Question

毎日「○○マイクロシーベルト」とか、「○○ベクレル」とか、自然放射線がどうとか、テレビや新聞で報道されていますが、数字や単位で頭がこんがらがります。できれば、基礎的なことから教えてください。

Answer

シーベルトやベクレルは放射線を計る単位で、自然放射線は大気や宇宙や食べ物から地球上の誰もが受けている放射線のことです。それでは、もう少し詳しくご説明しましょう。
放射線量の単位である「シーベルト」は、放射線の人体への影響を表す単位です。つまり被ばく線量を表します。「ベクレル」は、ある物質の放射能、つまりどれくらいの頻度で放射線を出すかを表す単位です。放射線による人体への影響を説明する際には、「シーベルト」の単位を用います。歯科のエックス線撮影による人体への被ばく線量も、「シーベルト」で表されます。
「ミリシーベルト」はシーベルトの1000分の1、「マイクロシーベルト」はシーベルトの100万分の1を表します。歯科のエックス線撮影の放射線量は、「マイクロシーベルト」で表されることが多いです。
さて、私たちの身の回りにある放射線は、大きく二つに分けることができます。ひとつは人工放射線、もうひとつが自然放射線です。人工放射線には、医療で使われるエックス線、核実験などによる放射線のほか、原子力発電所の事故による汚染も含まれます。
自然放射線とは、空からの放射線(宇宙線)、大地からの放射線、自然界に存在するラドンやトロンによるもの、それから食物に含まれているもの(人工放射線による食物の汚染は含まない)などのことをいいます。私たちにとってもっとも身近な放射線は、じつはこの自然放射線で、地球上の生物のすべてが、多かれ少なかれ空や大地からの放射線を浴びているのです。また、宇宙線の量は、高度が高くなるほど増加するため、たとえば飛行機で移動するときは、その分余計に放射線を浴びています。
私たちが地上で浴びている自然放射線量は、世界平均で一人当たり2.4ミリシーベルト/年(毎時換算では0.274ミリシーベルト/時)とされています。ただ、自然放射線量は地域によって差が大きく、世界のなかでも自然放射線の多い地域としてイランのラムサール、ブラジルのガラパリ、中国広東省の陽江などが有名です。

※参考書籍 「nico 2011.8 クインテッセンス出版株式会社」

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