治療内容・方法について

Q131 ファイバーコアって何ですか?
A131

ファイバーコアとは、繊維(ファイバー)でできた芯棒(ポスト)のことです。

最近では、従来から使われている金属の心棒にかわり、グラスファイバーでできていて柔軟性が高くより歯にやさしい心棒も使われています。破折の予防効果が高くおすすめです。

大きなむし歯ができたとき、ばい菌が入って腐敗した神経をきれいに掃除し、歯の下半分を残してそこに被せ物をかぶせ、「もう一度使っていこう」というのが、差し歯の治療です。歯質を失って弱くなった歯は、再び噛む力に耐えられるように補強をしなければなりません。それが差し歯の土台作りで、家の基礎を作るとき、コンクリートの中に鉄骨を入れるのと同様、強度が必要な時に芯棒を使うわけです。

ファイバーコアのメリット

1.腐食やアレルギーがなく歯肉への影響がない
2.歯肉の変色がない
3.メタルコアと違い弾性があるため、歯に加わる衝撃を吸収する
4.光の透過性があり、被せ物の色がきれいに出る
5.歯質と接着する

※参考書籍
 「nico 2010.6 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2016.5 クインテッセンス出版株式会社」

 

Q132 将来、絶対オールセラミックスの前歯にしたいです。でもいまのところは当座、保険の前歯でもいいかな、と思っています。そのときになったらやり換えればいいですよね?
A132

保険の治療をオールセラミックスに換えるにはコア(支台)や心棒ごとに作り直しになります。歯質がしっかり健康に残っていればもちろんやり換えはできますが、しかし最初からご希望の治療方法を選択したほうが歯への負担が二重にならずにすみます。将来的に審美治療をご希望なら目先の治療を選ばず、ご希望の治療法も考慮に入れて検討することをおすすめします。

※参考書籍 「nico 2010.6 クインテッセンス出版株式会社」

Q133 インプラント手術前に服用する薬について教えてください。
A133
  1. 抗生物質・・・外科手術の際に使用するもの
  2. 内科的疾患による常用薬の服用(糖尿、血圧など)
  3. 他、精神安定剤(セルシン)などを飲んでいただくことがあります。
Q134 インプラントがあごの骨を守るってホント?
A134

インプラントは、入れ歯を支える固定源になるだけではありません。固定源として働きながら、同時に、あごの骨が減るのを止める役割も果たしてくれます。治療に有利な条件作りに貢献してくれるたいへん頼りになる存在なのです。

※参考書籍 「nico 2010.3 クインテッセンス出版株式会社」

Q135 歯根破折しているのではないか?と言われ、CTを撮影しました。しかし、撮影しても破折片が出てなかったようです。CTを撮る必要はあったのでしょうか?
A135

破折部の幅が0.2mm以上だと根管充填が施されていてもCBCTで破折の診断ができます。

Özer SY: Detection of vertical root fractures of different thicknesses in endodontically enlarged teeth by cone beam computed tomography versus digital radiography, J Endod, 36: 1245-1249, 2010.

しかし、破折部の幅が0.03~0.1mmの場合にはCBCTでは確認できません。

Patel S, Brady E, Wilson R et al. : The detection of vertical root fractures in root filled teeth with periapical radiographs and CBCT scans, Int Endod J, 46: 1140-1152, 2013.

根管充填の既往のある歯におけるCBCTによる破折の有無の判定は信頼できるとはいえないと述べている論文もあります。

Chang E, Lam E, Shah P et al. : Cone-beam computed tomography for detecting vertical root fractures in endodontically treated teeth: A systematic review, J Endod, 42: 177-185, 2016.

しかし、根管充填を施した抜去歯に実験的に垂直歯根破折を惹起した報告、

Hassan B, Metska ME, Ozok AR: Detection of vertical root fractures in endodontically treated teeth by a cone beam computed tomography scan, J Endod, 35: 719-722, 2009.

Bechara B, McMahan CA, Noujeim M et al. : Comparison of cone beam CT scan with enhanced photostimulated phosphor plate images in the detection of root fracture of endodontically treated teeth, Dentomaxillofac Radiol, 42: 20120404, 2013.

ならびに臨床の場で垂直破折が疑われる根管充填の既往歯の症例報告、

Bernardes RA, de Moraes IG, Húngaro Duarte MA et al. : Use of cone-beam volumetric tomography in the diagnosis of root fractures, Oral Surg Oral Med Oral Pathol, 108 : 270-277, 2009.

Edlund M, Nair MK, Nair UP: Detection of vertical root fractures by using cone-beam computed tomography: A clinical study, J Endod, 37: 768-772, 2011.

Kajan ZD1, Taromsari M: Value of cone beam CT in detection of dental root fractures., Dentomaxillofac Radiol, 41: 3-10, 2012.

