Question

今がんの治療中なのですが、上顎にいつからか擦ってもとれない白斑状の出来物が出来てるのに気づいたのですが何ですか?どうしたらいいのでしょう?

Answer

真菌(Candida albicans)の感染と思われます。

口腔カンジダ症の感染

感染には全身的リスク因子局所的リスク因子があります。

全身的リスク因子

1.易感染性宿主(免疫不全状態)

2.日和見感染症

  • がん、AIDS、高齢者など
  • ステロイド剤など

 

3.菌交代現象

  • 抗菌剤の長期投与

 

局所的リスク因子
  1. 口腔粘膜の損傷
  2. 口腔環境の悪化

 

  • 口腔乾燥症
  • 義歯の使用(粘膜に傷がつき、付着しやすくなる)
  • 口腔清掃状態の悪化(悪化しやすくなる)

 

口腔カンジダ症の臨床的分類

疾患 症状 好発部位 特徴
偽膜性口腔カンジダ症

灰白色、苔状

擦ると剥離する
口腔粘膜全体

急性

鷲口瘡ともいう
肥厚性口腔カンジダ症

肥厚した白斑

擦っても剥離しない
頬粘膜、舌、口蓋

慢性

白板症との鑑別が必要
紅斑性(萎縮性)口腔カンジダ症

紅斑、びらん

灼熱感、疼痛

口角炎を伴う
口蓋、舌、口角、歯肉 義歯性口内炎

 

口腔カンジダ症の診断

臨床診断
  1. 全身的、局所的リスク因子を有する
  2. 特有の自覚症状、他覚所見を有する
    (白斑、発赤、びらん、疼痛、味覚障害など)

 

確定診断
  1. 培養による真菌学的検査
  2. 塗抹標本の鏡検による診断
    (カンジダの仮性菌糸などの証明)

 

※全身的、局所的リスク因子があり、特有の自覚症状と他感的所見があれば、培養や鏡検による確定診断は必ずしも必要でなく、臨床診断により治療を行います。

 

抗真菌薬

アムホテリシンB(ファンギゾン®シロップ)、ミコナゾールゲル(フロリード®ゲル)
  • 菌体に直接作用
  • 非吸収性
  • 使用が頻回
  • 使用量が大量

 

イトラコナゾール(イトリゾール®) カプセル、内用液、注射用
  • 菌体に直接作用(内用液)
  • 吸収性
  • 使用方法が容易(内用液:1日1回、20ml)
  • 軟便、下痢、悪心

 

※参考
 「歯科医療の原点と将来を見据えて DVD」より
 【開業医にもできるがん患者の口腔健康管理 杉政和先生】

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