Question

歯医者さんで注射をするとクラクラと気分が悪くなります。麻酔のアレルギーじゃないかととても心配です。

Answer

麻酔が必要なとき、アレルギーを心配するかたはよくおられます。
しかし、麻酔でいのちが危険なほどアレルギーが起きる頻度は、じつはきわめて少ないと言えるでしょう。
その後気分が落ち着かれてご自分で歩いて帰れたならまずアレルギーではありません。どうぞ安心なさってください。

麻酔アレルギーには2タイプあります。
麻酔関連のアレルギーでむしろときどきあるのは、表面麻酔薬に添加されている防腐剤や安定剤などによる湿疹などの小さなアレルギーです。
スプレーやチューブ入りの表面麻酔薬は、開封後しばらく使用できるよう、市販されている化粧品などと同様の防腐剤が添加されていることがあります。
また、使いやすく粘性をもたせる安定剤が入っていることもあります。
そのため、化粧品で湿疹ができやすいかたの歯ぐきに、小さな湿疹ができることがあります。
ただ、目立たない場所の場合、気付かないうちに治ってしまいます。

一方、ショック症状を起こし命にかかわるほど激しいアレルギー(アナフィラキシー)も、きわめて少数ですがないわけではありません。数十万件に1件ともいわれていますが、とある歯科大学病院の年間20万人の患者さん(あらゆる症例のかたがいる)で数年に1人いるかどうか、というほどたいへんまれです。
やはり麻酔薬自体より添加物に対する反応が多いといわれています。
ご心配なかたは皮膚科のアレルギー検査をぜひおすすめします。

具体的な調査結果があるわけではないのでエビデンスはないのですが、「麻酔の注射のときにアレルギーで気分が悪くなった」と心配なさる患者さんの相当数は、緊張のあまり血圧が急上昇したり、脳貧血、過喚起発作などとアレルギーを混同なさっているのではないかと思われます。
そこで、また起こりはしないかと不安なかたには、まずはアレルギー検査をおすすめし、そして大丈夫であれば、体調のよいときに精神鎮静法を用いて治療を行います。すると問題なく治療ができる患者さんがほとんどです。
 「前に麻酔したときに気分が悪くなった」というようなかたの多くは、おそらくアレルギーではありませんが、ご心配であれば歯科医院・歯科麻酔専門医や総合病院の口腔外科、大学病院の歯科麻酔科などにお気軽にご相談ください。

 ※参考書籍
 「nico 2015.3 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2013.3 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2007.12 クインテッセンス出版株式会社」

お探しの情報は何ですか?

関連記事

このページを見た人は以下のページも見ています