治療内容・方法について

Q1 昨日歯科医院でかぶせを入れてもらいました。少し高いように感じますがなれますよね?
A1

上下の歯が咬み合う前に1歯ないし数歯が早期に当たる状態を早期接触といいます。Krogh-Poulsenら(1968)は、早期接触は咬合性外傷を惹起しやすく、関連筋群や顎関節への負担を憎悪させ、顎機能障害とくに関連筋群の機能障害の原因となる可能性があると指摘しています。つまり、その影響は処置をした歯牙以外にも咬み合う歯やそれぞれの周囲組織、咬み合わせるときに使う筋肉や、顎関節に現れる可能性がありますので、なるべく急いで調整に行かれてください。

Q2 今まで咬み合わせのなかった所に歯を入れ咬み合うようにしてもらいました。高さはちょうどいいのに物を咬むと違和感を感じるのはなぜでしょう?
A2

長い間咬合を失っている歯の歯周組織は、弱い荷重に対しても耐えられない、いわゆる機能低下の状態になっています。つまり、組織抵抗力が減少し動揺しやすくなっているということです。組織抵抗力が回復するまでは過度な荷重は避けてください。

Q3 詰め物を「大きいな」と感じるのはなぜですか?
A3

詰め物が入ったら、「治療前のむし歯よりだいぶ大きいな」と感じたことはありませんか?じつはそれには理由があるんです。

理由その1

詰め物の材料によっては穴を多少拡げないと耐久性を確保できない場合があるから。

歯と直接くっつくコンポジットレジン以外の詰め物は、詰め物を歯にはめ込んでセメントで固定させる方法をとります。しっかり固定させるには、うまくはまるように穴の形を拡げる必要があり詰め物が大きくなりがちです。

理由その2

傷みやすい場所をあえて詰め物でおおって歯を守ることがあるから。

奥歯の山(咬頭)の部分は、強い力がかかって傷みやすい場所です。そこで咬頭が傷んで崩れてこないように、大きな詰め物(アンレー)をつくり、あらかじめ咬頭のほうまで歯を覆って守ることがあります。

理由その3

むし歯は歯の内側で広がりやすく、実際は見た目よりも大きいことが多いから。

むし歯は、硬いエナメル質より、内側の軟らかい象牙質で広がりやすく、見た目は小さくても、じつは大きなむし歯であることがよくあります。そのため、「詰め物が想像していたよりも大きい」と感じがちなのです。

※参考書籍 「nico 2017.5 クインテッセンス出版株式会社」

Q4 うちの子、歯並びが気になります。いつから治療をはじめるのがいいですか?
A4

私たちの医院ではなるべく早くはじめることをおすすめしています。

早期治療は、乳歯列期や混合歯列期から実施可能なあらゆる介入や治療を指します。歯性や骨格性の不正を最小限に食い止め、子どもの正常な成長発育や咬合、機能、審美性、精神面を健全な状態へと導きます。つまりこの介入の目的は、咬合が良好に発育する環境を整えることにあります。

目的

乳歯列期や混合歯列期に開始する治療の目的は以下のとおりです。

  • 正常な歯性や骨格性の発育を促す
  • 咬合発育を阻害する環境要因の排除やコントロール
  • 正常な咬合発育のために良好な環境を整える
  • 不正咬合から正常咬合へ改善、あるいは誘導する
  • 2期治療が不必要になる、または2期治療期間の短縮
  • 成長誘導のために成長力を最大限利用する

理論的根拠

早期治療を推奨する根拠として、重要なポイントは以下のとおりです。

  • 咬合発育期の早期では、先天性要因より後天性要因によってさまざまな咬合の変容が生じる
  • 不正咬合は初期であれば予防できることが多く、放置すれば問題はさらに大きくなる
  • 中顔面と下顎骨はほぼ歯列交換期に成長するため、早期治療と成長誘導の利用が有効だと考えられる
  • 低年齢であればあるほど、患者が新しい環境と正常な機能に順応しやすく、治療結果の安定性が増す
  • 幼い子どもは口腔顔面の骨格に柔軟性があるため、咬合誘導が簡単に行える

