治療内容・方法について

Q41 歯周外科治療とはどんな治療なのですか?
A41

歯周外科治療は「手術」のことです。

目的によって次の3つに分けられます。

1.フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)

汚れの徹底掃除。スケーリングやルートプレーニングでとりきれなかった歯周ポケットの奥深くにあるプラークや歯石を、歯肉を切り開くことによってしっかりと取り去ります。歯根表面をきれいにし、歯周ポケットを浅くするための治療です。

2.歯周組織再生療法

崩れた土台を作り直す工事。歯槽骨が吸収されてしまっている場合は、歯槽骨の再生を促します。お口の状態や全身の状態によっては、再生療法ができない場合もあります。

3.歯周形成手術

見た目の改善を主目的に、外壁を修復。歯肉が下がって歯が長く見えるようになってしまった場合に、他の部分から歯肉を移植して形成し、見た目をよくする方法です。

 

※参考書籍
 「日本人はこうして歯を失っていく」
 日本歯周病学会 日本臨床歯周病学会
 朝日新聞出版

Q42 外科処置前に痛み止めを飲むのはなぜでしょう?
A42

術後の疼痛管理は、単に患者さんの痛みを取り除くだけでなく、痛みによって二次的に引き起こされる、呼吸・循環器の合併症を予防する効果があります。

また、先取り鎮痛という取り組みも積極的に行われています。手術によって生じた侵害刺激は、脊髄や延髄にある侵害刺激を受容するニューロンを長期にわたって興奮させることが知られています。その結果、疼痛過敏が生ずることがあります。そのため、術前から鎮痛薬を投与したり侵害刺激を与える前に術野に局所麻酔を施して、痛みの伝達の抑制を図るのです。全身麻酔下でも口腔外科手術では出血をおさえ、術野を明視するために欠陥収縮薬添加の局所麻酔薬を注射しています。

局所麻酔薬を使用することは、術後の鎮痛にも大いに役立っています。また、術中に鎮痛薬を使用する、麻酔覚醒前に鎮痛薬を投与する、術後の鎮痛薬の持続投与などを行って積極的に鎮痛を図っています。

※参考書籍
 「知ると得する歯科麻酔」
 大井 久美子  一般財団法人 口腔保健協会

Q43 歯周外科治療は何のために必要なのですか?またどのような流れで行うのですか?
A43

歯周基本治療を終えても炎症が止まらない患者さんに必要になるのが歯周外科治療です。

歯周基本治療では歯根の分岐部や歯根の凹部の歯石は取れません。取り切れなかった汚れを取り、深い歯周ポケットを浅くするために、歯ぐきを切開して直接歯根や骨にアプローチする外科的な歯周病の治療です。

歯周外科治療の目的

  1. プラーク、歯石の除去
  2. 歯周ポケットの除去、減少
  3. 生理的な骨形態の獲得
  4. 付着歯肉の獲得
  5. 審美性の回復(根面被覆、歯頚線の調整など)
  6. 歯周組織の再生
  7. 生理学的幅径の再獲得

 

歯周外科治療の流れ

STEP1

歯周外科治療の流れ1

歯周基本治療では取り切れない汚れです。

STEP2

歯周外科治療の流れ2

歯ぐきを開き、残った汚れを確認します。

STEP3

歯周外科治療の流れ3

汚れを徹底的に取り、骨の形を整えます。

STEP4

歯周外科治療の流れ4

必要に応じて再生療法をし、歯ぐきを閉じて治療終了です。

 

※参考書籍
  「驚くほど臨床が変わる!こだわりペリオサブノート」
 瀧野 裕行 監著 クインテッセンス出版株式会社
 「nico 2016.3 クインテッセンス出版株式会社」

 

 

Q44 子どもの歯を見てもらいたいのですが、レントゲンを撮ると言われました。放射線は大丈夫なのでしょうか?
A44

レントゲン撮影の放射線量は海外旅行に行くより低い量ですので、ご安心ください。レントゲン写真を撮影すると、あごのなかで永久歯が無事に育っているかどうか、これから先の歯の生え替わりを診ることができます。外から診てもわからない欠如歯、過剰歯の発見にも、レントゲン撮影が必須です。

