Question

歯医者で治療しましたが、違和感が続きます。どういうことでしょう?

Answer

治療が終わったあと、すぐにスッキリとラクになればよいのですが、噛むと痛い、歯が浮くような感じがするなどの違和感が少なくとも数日間続きます。

例えば、歯の根っこの治療の後に違和感が出ることがあります。神経の一部を切り取るという外科的な処置を行ったことが原因でもありますが、歯の内部の細菌を取り除いたあとも歯の外側の歯根膜やセメント質に多少細菌が残っていることが影響しています。生体の力によって細菌が抑え込まれるまで、しばらく違和感が残りますが、強く噛まずに大事にしていると、徐々に消えていきます。歯の周りには多くの神経が張りめぐらされています。歯の神経を取っても、痛みや違和感があるのはそのせいです。

 

また、次のような可能性も考えられます。

口腔内の異常感などの自覚症状が長く続くと、「何が原因だろう」とその原因を特定しようとする因果論的思考を働かせるようになります。つまり、思考をつかさどる大脳皮質の神経回路網が関与し、過去の記憶が動員され、症状についての色々な情報を取り込み、さまざまな関連付けを始めるようになります。このような思考を頻繁に繰り返すことで、回路網全体の処理機構を変化させる可能性があります。

このような過程で“歯(咬合)と全身症状の関連付け”が形成されていくのではないかと考えられます。

「気にしすぎるから痛い」のではなく、「痛いから気になる」。「疾病利得」というより、先に症状があり、それゆえにさまざまな心理社会的障害をきたしていると考える方が自然だと言えるでしょう。

※参考書籍
 「歯科心身症への新しいアプローチ」
 豊福 明, 口病誌 2007, 74/3

 「nico 2014.2 クインテッセンス出版株式会社」

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