他疾病の治療中の方

Q1 口の中もがんになるって本当ですか?
A1

口腔がんとは、口腔にできる悪性腫瘍の総称です

口腔がんは、すべてのがんのうちで1~3%を占めている希少ながんですが、その罹患数は日本の高齢化の進展に伴い、年々増加傾向にあります。

※参考書籍
 「デンタルダイヤモンド2022年7月号」
 株式会社デンタルダイヤモンド社

Q2 顎骨壊死って何でしょうか?
A2

顎骨壊死とは、あごの骨の組織や細胞が局所的に死んでしまい、骨が腐った状態になることですが、場合によっては虫歯や歯周病が進行して、お口の中の細菌感染があごの骨の深部にまで到達してしまうと考えられている、特定のお薬の副作用です。

 

※参考書籍
 「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
 著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
 クインテッセンス出版株式会社

 

Q3 新型コロナウイルスの治療薬はMRONJと関係がありますか?
A3

日本で新型コロナウイルス(COVID-19)の治療薬として認可されている、あるいは適応外使用で使用されている薬剤の一部には、MRONJのリスクとなる薬剤が含まれているかもしれません。

今後の世界におけるCOVID-19の拡大状況にもよりますが、COVID-19の患者が増えていくと、それにともなってMRONJの患者数も多くなる可能性があります。

つまり、COVID-19とMRONJは関連する可能性があるため、今後のさらなる科学的情報に注視しておく必要があると思われます。

 

※参考書籍
 「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
 著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
 クインテッセンス出版株式会社

 

Q4 骨粗鬆症の治療を受けています。顎骨壊死になりますか?なる危険性はどのくらいありますか?
A4

骨粗鬆症に対する治療薬はさまざまです。いままでのところ、ビスホスホネート製剤とデノスマブだけが顎骨壊死を起こすことが分かっているので、それ以外のお薬で治療を受けている方は、顎骨壊死になるリスクはまったくありません。ですから、心配せずに歯科治療を受けることができます。

逆にビスフォスフォネート製剤やデノスマブを使っている場合は注意が必要です。ただ、もっとも大切なことは、適切な歯科治療を受けることによって口腔内の環境を良くすることですので、いたずらに怖がって歯科治療を受けないという選択をしてはいけません。

現時点でわかっていることは、たとえば飲み薬のビスフォスフォネート製剤を使っている患者さんでは、大体1,000~10,000人に1人が顎骨壊死になるようですので、心配しすぎることはありません。不安なところは先生に聞きながら、適切な歯科治療を受けましょう。

 

※参考書籍
 「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
 著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
 クインテッセンス出版株式会社

 

Q5 顎骨壊死を起こす薬は何ですか?
A5

骨粗鬆症の治療やがんの患者さんが処方される、ビスフォスフォネート製剤とデノスマブという薬が顎骨壊死の原因になる薬といわれています。

具体的なお薬の名前で代表的なものとしては、フォサマック、ボナロン、アクトネル、ベネット、リカルボン、ボノテオ、アレディア、ゾメタなどです。また、デノスマブの製品名は、プラリアランマークです。さらに、血管新生抑制薬であるアバスチンも欧米では顎骨壊死を引き起こす薬といわれています。

ですので、ビスフォスフォネート製剤、デノスマブ、血管新生抑制薬以外の薬を使って治療を受けている患者さんは、基本的に顎骨壊死となるリスクはとても低いので、心配はいりません。

 

※参考書籍
 「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
 著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
 クインテッセンス出版株式会社

 

Q6 どうして顎骨壊死は起きるのですか?治療方法はないのでしょうか?
A6

2003年に、世界ではじめて骨粗鬆症やがんに対して処方されるビスフォスフォネート製剤という薬を使っている患者さんで、抜歯した後に顎骨壊死が起こることが報告されました。

最近ではたくさんのお薬が顎骨壊死に関係するかもしれないといわれていますが、現在でも原因はよくわかっていません。ですから、顎骨壊死に対する治療法はまだなく、一度発症してしまうと場合によっては治りづらかったり再発したりするため、生活の質やお口の中の環境を悪化させてしまうことがわかっています。

 

※参考書籍
 「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
 著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
 クインテッセンス出版株式会社

 

Q7 顎骨壊死になりやすいのはどんな場合ですか?
A7

抜歯や歯周病改善のために外科的治療を行うこと、治りにくい歯の根の先の病巣を外科的に除去すること、ならびにインプラント治療に関する外科的治療は顎骨壊死のリスクになることがわかっていますので、注意が必要です。

一方で、感染して抜かなければならない歯がお口の中にあると、それ自体がリスクとなるため、抜くべき歯はきちんと抜いてもらいましょう。顎骨壊死をいたずらに怖がる必要はありませんので、歯科医師からの説明を十分に受けて、抜くべき歯は抜いてもらいましょう。

