インプラント

Q1 インプラントとは何ですか?
A1

入れ歯のように歯ぐきに乗せるのではなく、歯の抜けた部分の歯ぐきの中の骨に人工歯根を埋め込んで、その上に人工の歯を装着する一連の治療を言います。
インプラントは埋め込む場所や条件によって、さまざまなバリエーションがありますので、当医院にお尋ねください。詳しくご説明致します。

Q2 インプラント治療にはどんなデメリットやリスクがありますか?
A2

インプラントのメリットは
 
●自立するので、隣の歯を削らずに治療できる。
 ●噛みごこちが自分の歯に近い。
 ●手入れがラク。
などがあります。

一方でデメリットもあります。
「手術が必要、費用が高い、時間がかかる」の3大デメリット
のほか、失敗する可能性もゼロではありません(術後にきちんとケアをしている患者さんで成功率95%前後)。
歯槽骨が足りないなどの難症例の場合、再生療法が加わるなど複雑化し治療期間がかかってしまいます。

ちなみにインプラントのトラブル発生は初期と後期が多く、初期のトラブルは外科手術上の失敗、後期のトラブルは金属疲労などによるものが多いのです。
トラブルの起き方をグラフにするとバスタブ曲線となり、電気製品や工業製品の故障率のグラフによく似ています。

インプラントグラフ

初期のおもなトラブル

外科手術上の失敗と患者さんの治癒力が複雑に関与する時期。外科的失敗とは、ドリル摩擦熱の冷却不足、神経の損傷(しびれ、知覚異常)、鼻腔や上顎洞(鼻腔とつながっている空洞)の損傷、血管損傷ほか。

安定期のおもなトラブル

歯周炎や噛み合わせのコントロール不足。
セルフケアと定期検診の徹底で予防できます。

後期のおもなトラブル

材料の疲労と、高齢期の生体機能低下などによります。
代替治療方針が必要になることもあります。

※参考書籍
 「nico 2008.1 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2007.2 クインテッセンス出版株式会社」

Q3 インプラント周囲炎・歯周病は持続性炎症と血管病とどのような関係があるのですか?
A3

全28本の歯(親知らずを除く)の全周に約5mmの歯周ポケットとよばれる潰瘍があると、この傷口は72㎠の名刺サイズの潰瘍面積となります。そして、日々細菌や内毒素など炎症性物質が血管系の中に入り続けて歯原性菌血症が起こります。その結果、慢性持続性炎症が生じ、腫れた歯肉から出る炎症性物質が血糖値を制御するインスリンの働きを阻害するので糖質代謝に悪影響を与えてしまいます。

また数年にわたって血管壁を傷つけ、アテロームと言うコブが作られ、血管が狭くなり、動脈硬化の原因にもなります。インプラント周囲炎予防や歯周病予防は、アンチエイジングの実践であり、血管を守る予防にもなるのです。歯科からの健康づくりのポイントは、お口の中を清潔に保つこと、そして生涯にわたって噛む機能を失わないことです。

※武内 博朗先生のコメント引用

Q4 噛む機能の大切さについて教えて下さい。
A4

皆さんは補綴(入れ歯、インプラントなど)の有用性を噛めるようになる以外にどのように考えていますか?審美要素もありますが、ここでは糖質代謝との関連性についてお話しします。

 例えば、奥歯を失ったことを考えてみましょう。奥歯がなくなると、軟らかい食材である糖質偏重食(炭水化物:ご飯、パン、麺類などの過剰摂取)となり、丸呑みによる早食い食後の高血糖カロリーオーバーによるメタボたんぱく質・ビタミン低栄養につながってしまいます。さらにたんぱく質低栄養により、骨格筋減少症(サルコペニア)身体能力低下に陥ることになります。骨格筋減少症(サルコペニア)は低下したADLや寝たきりの初期要因です。

補綴治療はこうした状態を改善し、糖尿病などの代謝性疾患に対するきわめて初動的な領域を担っているのです。インプラント治療は顕著に咀嚼機能を向上させるため、数値管理された保険指導との組み合わせで糖質代謝および体組成の改善をすることができます。インプラントは、贅沢品ではなく、最優先医療ともいえます。

※武内 博朗先生のコメント引用

Q5 ブリッジとインプラントを比較した場合、インプラントの利点は何ですか?
A5

ブリッジは歯のないところの前後などにある歯を利用して歯を入れる方法で、自分の歯に近い感覚で咬め、固定なので違和感も少なくなります。
ただし、歯を削る必要がある(デメリット=歯は削るほど弱くなる)ため、
健康な歯でも手をつけなければなりません。また支える歯に負担をかけることにもなります。
インプラントの利点としては
(1)より自分の歯に近い感覚で咬める
(2)咬む力が強い
(3)単独で歯が入り健康な歯を削ったり負担をかけずにすむ
などがあげられます。
より快適で質の高い生活をおくるという点ではメリットの大きい方法です