時期

  • 4~5歳から矯正歯科の検診を開始する
  • 第一大臼歯とすべての切歯の萌出後に治療を開始する

早期治療のゴール

早期介入の戦略と治療法では、以下のようなゴールを目指す

  • 可及的な主病因の排除
  • 問題の改善や抑制、予防
  • 発育期における問題の発見
  • 正常な咬合発育と機能のための環境整備
  • 咬合に悪影響を与える咬合干渉を解くことによってより良い成長誘導を行う
  • アーチサイズディスクレパンシーのマネジメント
  • (オーバージェット過大による)外傷や前歯破折の軽減
  • 早期における骨格性の異常の改善

※参考書籍
 「早期治療」
 著 Alialbar Bahreman
 訳 嶋 浩人/石谷 徳人
 クインテッセンス出版株式会社

Q5 詰め物が傷んでいるような気がします。どんなことに気をつければよいですか?
A5

どんなに上手な治療でも、毎日噛んで使っていればいつか壊れます。傷んだ詰め物を放っておくと思わぬトラブルの火種になります。

注意1

詰め物の下にむし歯ができた?!

詰め物と歯の間に段差ができてプラークがたまったり、詰め物の周りの歯が傷んで隙間ができ、むし歯が入り込んだのかもしれません。他の詰め物の下も大丈夫か、歯科医院で調べてもらいましょう。

注意2

わりとよく詰め物が取れる?!

夜中に歯ぎしりをしたり、日中に噛みしめたりしていませんか?噛む力の強い方は、詰め物の周りの歯質が傷みやすく、詰め物が取れやすいのです。就寝中にマウスガードを使うなど、歯科医院で対策を相談しましょう。

注意3

詰め物が取れて反対側で食べている?!

歯科医院に行かずに反対側で食べていると、偏った力が片方の歯に集中してかかるため、今度は反対側の歯の詰め物が取れたり痛んだりして、トラブルが拡大することがあります。放置せずに治療を受けましょう。

※参考書籍 「nico 2017.5 クインテッセンス出版株式会社」

Q6 昔入れた詰め物の下にむし歯ができてしまいました。歯医者さんの詰め方が悪かったのでしょうか?
A6

残念ですが、歯科医師がどんなに上手でも、詰め物の経年変化は避けられずいつかは段差ができたり隙間ができてしまいます。詰め物を長持ちさせるために、定期的にメインテナンスに通って治療箇所を補修してもらったりクリーニングや予防指導を受けて歯を守っていきましょう!

※参考書籍 「nico 2017.5 クインテッセンス出版株式会社」

Q7 マウスピース矯正って何ですか?
A7

マウスピース矯正とは、従来のワイヤー+ブラケットでなく、樹脂製の透明なマウスピースを使った新しいタイプの歯科矯正です。歯をマウスピースでくるみ、その弾性を使って(システムによっては補助装置も使用)歯を動かしていきます。

この方法は「取り外しできるし目立たない」と近年注目を集めていますが、じつは従来の矯正に比べると難易度が高く、患者さんを選ぶ治療法でもあります。

 