また、お口の中が清掃不良であること、お口の中で骨が出っ張っていて粘膜が薄いところ(昔から存在している場合が多いので、自分では気づきません)、入れ歯の傷、合わない入れ歯、強い噛み合わせをもつ場合(自分では気づきませんので、歯科医師のチェックが必要です)、ならびに全身的な病気なども、顎骨壊死のリスクとなることが報告されていますので、注意しましょう。

 

※参考書籍
 「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
 著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
 クインテッセンス出版株式会社

 

Q8 MRONJは治癒しますか?治癒しませんか?
A8

全例ではないものの、MRONJは治癒(寛解)します。

保存的治療(非外科処置、投薬と経過観察)を行った場合のMRONJ治癒率は、ステージ1、2、3において、それぞれ33%、24%、0%であることが報告されています。

一方、外科的切除療法(保存的な外科的切除療法)を選択した場合のMRON治癒率は、ステージ1、2、3において、それぞれ72%、79%、27%であることが示されており、外科的切除療法のほうが治療成績が良いことが報告されています1)

しかしながら、高濃度の骨吸収抑制薬を投与されている悪性腫瘍患者の切除療法による治癒率は約50%であることも報告されていること2)、ならびに悪性腫瘍の患者は、必ずしも切除療法を選択できる全身的状況ではない(全身麻酔を行う侵襲性の高い治療に耐えることができない)こともあるため、外科的切除療法のほうが保存的治療よりも優れていると短絡的に考えないようにしましょう。

1)Rupel K, Ottaviani G, Gobbo M, Contardo L, Tirelli G, Vescovi P, Di Lenarda R, Biasotto M. A systematic review of therapeutical approaches in bisphosphonates-related osteonecrosis of the jaw(BRONJ). Oral Oncol 2014; 50(11): 1049-1057.

2)Hayashida S, Soutome S, Yanamoto S, Fujita S, Hasegawa T, Komori T, Kojima Y, Miyamoto H, Shibuya Y, Ueda N, Kirita T, Nakahara H, Shinhara M, Umeda M. Evaluation of the Treatment Strategies for Medication-Related Osteonecrosis of the Jaws(MRONJ) and the Factors Affecting Treatment Outcome: A Multicenter Retrospective Study with Propensity Score Matching Analysis. J Bone Miner Res 2017; 32(10): 2022-2029.

 

※参考書籍
 「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
 著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
 クインテッセンス出版株式会社

 

Q9 MRONJですが、根管治療・補綴歯科治療・保存修復治療・矯正歯科治療は行ってもよいですか?
A9

外科的治療でなければ、これらはMRONJのリスク因子とはなりません。

根尖病変がある失活歯に対しては、MRONJのリスクを減らすために根管治療を行うことが勧められますが、歯根端切除術を行うべきではありません。

義歯以外(クラウン・ブリッジ)の補綴歯科治療、保存修復治療は問題ありません。

不適合義歯はMRONJの発症契機となる可能性があります。そのため、義歯においては、義歯に関する主訴がなかったとしても、義歯と顎堤粘膜に対する十分な検査と評価を行い、義歯の維持安定を確保するために、義歯の新製作やりライニングを行うべきです1)、2)

骨吸収抑制薬を使用している患者に対して矯正歯科治療を行うことは可能です。

1)Ruggiero SL, Dodson TB, Fantasia J, Goodday R, Aghaloo T, Mehrotra B, O’Ryan F; American Association of Oral and Maxillofacial Surgeons. American Association of Oral and Maxillofacial Surgeons position paper on medication-related osteonecrosis of the jaw — 2014 update. J Oral Maxillofac Surg 2014; 72(10): 1938-1956.

2)Kim JW, Kwak MK, Han JJ, Lee ST, Kim HY, Kim SH, Jung J, Lee JK, Lee YK, Kwon YD, Kim DY. Medication Related Osteonecrosis of the Jaw.: 2021 Position Statement of the Korean Society for Bone and Mineral Research and the Korean Association of Oral and Maxillofacial Surgeons. J Bone Metab 2021; 28(4): 279-296.

 

※参考書籍
 「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
 著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
 クインテッセンス出版株式会社

 

Q10 MRONJハイリスク薬剤を使用しています。インプラント治療を行ってもよいですか?
A10

MRONJハイリスク薬剤を使用している方、または、これから使用する方は、インプラント治療を行うことは避けたほうがよいと思われます。欠損補綴歯科治療はインプラント治療だけではありませんので、安心で安全な治療方法を選択されるのがよいと思います。

 

※参考書籍
 「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
 著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
 クインテッセンス出版株式会社

 

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