Q6 インプラントの治療の流れについて教えてください。
A6
1. インフォームド・コンセント&インフォームド・チョイス

歯科医師から治療法の説明を受けます。
メリットとデメリットを知って、納得して選択を!
インプラントに関するあらゆる相談をお受けしております。
説明終了後に、よくお考えいただいてお断りいただいても結構です。
どんなお悩み、質問でも構いません。お気軽にご相談下さい。

2. 診査・診断

問診、採血、口腔内検査、X線撮影など、数十項目にわたる診査をもとにした診断を受けます。

 3. 手術の準備のための治療と清掃

必要によっては歯槽骨の再生治療なども行います。

 4. 1次手術

治療計画を立てた後、患者さんにその内容を説明し理解を得た後にインプラント埋入手術を行います。
 局部麻酔を行い痛みを和らげ、治療を行います。
成功のカギを握る手術です。

 5. 2次手術

1次手術終了から約3~6か月後。(個人差があります)
インプラント体の頭を出します。
必要に応じて、歯(補綴物)を付ける為の土台を立てる症例もあります。

 6. 人工歯を作るための型取り(印象採得)


 7. 噛み合わせの記録


 8. 仮の上部構造の装着


 9. 最終的な上部構造の装着

新しい歯となる部分(補綴物)を土台に被せます。
歯になる部分の材質は天然の歯に近い色や硬さのセラミックのものや金属のものなどがあります。


 10. 定期的なメインテナンス

歯を被せても、未だインプラント治療は完成ではありません。
インプラントを長持ちさせるために、4か月~半年ごとのメンテナンスを開始します。

※参考書籍 「nico 2007.2 クインテッセンス出版株式会社」

Q7 インプラント周囲組織は天然歯の歯周組織とどこが違うのですか?
A7

解剖学的に以下のように異なります。

天然歯とインプラントの違い

インプラント周囲組織の問題点

一言で表すと、「感染に弱い!」という点です。

詳細は以下をご覧ください。

(図中の番号と一致しています)

 

1)上皮のかたちと接着能

接着タンパク一部のみ発現→接着弱い→防御機能弱い

2)上皮ターンオーバー

3倍も遅い→防御弱い

3)歯肉血管叢

ない→歯肉溝滲出液もない→防御弱い

4)セメントエナメル境

ない→上皮先端の位置は骨頂部で決まると考えられる

5)歯槽上線維群

部分欠如→機械的障壁低い→防御弱い

6)歯根膜

欠如→炎症・免疫応答遅い→防御弱い

骨吸収パターンと関連

※参考 「下野正基ペリオセミナー」

Q8 早く終わると楽なのになぜインプラント治療には時間がかかるのですか?
A8

チタンと骨がガッチリ結合するためには生体の自然な治癒力を引き出しじっくりと待つという原理原則が不可欠だからです。

インプラント治療は、インプラント体を埋入してからあごの骨に結合するまでに(多くの因子・条件に左右されますが)おおむね1~4か月かかります。インプラントの改良により、この期間は徐々に短縮してきていますが、それでもこれだけ時間がかかるのにはわけがあります。

インプラント治療は、チタン製のインプラント体とあごの骨がガッチリと結合してはじめて機能しますが、この結合は接着材でつけたり部品をはめ込むのではなく、骨の生体反応によるものなのです。つまり、インプラント治療を成功させるには、骨の自然治癒力を見守りじっくりと待つことが不可欠です。治療に時間がかかるのはそのためです。

※参考書籍
 「nico 2007.2 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2018.1 クインテッセンス出版株式会社」

Q9 インプラントってどれくらいもちますか?
A9

残念ですがはっきりとは申し上げられません。患者さんの毎日の丁寧なセルフケア歯科医院での定期的なメインテナンス次第です。

※参考書籍 「nico 2007.2 クインテッセンス出版株式会社」

Q10 インプラントはどんな人にもできますか?
A10

治療に不適応な方もおられますがその多くは生活改善や持病のコントロールで可能になります。詳しくは歯科医師にご相談ください。

【治療に不適応な方(絶対的不適応)】

 ■まだ成長過程にある方

 ■免疫不全や1型糖尿病の方

 ■ホルモン療法や放射線治療などを受けている方

 などです。

【不適応だが治療の余地がある方(相対的不適応)】

 ■口腔内の清掃状態が悪い方

 ■歯周病の方

 ■歯槽骨の骨量が足りない方

 ■喫煙者

 ■骨粗鬆症の方

 ■糖尿病2型の方

 ■悪習癖のある方(歯ぎしり、くいしばりなど)

 などです。

「不適応だが治療の余地がある方」の場合は、生活習慣の改善をしたり、医科の治療を受け、症状がコントロールされていれば、インプラント治療が可能になります。

※参考書籍 「nico 2007.2 クインテッセンス出版株式会社」

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