Question

糖尿病で骨が弱くなるのはなぜですか?

Answer

糖尿病の患者さんではどうして骨が脆くなるのでしょうか?キーワードとして「骨質の低下」があります。

骨密度検査では、骨の中のカルシウムの骨を測定しますが、骨はカルシウムだけでできているわけではありません。骨を形作る細胞やたんぱく質、ミネラルなどの無機質が十分に蓄えられ、また骨の細かい構造が健全な状態に保たれていることが、骨の強さにつながります。また、骨のしなやかさを保つためには、古い骨が取り去られ、新しい骨が作られるという、いわゆる骨の新陳代謝が行われなければなりません。

ところが、血糖値が高い状態が続くと、骨を新しく作る力が落ちてしまい、骨の新陳代謝を起こしにくくなります。また、骨の中に最も多く存在するコラーゲン線維が、高血糖により不健康になることが知られています。(表参照)

 

通常は、不健康なコラーゲン線維を含む骨は、新陳代謝の中で取り除かれますが、糖尿病の患者さんでは骨の新陳代謝が落ちているので、古くて質のわるい骨が長く残ってしまうことになります。これを糖尿病による骨質の低下と呼んでいます。骨質の低下した骨は、骨にカルシウムが十分に保たれていても(つまり骨密度が高くても)、外から加わる力に対して弱く、外から加わる力に対して弱く、簡単に骨折してしまいます。これが、糖尿病患者さんで骨折が増える大きな原因と考えられています。

 

表:糖尿病患者さんで骨折の危険が高くなる条件

危険因子 条件
糖尿病期間 10年以上
ヘモグロビンA1c 7.5%以上
喫煙 あり
糖尿病治療薬 インスリン使用/チアゾリジン薬(閉経後女性)
重症低血糖が危惧される薬剤
転倒リスク あり
サルコペニア あり

(日本骨粗鬆症学会「生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイドライン」2019年版より作成)

 

※参考書籍
 「月刊 糖尿病ライフ さかえ 2020年10月号」
 日本糖尿病協会

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