Question

金属床義歯の利点と欠点を教えてください。

Answer

金属床とレジン床の最大の違いは強度です。

金属が薄くて強いので総入れ歯・部分入れ歯の厚みを減らすことができ、違和感が少なく強度を確保できます。上顎の入れ歯、特に総入れ歯で厚みがないというのは大きなメリットです。金属床熱を伝えるので食事の味をより自然に感じることができます。
下顎の入れ歯は一般に小さく強度に欠けるため金属床変形や破損を防ぐ意味で効果が高くなります。

さらに保険のレジン床との大きな違いは設計の自由度が高いということです。

残った歯や顎などお口の中の状態に合わせて、バネや連結部分の取り回しといった構造上大事な部分の設計をいろいろと工夫することができます。より快適で無理のない入れ歯を作ることが可能です。

金属床義歯とレジン床義歯を比較しましたので、参考にしてください。

  金属床義歯 レジン床義歯
装着感 優れる 金属床義歯と比べると劣る
厚み 薄くできる(0.5mm程度でも可能) 補強線を入れて強度を得るため、厚くなりやすい
重さ 使用金属によっては重い。貴金属はCo-Cr合金の2倍、チタンの4倍程度になる。上顎の貴金属総義歯は25g以上になり、重くて落ちやすい。 比較的軽い。上顎義歯で20g以下であれば軽いと感じられる
温度感覚 伝わりやすいため、食べ物も味わいやすい 伝わりにくい
金属味を感じる場合がある 一般的に変化はない
アレルギー 金属アレルギーがあれば適応困難 レジンアレルギーがあれば適応困難。レジンアレルギーは少ない
強度 高いため構造的なたわみは出にくい。吸水性がないので短期間での破損や変化は少ない。薄い部分の破折はある 比較すれば低い。単独では強度の維持は困難で、補強線内蔵の必要がある
劣化・変色 一般的にはしにくい 吸水性があるため劣化・変色しやすいが、義歯洗浄剤によるデンチャープラークコントロールを徹底すれば、それほど差はない
清掃性 よい。付着したプラークは払拭しやすい 金属床と比較すれば悪い
調整 削合作業は困難であり、薄い部分は破折しやすい。多くの調整が予想される部位は、設計時に若干厚みをもたせて製作する 削合作業は容易であり、即時重合レジンにて薄い部分を添付可能
修理 難しい。近年はレーザー溶接による修理も可能となったが、一般的には困難 やさしい。即時重合レジンにて、即日に修理も可能
リライン 最近は金属表面のサンドブラスト処理後の金属接着性プライマーや接着性レジンの使用で容易になった。しかし、口蓋部分は大きく変化しない部位であり、装着感のメリットは失われるので、慎重に行うべきである 金属床と比較すれば容易
価格 高価 安価

 

ゴールドのメリットは?

口の中は、食事で冷たいものや熱いもの、酸味の強いものなどをとるうえに、歯にもかなりの力がかかり大変過酷な条件下におかれています。

そのため、治療した材料は腐食やさび、溶解の危険にさらされます。さびたり、体に合わない金属はアレルギーの原因になると指摘されています。長期間使うものなので健康を考えると体に安全な貴金属が最適です。

また、歯を作る作業は型を取って作った模型の上で行いますが、精密さが要求されます。ピッタリしたものは歯との境目にすき間がなく、食べ物がたまりにくく、プラーク(歯垢=細菌のかたまり)がつきにくく、将来そこからむし歯や歯周病の問題が発生しにくくなります。

ゴールド(金)は物質的に安全性が高く、加工しやすく、変質しやすいという性質があり、歯科用材料として用いられているのは、アレルギー反応がなく、口の中で変質しにくい、口の中で溶けないことで味覚に影響を与えない、硬さが適当で違和感がないなど多くのメリットがあるからです。

違う種類の金属は化学的に作用して変色や変質を起こすので、できればお口の中は同じ金属で統一するほうがよいでしょう。

 

※参考書籍
 「聞くに聞けない補綴治療100」
 監修 河相安彦、鷹岡竜一 デンタルダイヤモンド社

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