※参考書籍
 「nico 2016.7 クインテッセンス出版株式会社」

Q8 マウスピース矯正ってどんな歯並びでもなおすことが出来るんですか?
A8

推奨される症例

1) 非抜歯症例で、以下の要件を満たす症例

・軽度の空隙を有する症例

・軽度の叢生で歯列の拡大により咬合の改善が見込まれる症例

・大きな歯の移動を伴わない症例

2) 矯正治療終了後の後戻りの改善症例

3) 抜歯症例であっても歯の移動量が少なく、かつ傾斜移動のみで改善が見込まれる症例

4) 金属アレルギーを有する症例

推奨されない症例

1) 抜歯症例

・犬歯が遠心傾斜している症例

・前歯部が大きく舌側傾斜している症例

・歯の大きな移動を必要とする症例

・大きな回転、圧下・挺出を必要とする症例

・患者の協力度が低い症例

2) 乳歯列期、混合歯列期で顎骨の成長発育や歯の萌出の正確な予測が困難な症例

3) 骨格性の不正を有する症例

治療における留意点

1) 効果は装着時間に影響される

2) 傾斜移動が多い

3) 抜歯症例では、予期しない移動が発生することがある

4) 術前のシミュレーションには歯根の位置に関する情報が欠けている

5) 歯冠形態によっては把持力に差異を生じることがある

6) 咬合面を覆う形態のため、臼歯部が圧下されることがある

7) 保険診療には使用できない

※参考文献
 「公益社団法人 日本矯正歯科学会 アライナー型矯正装置による治療指針」

Q9 マウスピース矯正にとても興味があります。目立たないし取り外せるのが魅力ですよね。ただ、なぜマウスピースで歯が動くのかなとちょっと不思議な気もします。
A9

歯に力を「点」で加えて動かす従来の方法に対し、マウスピース矯正は「面」で力を加えて動かします。フレキシブルに力を加えられる従来の方法に比べ、面による移動の場合は適応症例が限られるため、主に軽度の治療に用いられています。

ワイヤー+ブラケットの矯正

ブラケット・ワイヤー矯正の力のかかり方

歯に力を点で伝えて動かします。

 

マウスピースの矯正

マウスピース矯正の力のかかり方

 

歯に力を面で伝えて動かします。

 

※参考書籍
 「nico 2016.7 クインテッセンス出版株式会社」

Q10 マウスピース矯正はワイヤーを使う矯正治療ほどは、歯がスムーズに動かないそうですがどういう動きが苦手なのですか?
A10

抜歯して歯を大きく移動させること、力を加える方向に倒れた歯の移動など苦手な動きはいろいろあります。補助装置や従来の治療と組み合わせてこの欠点を補って治療してきます。

もちろん患者さんのなかには、テクニックを駆使せずともスムーズに治るケースもあります。しかし、残念ながらそんなケースばかりではありません。そうした場合、補助装置を使ったり、目立たないように奥歯や側面だけワイヤー矯正で動かして置き、目立つ前歯をマウスピース矯正で治すなど、さまざまな引出しを使い、それを組み合わせて治療します。

 

マウスピース矯正の苦手な歯の移動

1.傾いている歯の移動

ワイヤー+ブラケットの場合

ワイヤーを使うと簡単・確実に移動します。

ワイヤーを使うときれいに並びます

マウスピース矯正の場合

歯を動かす方向に向かって倒れた歯を立てるのが苦手です。

マウスピース矯正は傾いている歯の移動が苦手

 

2.回転

歯を大きく回転させるのが苦手

マウスピース矯正は歯の回転が苦手

3. アップライト

引っ張り出すのが苦手

マウスピース矯正は歯を引っ張り出すのが苦手

 

歯を適正に動かすためのいろいろな補助装置

インビザライン®で使用する装置です。

インビザラインでの補助装置1

歯にボタンをつけゴムで下の歯を引っ張り上げています。

インビザラインでの補助装置2

奥歯と犬歯をゴムでつなぎ、犬歯の傾きを治しています。

インビザラインでの補助装置3

歯につけた装置をゴムで引っ張り、歯の傾斜をまっすぐにしています。

インビザラインでの補助装置4

目立たない場所でワイヤー矯正をしながら、ゴムで下の歯を引っ張り上げています。

「日本歯科評論」 槙宏太郎 著 vol.75 no.8 P64-74より引用

※こうした補助装置を使う場合、ゴムも毎日きちんとつけていただく必要があります。

 

最低限の移動で並べるため、エナメル質を削除しスペースを作ることも

1.エナメル質を歯の健康に問題のない範囲で少しだけ削ります。

歯を少し削ります

2.最低限の歯の移動できれいに並びました。

削ることにより、歯が動きやすくなります

※参考書籍
 「nico 2016.7 クインテッセンス出版株式会社」

 

 

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