先天欠如は決して珍しくありません。早期発見できると、予防を進めながら、矯正治療を含めた将来的な治療計画を立てることもできます。

また過剰歯の場合は、永久歯が生えるのを邪魔することがあるので、場合によっては早めに取り除き、その後の歯並びへの影響を診ていく必要があります。

左の歯はとっくに生えたのに右がちっとも生え替わらない、奥歯は生えたのに前歯はまだなど、気になることがありましたら、小児歯科でご相談ください。

 

※参考書籍 「nico 2020.8 クインテッセンス出版株式会社」

Q45 痛くないので放っていたら、歯周病が悪化してしまい、歯を残すには再生療法が必要だそうです。再生療法ってどんな治療ですか?
A45

失われた骨、セメント質、歯根膜を取り戻すことを目的とする外科処置です。手術でただ汚れを取り除くよりもさらに多くの骨を増やすことができ、歯周ポケットの減少が期待できます。

再生療法は一般的に骨の垂直的欠損には効果的であり、水平的欠損には効果が出にくい処置です。GTR法、エムドゲイン法など様々な方法があります。

 

※参考書籍 「nico 2016.3 クインテッセンス出版株式会社」

Q46 歯を傷めずに白くできるのはなぜ?
A46

歯のホワイトニングに用いられる薬剤は過酸化水素過酸化尿素。この薬剤が分解したフリーラジカル(・OH)が、歯のなかに入り込んでいる「汚れ=着色物質」などの有機物を分解すると、着色物質の色が消えて歯が白くなります。作用したあとの薬剤は酸素と水(や尿素)に変化します。こうして、歯そのものを傷つけることなく安全に漂白できるというわけです。

 

※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」

Q47 ホワイトニングは歯の健康にもいいと聞きましたが、本当ですか?
A47

その通りです。殺菌、再石灰化も期待できます。

歯のホワイトニングのルーツは、歯周病菌を過酸化水素で除菌するという歯周病の治療法。ホワイトニングの薬剤には漂白作用とともに殺菌作用もあり、むし歯菌や歯周病菌のリスクの軽減にとても有利なのです。

また、歯の表面はふだん、唾液のタンパク質(有機物)でできた「ペリクル」という膜で覆われています。ホワイトニングをすると、この膜がなくなり歯は裸の状態になりますが、この機をとらえて歯にフッ素やリン・カルシウムを供給すると、ペリクルが邪魔せず再石灰化がよく進み、歯をより硬く丈夫にできることがわかっています。

 

※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」

Q48 ホワイトニングは歯を強くするってホント?
A48

ホワイトニングで歯を硬く、丈夫に!

ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素は口腔内や唾液中に浮遊している歯周病菌やむし歯菌に対して殺菌作用を示します。さらに、歯を覆っているペリクルを一時的に消失させて歯の中へと入り込んでいくため、ホワイトニング後の歯はフッ化物が浸透しやすくなるのです。

ただし、この過酸化水素は、バイオフィルム(水分と菌体外多糖の基質内に細菌がパックされた巣)は分類できないため、「病原性の高いバイオフィルム」が原因とされる歯周病やむし歯を治療することはできません。

定期的なメインテナンスでプロフェショナルケアを受けて、バイオフィルムを破壊しながら良好なセルフケアとホワイトニングで病原性の低い状態を維持することが、歯周病、むし歯の予防につながるでしょう。

 

※参考書籍
 「歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本」
 クインテッセンス出版株式会社

Q49 ホワイトニングの効果とともに歯の健康を長期的に持続するためにはどうしたらよいですか?
A49

現在歯科では、歯の健康を長期的に守るため、定期的なメインテナンス(検診+クリーニング)を強くおすすめしています。定期的にメインテナンスを受けると、歯の色の後戻りを遅らせることができるのはもちろん、歯の健康維持や、ひいては健康で若々しく歳をとるお手伝いができると私たちは考えています。ホワイトニングを機会に、定期的なメインテナンスをはじめてみてはいかがですか?

 

※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」

Q50 歯周病で抜歯したところに今度インプラントを入れることになりました。すぐに入れてもらえるのかと思ったのに歯周外科治療をすませてからだそうです。なぜ歯周病の治療が必要なのでしょうか?
A50

歯周病のお口にインプラントを埋入し、炎症のために周りの骨が失われてしまったらせっかくのインプラントが台無しです。治療を長持ちさせたいなら「急がば回れ」。歯周病を治してからインプラントを入れましょう。

 

※参考書籍 「nico 2016.3 クインテッセンス出版株式会社」

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