Question
新しく作った義歯でうまく話せません。そのうち慣れるものなのでしょうか?
Answer
入れ歯をすると、発音しにくいという人は少なくありません。また、会話相手から何度も聞き返されて、話すことに臆病になってしまう人もいます。入れ歯をすると発音しにくくなる大きな原因は、義歯床が舌の動きの障害となり、思うような発音ができなくなることです。特にサ行の「さしすせそ」とタ行の「たちつてと」の発音が不明瞭になる場合が多いようです。
入れ歯をしていても明瞭な発音をするには、できるだけ大きく口を開けて話すことです。そうすることで、舌の動きの自由度が高まります。日頃から、大きく口を開けて音読することを練習しましょう。
金属床の入れ歯と比べ、レジン床の入れ歯はどうしても分厚くなってしまいます。大きめの入れ歯や前歯の人工歯の位置が悪いと、発音が不明瞭になりやすいといえます。その場合、できるだけ小さく薄い義歯床に変えることを考えてもよいでしょう。
ある研究では、義歯を装着してから発音的になれるまでに約3週間必要であるという報告があります。
また、平均では59日、つまり、1~2カ月程度の期間を要するという結果もあります。
うまく発音できるまでには少し慣れる必要がありますが、発音しにくいと感じた時にはかかりつけの歯科医院で相談してみてください。
※参考書籍
「義歯床形態の違いが発音に及ぼす影響」
九州歯科大学大学院歯学研究科歯科補綴学第1専攻
豊田 雅信
九州歯会誌 41(1):163~177, 1987.
「入れ歯名人」 田中 久敏 監修 海苑社