いずれにおいても、CTは垂直歯根破折の判定に非常に有効とされています。

歯周組織の破折防止のためには、口腔内所見やデンタル所見から垂直歯根破折が疑われる場合は、早急にCT撮影を行い、垂直破折の有無を確認することが必要です。

※参考書籍
 「日本歯内療法学会雑誌 第39巻 第3号 平成30年9月 歯内療法
 日本歯内療法学会

Q136 部分入れ歯だったら、どんな人でも治療できるのだろうと思っていたら、難しいときもあると聞きました。部分入れ歯の適合に不利なお口ってどんなものがあるのですか?
A136

治療の適応範囲が広い部分入れ歯ですが、さすがに万能選手というわけにはいきません。次のような場合の治療は苦手で、入れ歯の出来に影響が出やすいです。

1. 歯がグラグラ

部分入れ歯時の注意1 歯がグラグラ

クラスプなどの維持装置を歯にかけて部分入れ歯を固定したくても、固定源になる肝心の歯がグラグラではそれができません。まずは歯周病の治療を受け、ほかの治療法を選択すべきかを歯科医師と相談しましょう。

2. 歯が倒れている

部分入れ歯時の注意2 歯が倒れている

クラスプをスッとかけられるように、歯を削って形を整えます。また、場合によっては歯をもとの位置に戻す矯正治療が必要になることがあります。

3. 歯が短い

部分入れ歯時の注意3 歯が短い

歯ぎしりや酸蝕症(酸っぱいものの食べ過ぎで歯が溶ける)のために歯が短くなっていると、クラスプをかけられません。歯の形を修復してから部分入れ歯の治療にかかります。

4. 支えにしたい歯に神経がない

部分入れ歯時の注意4 支えにしたい歯に神経がない

神経を取ってある歯は、神経のある歯にくらべるとグッと強度が落ちます。そこへクラスプをかけるとその歯に負担がかかり、破折のリスクが増大します。磁性アタッチメントの部分入れ歯などがおすすめのケースです。

5. 骨隆起がある

部分入れ歯時の注意5 骨隆起がある

部分入れ歯を安定させられるスペースがなく、ガタつきやすいため、設計が大変難しくなります。骨隆起を外科手術で取るか、あるいはほかの治療法(インプラントなど)をおすすめする場合もあります。

6. あごの骨が少ない

部分入れ歯時の注意6 あごの骨が少ない

歯周病や、入れ歯の刺激が原因であごの骨が失われて平たくなっている方の場合、部分入れ歯の横ズレを抑えにくく、固定源の歯を傷めてしまいがちです。

7. 噛み合う歯がない

部分入れ歯時の注意7 噛み合う歯がない(すれ違い咬合)

上下の歯が1本も噛み合っていない場合、噛む力は部分入れ歯と歯ぐき、あごの骨に集中的にかかります。そのため入れ歯がガタつきやすく、入れ歯が壊れたり、あごの骨がどんどん失われてさらに難症例になってしまいます。

 

お口の状態によっては部分入れ歯の製作に入る前に下準備のための治療が必要になることもあります。治療期間が少し長くなりますが、ガタつかない部分入れ歯を極力実現するためなのでぜひお付き合いをお願いします。

 

※参考書籍 「nico 2015.5 クインテッセンス出版株式会社」

Q137 顎関節症の治療費について教えてください。
A137

顎関節症の治療についてですが、残念ながら日本の保険制度ではカバーされていません。保険治療で可能な治療は非常に限られているからです。そのため、顎関節症の診断と治療は保険治療外(自費)で対応させていただいております。

最初の初診時にカウンセリングを実施し、症状の把握、場合によっては応急処置をします。次に、噛み合わせの診査やレントゲン撮影、その他詳しい診断をします。症状によって、顎機能検査、スプリント療法が必要になります。費用については、最初のカウンセリングの時に詳細をお伝えします。

噛み合わせの治療は1回で終了することもあれば、時間をおいて様子をみながら再度噛み合わせの治療をすることもあります。

 

※参考書籍
 「美しい表情は噛み合わせから」 
 稲葉歯科医院顧問 元日本歯科大学教授 稲葉 繁
 稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子

Q138 今度はじめて部分入れ歯を作ります。クラスプをかける歯を少し削って前処置をするとよいと聞きましたが、なぜそんな処置が必要なのですか?
A138

クラスプやレストが支える歯にピタッとフィットして入れ歯がガタつかないようにするのです。この前処置で使い心地が格段にアップします。

※参考書籍 「nico 2015.5 クインテッセンス出版株式会社」

Q139 部分入れ歯の装着直後に感じる不快感はどんなものがありますか?
A139
  1. 部分入れ歯の装着直後に生じる不快事項
  2. 支台歯と顎堤粘膜の疼痛
  3. 入れ歯の着脱困難
  4. 発音障害
  5. 咬傷
  6. 審美障害
  7. 顎関節疼痛、雑音
  8. 違和感(異物感)
  9. 食片迷入
  10. 入れ歯の脱離

 

※参考書籍
 「アドバンスドデンチャーテクニック」
 大久保 力廣 著 株式会社ヒョーロン・パブリッシャーズ

Q140 歯と歯の間にすき間があるのですが治りますか?
A140

ある程度のすき間ならば、レジンでつめて歯と歯の間のすき間を治すことができます。
また、歯の表面を削り(削らない場合もあります)、セラミックス素材を用いた非常に薄いシェル(つけ爪のようなもの)を特殊な樹脂系のセメントで接着するラミネートベニアを使うこともあります。

しかし、すき間が大きい場合や治すところが多いときには、事前に矯正治療をして歯を動かしてから上記の方法で治した方がよい場合もあります。

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