歯・お口の状態について
Q51 | 唾液っていうとなんか汚いイメージがありますけど、どのようにして作られるのですか? |
---|
A51 | ほとんどの人に「あるのが当たり前」の唾液。けれども、お口の健康にも全身の健康にも欠かせません。唾液にはたくさん役割があり、単なる水ではなく、非常に高性能な「機能水」といえるんです。 唾液の作られ方
※参考書籍 |
---|
Q52 | 唾液ってほんとにたくさんのはたらきがあるんですね。全身の健康にも影響するなんておどろきでした。でも私、最近唾液が減ってきた気がするんですよねえ。 |
---|
A52 | 唾液がその力を十分に発揮するには、お口のなかに、ある程度の量がないといけません。唾液が少ない、減ってきた、もっと唾液を出したいというかたに唾液の「量」を増やすコツをお教えしましょう。 唾液をもっと出すために
唾液の量が減る主な原因
※参考書籍 |
---|
Q53 | 唾液は量を増やすだけでよいのでしょうか? |
---|
A53 | せっかくですから、唾液の「質」も意識してみませんか?唾液には抗菌作用のある物質がいろいろはいっていますが、IgAがいちばん量が多いんです。IgAは細菌やウイルスなどの侵入を防ぐ抗体で、IgAの量は唾液の「質」を左右するものとして注目されているんですよ。 唾液の質を高めるために
唾液の質が下がる主な原因
※参考書籍 |
---|
Q54 | 顎関節症とは何ですか? |
---|
A54 |
あごの関節(顎関節)周辺や、あごを動かす筋肉(咀嚼筋)に異常がある状態のことです。 |
---|
Q55 | 唾液には傷口を治す効果があるのですか? |
---|
A55 |
「傷口をなめる」ことが傷口にとって良いことをヒトは知っています。 唾液の効用としてまず「洗浄作用」が挙げられます。「洗浄作用」とは、傷口の雑菌や異物を洗い流す作用のことです。 つぎにムチンによる口腔内でみられる粘膜コート機能は、傷口では乾燥を防ぐ「保護作用」として役立ちます。 さらにリゾチームなどによる「抗菌作用」、粘液性糖たんぱく質であるムチンによる細菌の「凝集作用」などが知られています。 その他、炎症を抑える作用など多くのことが議論されています。 またヒトは子どもの時にすり傷を作ると親がそこをなめて「痛いの、痛いの、飛んでいけー。」などとおまじないをかけてくれたことを記憶しているものです。この記憶は、傷口をなめる動作から安心感を体中に呼び起こしてくれるのです。これも立派な効用です。
※参考書籍 |
---|
Q56 | 顎関節症の原因と発症のメカニズムについて教えて下さい。 |
---|
A56 | 現在では研究が進んで、顎関節症の病因は多因子であることがわかっています。例えば、「噛み合わせ」は何十もの病因のほんの一部。クセや生活習慣の改善からまずは試していきましょう。
顎関節症の原因は、大きく分けると次の3つに分けることができます。 1.精神的なストレス、ブラキシズムやその他の口腔習癖による筋の異常活動精神的ストレス・・・緊張、不安、抑うつなど 2.歯冠修復や補綴などの歯科治療による噛み合わせの変化噛み合わせの異常、多数歯欠損 3.不良姿勢や偏った動作による下顎の変位・習癖TCH(上下歯列接触癖)、不良姿勢、噛みしめ、緊張時の食いしばり、頬杖、携帯電話・スマートフォンの操作、受話器の肩ばさみ、下あごを突出させる癖、筆・器具噛み、爪噛み、うつぶせ読書、テレビゲーム・携帯ゲーム ・食事硬い食べ物が好き、ガム噛み、片噛み ・就寝時ブラキシズム(クレンチング、グラインディング)、睡眠不足、高い枕・固い枕、うつぶせ寝、手枕・腕枕、就寝時の姿勢 ・スポーツコンタクトスポーツ(マウスガードの装着義務がない種目で起きやすい)、柔道、剣道、球技、スキューバダイビング、ウィンタースポーツなど ・音楽楽器演奏(クラリネット、サクソフォン(サックス)、オーボエ、トランペットなどの吹奏楽)、カラオケ(急な大開口・維持など)、発声練習 ・社会生活緊張する仕事、多忙な生活、精密作業、PC作業、重量物運搬、歯科治療時(急な大開口・維持など)、対人関係の緊張 他にも、解剖要因(顎関節や靭帯、筋肉が弱い)、外傷要因(噛み違い、打撲、転倒、交通外傷)などによっても発症することがあります。 これらの要因により非生理的な下顎運動が引き起こされ、それが生体の適応の限界を超えた時、顎関節症を引き起こすと考えられています。さまざまな病因が積み上がって患者さんの耐性を超えないように「総量」を減らしましょう!
※参考書籍 「口腔筋機能改善 コンディショニング技法の基礎知識」 「顎関節症 Q&A 自分でできる予防と治療のアドバイス」 |
---|
Q57 | 顎関節症の痛みの原因にはどのようなものがありますか? |
---|
A57 |
いろいろ原因はありますが、主に次のようなものがあります。
※参考書籍 |
---|
Q58 | 顎関節症といっても、いくつかの種類があるそうですね?私はどのタイプかを知りたいです。 |
---|
A58 |
大きく分けて4つのタイプがあります。日本顎関節学会による分類を使ってそれぞれの特徴をご説明しましょう。患者さんによっては複合型もあるのでまずは歯科医院で診てもらいましょう。 1.筋肉のトラブル咀嚼筋の筋肉疲労による筋肉痛がきっかけ。慢性化する場合もあり、原因についてはまだ謎も多い。口を開け閉めしたり、筋肉を触ると痛む。初期治療と生活指導を受け、リラックスを心がけよう。症状が長引く場合は専門医へ。 2.関節円板のトラブル関節円板のズレにより起きる。異音、口が開けにくいなどの症状のほか、強い痛みを伴うことも。歯科医院の初期治療と生活改善により痛みが軽減することが多いが、痛みが強かったり、症状が長引く場合は専門医へ。 3.靭帯や関節包のトラブル顎関節の周囲にある靭帯などが肉離れや捻挫を起こして痛む。硬い食べ物を避けるなどしながら大事にしていると、通常は自然に回復する。 4.骨の変形のトラブル下顎頭の変形や顎関節の周囲の組織の損傷のために起き、症状は軽度のものから重度のものまで幅がある。顎関節への負担を取り除くことによって顎関節が動くようになると、専門医の治療を受けずに治るケースも。症状が長引く場合は専門医へ。 ※参考書籍 「nico 2015.2 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q59 | 私は顎関節症になったことがあります。治療のときにずっと口を開けているとまたあごが痛くならないかと心配です。 |
---|
A59 |
1回の治療時間を短くしたり、休憩を挟むなど治療の際に配慮をさせていただきますので、ご心配なことがありましたら顎関節症の既往歴を問診票に書き込んだり、歯科医師や歯科衛生士に必ずお伝えください。 ※参考書籍 「nico 2015.2 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q60 | 歯槽膿漏と歯周病はどう違うのですか? |
---|
A60 |
同じものです。歯周病は、以前は「歯槽膿漏」とよばれていました。 歯槽膿漏とは歯ぐき(歯肉)から膿(うみ)のでる病気という意味ですが、その他にもさまざまな症状があることから、いまでは「歯周病」と呼ぶようになりました。 ※参考サイト 「日本臨床歯周病学会」 |
---|