Question

部分入れ歯のインプラントオーバーデンチャーのメリット・デメリットについて教えてください。

Answer

インプラントオーバーデンチャーとは

無歯顎の下顎にインプラントを埋入しオーバーデンチャーとする治療をインプラントオーバーデンチャー(IOD)といいます。

部分欠損の場合に、部分入れ歯の義歯床下にインプラントを埋入し、入れ歯の支持や維持の増強に利用する方法は、IARPDと呼ばれます1)

 

IARPDのメリット(部分入れ歯との比較)

  1. 入れ歯の挙動が少なくなり、違和感の軽減と残存歯の保護ができる
  2. 義歯床を小さくできる
  3. 臼歯部咬合支持が強固になり、よく噛める
  4. 入れ歯が最も安定する位置にインプラントを埋入することで、支持や維持を追加できる

 

IARPDのデメリット(部分入れ歯との比較)

  1. 治療費が高くなる
  2. 外科的侵襲が必要
  3. 治療期間が長くなる

 

IARPDのメリット(固定式インプラントとの比較)

  1. 少ない本数で済み、コストや外科的侵襲を低減できる
  2. インプラント治療の適応範囲が増える
  3. 軟組織の形態回復が義歯床でできる
  4. 過去に埋入したインプラントを再活用できる

 

IARPDのデメリット(固定式インプラントとの比較)

  1. 可撤式であることに抵抗を感じる患者が多い
  2. 臼歯部の咬合支持や咀嚼機能、快適性は固定式インプラント補綴にはかなわない
  3. インプラント周囲のプラークコントロールが固定式に比べて難しい

 

1) 亀田行雄(監著):インプラントパーシャルデンチャーIARPDの臨床. デンタルダイヤモンド社, 東京, 2015.

 

※参考書籍
 「DENTAL DIAMOND 増刊号 vol.47 No.704 パーシャルデンチャーのLEVELUPトレーニング」
 亀田行雄、前畑 香  株式会社デンタルダイヤモンド社

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