X線

Q1 なぜ、歯科医院ではよくX線撮影をするのですか?
A1

的確な治療計画をたてるため、治療経過を正確に把握するために見えない部位を写しだすX線写真がたいへん役に立つからです。

※参考書籍 「nico 2007.3 クインテッセンス出版株式会社」

Q2 何度もX線撮影をすると被爆量が心配なのですが。
A2

歯科のX線撮影の被爆量は自然放射線と比較してもはるかに小さいものです。

※参考書籍 「nico 2007.3 クインテッセンス出版株式会社」

Q3 今度子どもがパノラマレントゲンを撮ります。被ばく量ってどれくらいですか?
A3

約0.01mSvとされていますので、私たちが宇宙や大地から受ける自然被ばく量(年間)の約200分の1、東京~ニューヨーク間を飛行機で往復する際の被ばく量、約0.2mSvの20分の1程度、と考えるとわかりやすいかもしれません。お子さんのレントゲンは、放射線量を減らして撮影しますし防護エプロンをすればさらに被ばくを減らせます。

※参考書籍 「nico 2017.8 クインテッセンス出版株式会社」

Q4 エックス線写真ってなぜ撮るの?
A4

歯科の病気は、見かけだけではわかりません。むしろ歯ぐきやあごの骨(歯槽骨)の下に隠れて進んでいることが多いのです。そのため、病気の発見と、検査、診断、治療にはエックス線撮影が欠かせません。歯や歯槽骨、あごの骨格などを撮影し、むし歯や歯周病、歯の破折、萌出異常、そして矯正治療からインプラント治療まで、ありとあらゆる歯科治療に役立てられています。歯科のエックス線写真にはデンタル、パノラマ、CTほかさまざまな種類があり、それぞれの特徴に応じて使い分けられています。

※参考書籍 「nico 2011.8 クインテッセンス出版株式会社」

Q5 毎日「○○マイクロシーベルト」とか、「○○ベクレル」とか、自然放射線がどうとか、テレビや新聞で報道されていますが、数字や単位で頭がこんがらがります。できれば、基礎的なことから教えてください。
A5

シーベルトやベクレルは放射線を計る単位で、自然放射線は大気や宇宙や食べ物から地球上の誰もが受けている放射線のことです。それでは、もう少し詳しくご説明しましょう。
放射線量の単位である「シーベルト」は、放射線の人体への影響を表す単位です。つまり被ばく線量を表します。「ベクレル」は、ある物質の放射能、つまりどれくらいの頻度で放射線を出すかを表す単位です。放射線による人体への影響を説明する際には、「シーベルト」の単位を用います。歯科のエックス線撮影による人体への被ばく線量も、「シーベルト」で表されます。
「ミリシーベルト」はシーベルトの1000分の1、「マイクロシーベルト」はシーベルトの100万分の1を表します。歯科のエックス線撮影の放射線量は、「マイクロシーベルト」で表されることが多いです。
さて、私たちの身の回りにある放射線は、大きく二つに分けることができます。ひとつは人工放射線、もうひとつが自然放射線です。人工放射線には、医療で使われるエックス線、核実験などによる放射線のほか、原子力発電所の事故による汚染も含まれます。
自然放射線とは、空からの放射線(宇宙線)、大地からの放射線、自然界に存在するラドンやトロンによるもの、それから食物に含まれているもの(人工放射線による食物の汚染は含まない)などのことをいいます。私たちにとってもっとも身近な放射線は、じつはこの自然放射線で、地球上の生物のすべてが、多かれ少なかれ空や大地からの放射線を浴びているのです。また、宇宙線の量は、高度が高くなるほど増加するため、たとえば飛行機で移動するときは、その分余計に放射線を浴びています。
私たちが地上で浴びている自然放射線量は、世界平均で一人当たり2.4ミリシーベルト/年(毎時換算では0.274ミリシーベルト/時)とされています。ただ、自然放射線量は地域によって差が大きく、世界のなかでも自然放射線の多い地域としてイランのラムサール、ブラジルのガラパリ、中国広東省の陽江などが有名です。

※参考書籍 「nico 2011.8 クインテッセンス出版株式会社」

Q6 CTでなにが見えるの?
A6

コンビームCTは、患者さんのあごを3次元的に解析できる歯科の新しい検査用装置です。歯や歯槽骨の状態だけでなく、骨格、骨質、神経や血管の位置を立体的に把握できるため、インプラントや再生療法をはじめとする専門的な治療で使われ始めています

※参考書籍 「nico 2011.8 クインテッセンス出版株式会社」

Q7 エックス線写真はどんな時に必要なの?
A7

エックス線写真は、自覚症状のないトラブルや直接見えない部位を診られるだけでなく治療後の経過観察や健康維持に役立つ患者さんのお口の貴重な記録です。定期的にメインテナンスを受け何年かごとにエックス線写真を撮って見えないところも確認しながらお口の健康を守っていきましょう。

