが困難な場所です。その結果歯周組織が喪失してしまっているため、とくにプラークコントロールを徹底するよう心がけてください。また、時間の経過とともに歯肉形態も徐々に変化してくるため、その都度ブラッシング方法を確認することも重要です。

食事については、通常通りの食事を再開してください。ただし、治療部位での固い食べ物の咀嚼は出来る限り避けるようにしてください。

 

【第4期】(9カ月以降[メインテナンス])

来院頻度は3カ月ごと。

メインテナンスの成功なしに歯科治療の成功はないといわれています。

歯周治療の目的は、「歯を長期にわたり保存すること」です。そのためにもっとも重要なことは、患者さん自身による良好なブラッシング定期的なプロフェッショナルクリーニングです。

術後の再評価以降、良好な口腔清掃状態が維持され、歯周組織が安定していれば3カ月ごとのメインテナンスへ移行します。もしメインテナンス中にプラークコントロールの悪化やBOP(歯周ポケット検査による出血)の増加が認められた場合もしくは歯周ポケットが再発した場合、メインテナンスの間隔を短くする必要があります。

ある国際的ワークショップ*)では、歯周治療後の健康な歯周組織の基準として、「BOP10%以下」(歯周ポケット検査による出血)、「PPD4mm以下」(歯周ポケットの深さ)が挙げられています。

*)Chapple ILC, Mealey BL, Van Dyke TE, Bartold PM, Dommisch H,Eickholz P, Geisinger ML, Genco RJ, Glogauer M, Goldstein M, Griffin TJ, Holmstrup P, Johnson GK, Kapila Y, Lang NP, Meyle J, Murakami S, Plemons J, Romito GA, Shapira L, Tatakis DN, Teughels W, Trombelli L, Walter C, Wimmer G, Xenoudi P, Yoshie H. Periodontal health and gingival diseases and conditions on an intact and a reduced periodontium : Consensus report of workgroup 1 of the 2017 World Workshop on the Classification of Periodontal and Peri-Implant Diseases and Conditions. J Periodontal 2018; 89 Suppl 1: S74-S84.

 

※参考書籍
 「イラスト・写真・動画で学ぶ!低侵襲 歯周組織再生療法」
 山口 文誉 著 クインテッセンス出版株式会社

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