治療内容・方法について
Q361 | 歯が痛いのですが原因がわからないといわれ、歯科医院にいっても治りません。どういうことでしょうか? |
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A361 |
歯の痛みには、歯原性歯痛と非歯原性歯痛があります。 歯原性歯痛歯や歯周組織に生じた器質障害や炎症により、当該部位あるいはその関連部位に自覚される歯痛のこと 非歯原性歯痛歯や歯周組織以外に生じた痛みを、関連痛の一つとして歯や歯周組織に自覚される歯痛のこと
注意してほしいことは、非歯原性歯痛は主な原因が歯にないということであり、歯に問題がないということではないということです。 例えば、顔面痛で経過が長い場合は、しばしば知覚神経に可塑化を引き起こし、三叉神経痛様や帯状疱疹後神経痛様など、さまざまな痛みに姿を変えます。そこで、歯に何らかの問題があると、その歯を標的に顔面痛が非歯原性歯痛として現れ、歯痛化すると考えられています。 よく診査をしてみないとはっきりとしたことは言えませんが、もしかしたら非歯原性歯痛の可能性も考えられます。 ※参考書籍 |
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Q362 | 48歳の男性です。2週間前に大きな充填処置をしましたが、治療後に痛みが持続しています。どうしてでしょうか? |
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A362 |
歯髄保存ができる場合はよいのですが、診断を誤って治療が遅くなると、神経障害性疼痛として引きずることがあります。 「しばらく我慢すれば、そのうち治るだろう」と安易に考えずに、歯科医院に相談してください。この場合、まず知覚過敏処置や咬合調整を実施しますが、それでも症状が改善しないようであれば神経を抜く(抜髄)必要があります。
※参考書籍 |
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Q363 | 前医の歯の根っこの治療により、穿孔が見られるということですが、抜かないといけないでしょうか? |
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A363 | MTAを用いた穿孔封鎖の一般的な成功率は80.9%(Siew K, J Endod, 2015)といわれています。 ただし、位置、大きさ、根の状況によって抜歯もあると思われます。 ※参考書籍 |
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Q364 | レントゲン写真を撮ってもらった歯に針のような器具の一部が折れこんでいると言われました。とらないといけないでしょうか? |
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A364 | 根に病変がなければ必ずしも抜く必要はありません。 どうしてもとりたいということであれば、次のような研究結果がありますので、歯科医と相談してください。 USを用いた破折片の除去率は33%~95%です(Pathways of the pulp, 11th ed. 2015)。 ※US・・・超音波装置(ultrasonic device) マイクロスコープ下で破折片が見える場合の除去率は85%で(Nevares G, et al, J Endod, 2012)、さらに、バイパス術やマセランキットを用いた従来の方法と比較してUSによる除去方法は根管形態や破折部位にかかわらず高い成功率を示します(Gencoglu N, et al, Eur J Dent, 2009)。 ※参考書籍 |
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Q365 | 以前下の奥から2番目の歯を抜きました。かなり長い間放置していたので、一番奥の歯が傾いている感じがします。どんどん傾いていくのが怖いので、歯のないところに何か入れたいんですが、どんな方法がありますか?また、傾いた歯を直すことはできますか? |
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A365 | 歯の欠損部分の処置方法としては、①ブリッジ、②入れ歯、③インプラント、④移植の4つの方法があります。 保険でできる方法として、「ブリッジ」と「入れ歯」があります。 保険外でできる方法として、「インプラント」と「健全な親知らずがあれば移植」があります。 確かに奥の歯があまりにも大きく傾いている場合、どの方法も最善の処置はできなくなります。そのため、傾いた歯を元に戻し、治療方法を選んでもらうのがよいでしょう。 傾いた奥の歯を戻す方法は3つあります。 1.アップライトスプリング利点確実に歯の傾きを直すことができます。固定源は数歯で可能です。 欠点装置が煩雑で違和感を生じやすく、対象の歯が挺出します。長期には適していません。 2.セクショナルアーチ(Lループまたはオープンコイルスプリング)利点装置がややシンプルで、短期の症例に適応できます。 欠点固定源に多数歯が必要となり、対象の歯が挺出します。長期には適していません。 3.矯正用インプラント(TAD)利点装置が非常にシンプルで、固定源の消費はありません。対象の歯は挺出しにくいという特徴もあります。 欠点外科的処置が必要となります。
※参考書籍 |
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Q366 | 今入れているブリッジは始終外れます。どうしてですか? |
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A366 | たしかに、ドクターの技術的エラーも考えられますが、もしかすると、それ以外に「ブリッジのたわみ」が原因かもしれません。ブリッジの欠損が大きければ大きいほどたわみが大きくなり、外れやすいということになります。 咬合力のかかる部位にもよりますが、一般的に欠損部間隙が長いほど咬合負担によるブリッジ全体の「たわみ」が大きくなります。 「たわみ」は間隙の長さの三乗に比例します。 間隙の長いブリッジは支台歯数が多くてもリスクが大きくなります。 ・Rosenstiel SF. Trearment Planning. In: Rosenstiel SF, Land MF, Fujimoto J(eds).Contemporary Fixed Prosthdontics. 5th ed. St. Louis :Mosby, 2006:82-102. ※参考書籍 |
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Q367 | 前に麻酔がなかなか効かなかったことがあります。 |
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A367 | 患者さんの服用しているお薬によっては、麻酔がまるで効かないことがあるので、歯科医師にどんな薬を服用しているかを必ず伝えましょう。 |
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Q368 | 外れてしまったブリッジは再利用できますか? |
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A368 |
原因として考えられるものは、むし歯、歯にかかる大きな力(歯ぎしりや食いしばり)、噛む面の形態不備(高い、ひっかかる)、不適合なものなどがあげられます。 他に歯周病になっている、または歯牙が割れているなどの原因も考えられ、レントゲンも含め精査を行い、調整をし、入れられるようであれば再装着もありえます。 |
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Q369 | ホワイトニングの直後にカレーとか食べると着色しやすいそうですね。何時間くらい注意が必要ですか? |
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A369 | その通り、ホワイトニング直後の歯は着色しやすい状態となります。 ホワイトニング前の歯は、歯が透明な膜「ペリクル」に覆われています。ペリクルが邪魔をして、着色物質がエナメル質に入り込みにくい状態です。 しかし、ホワイトニング直後の歯では、薬剤でペリクルがはがれ、歯がむき出しなので、着色物質がエナメル質のなかにスルッと入りやすい状態となっています。 ペリクルが歯に戻りはじめるのが約2時間後。元通りになるのが約24時間後。慎重に考えれば24時間ですが、我慢ばかりでは楽しくないですよね。ホームホワイトニングの場合なら、夜間にホワイトニングをしたら翌日、朝ご飯と昼食に気をつけ、夜は好きなものを食べる、というイメージでよいと思います。 ※参考書籍 「nico 2018.11 クインテッセンス出版」 |
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Q370 | 男児8歳。下の歯が上の歯より出ています。見た目はあまり気にならないので学校検診で指摘されても放っていましたが、最近噛み合わせが気になると本人が言います。矯正費用、期間だいたいどれくらいかかりますか? |
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A370 | 小児の矯正についてですが、症例によって金額・期間が変わってきます。 A)診査・診断料22,000円(税込) B)装置(1装置につき)44,000円(税込)~ C)通院1回につき1,100円(税込) 期間は半年~2年くらいを目安としてください。 |
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