※参考書籍 「nico 2011.8 クインテッセンス出版株式会社」

Q8 デンタルX線でどのようなものを診ているのですか?
A8

1. う蝕の有無とその程度
2. 根管治療の有無とその完成度
3. 根の吸収と穿孔の有無
4. 歯根破折
5. 根近接の度合い
6. 歯の位置移動(近心傾斜など)
7. 歯根の形態

歯の支持組織

1. 骨の欠損と吸収の程度
2. 歯冠-歯根比の優劣
3. 根分岐部の問題点
4. 残根、取り残された根の有無
5. クレーターの有無
6. 歯根周囲の透過像、不透過像

※参考書籍
 「臨床咬合補綴治療の理論と実践」
 山崎 長郎 監著/今井 俊広 今井 真弓 小出 肇 佐藤 利英 著
 クインテッセンス出版株式会社

Q9 今度親知らずの抜歯のためにCTを撮ると言われました。CT撮影による被爆線量を教えてください。
A9

当院では、Kavo 3D eXamというCT機器を導入しています。
撮影条件によって異なりますが、平均で0.07mSV位です。
Kavo 3D eXamは他社と比較しても被爆線量は少ないという特徴があります。
ちなみに、日本での年間の平均自然放射線量は2.1mSVですので、それよりもずっと低い数値でCTを撮影しますのでご安心下さい。

Minds医療情報サービス(厚生労働省委託事業)に歯科X線撮影の被曝について掲載されています。
詳しくはこちらをご覧下さい。
Minds医療情報サービスへ
(TOP→歯科・口腔→歯科・口腔全て→インプラントの画像診断ガイドライン→インプラントの画像診断におけるX線被曝に関する参考資料)

X線撮影CT機器「Kavo 3D eXam」とデジタル化

Q10 根っこの処置にCT撮影は必要なのですか?
A10

歯根の彎曲及び根管数や形態の評価、特に複根歯における評価に関し、非常に有効です。

例えば、上顎第一大臼歯の近心頬側第二根管(MB2)は、口内法では40%程度しか描出できないのに対し、CTでは90%程度確認できると報告されています。

北島一宏. おさえておきたい!PET/CTの診断のポイント. 第1回 PET/CTを正しく診断するための基礎知識. 画像診断. 2015; 35: 120-125.

隈部洋平, 田中信三, 岡村光英, 平塚康之, 山田光一郎, 山原孝平, 小山泰司. 頭頸部扁平上皮癌の頸部リンパ節転移診断におけるPET/CTの有用性. 頭頸部癌. 2012; 38: 69-73.

坂本 攝. 特集 明日からの臨床に役立つPET講座. 頭頸部癌のPET/CT. 臨床放射線. 2011; 56: 702-707.

 

病変の検出率はCBCT像で判定するとデンタルエックス線写真で判定した場合より13~30%程度高くなります

(病変の検出率) CBCT  デン
タル
パノ
ラマ
病理
組織学
Lofthag-Hansenら, 2007  69%  43%
 Estrelaら, 2008  63%  35% 18%  治療した歯
 同上  75%  36% 22%  治療してない歯
 Lowら, 2008  66%  32%  病変の検出率
(手術予定の歯)
 Estrelaら, 2008  61%  40%  596人
 Paula-Silvaら, 2009  84%  71%  93%  イヌ83歯, 6ヶ月予後
 Liangら, 2011  26%  13%  抜髄, 143根, 2年
 Bodenら, 2013  85%  55%  71根, 10~37ヶ月
 Fernandezら, 2013  19%  6%  抜髄, 208根, 5年

 

デンタルエックス線写真と比較すると、以下のようなものを診査するのに有用です。

1.根尖病変の広がり
2.歯根、癒合・分岐・側枝・異常形態などの複雑な根管形態
3.根管の彎曲方向、彎曲の大きさ
4.根管の狭窄の程度
5.見つからない根管口の位置
6.破折ファイルの位置
7.穿孔部位
8.歯根破折の可能性(わかりにくいことも多い)
9.下顎管あるいは上顎洞と根尖との位置関係
10.非定型的な症例を呈する症例、あるいは通常のエックス線検査で原因歯を確定できない症例
11.歯内疾患以外の疾患との鑑別診断
12.過剰根管充填、根管内器具破折、根管の石灰化、穿孔など、歯内療法を困難とする状態の術中診査と術後評価
13.外傷による歯根破折、歯の脱臼や変位、骨折などの診断
14.歯根外部吸収の鑑別診断、処置方針決定および予後の予測
15.外科的歯内療法における術前診査(根尖と周囲の解剖学的構造と位置関係の診査)
16.インプラント治療の術前診査

 

※参考書籍
 「歯科放射線 第56巻2016第1号」
 NPO法人日本歯科放射線学会

 「エンド 難症例への挑戦 よりよい治癒を目指して」
 小林千尋 戸田賀世 著  医歯薬出版株式会社

 「新 楽しくわかる クリニカルエンドドントロジー」
 小林 千尋 著  医歯薬出版株式会社

 「歯内療法のケースアセスメントと臨床 ~根管形態からみる・ストラテジーを選ぶ~」
 興地 隆史 著  医歯薬出版株式会社

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