Question
口呼吸を鼻呼吸にするにはどうしたらよいのですか?
Answer
口呼吸を鼻呼吸に改めるには、ただ口が開かないようにし、意識的に鼻で呼吸するようにしても直るものではありません。
口呼吸は、たんなる呼吸のクセにとどまらず、食べ方、眠り方といった基本的な生活習慣にまで関わってきます。「冷たいものを飲食する習慣」や「寝不足」など、さまざまな習慣と連鎖し、絡みあっているのです。
具体的には次のような習慣・クセを改めましょう。
1.食べるときの習慣
- 左右どちらか片方でかんでいる。
(急に片かみグセをやめ、無理に両側で噛もうとすると顎関節症を発症するおそれがあるので注意) - ほとんどかまずに丸呑みする。
- クチャクチャ音を立てて食べる。
- 早食いである。
- テレビを見ながら、斜めに傾いた姿勢で食べている。
2.寝るときの習慣
- 左右どちらか横向きに寝ている。
- うつぶせに寝ることが多い。
- 高い枕でないと寝られない。
(高い枕は気道を圧迫し、鼻呼吸を妨げてしまうため、1~3CMがおすすめです) - ふかふかの布団、ベッドで寝ている。
(ふかふか布団では、体が沈み込んでしまい、水平になりません) - いびきや歯ぎしりがある。
3.無意識にとっている姿勢の習慣
- 足を交差するクロス立ちをよくする。
- 片方の足に体重を乗せる「やすめ」の姿勢で立っていることが多い。
- よくほおづえをつく。
- デスクやテーブルに突っ伏して寝る。
- 猫背でパソコンなどを打っている。
- バッグはいつも同じ側の肩にかける。
4.短時間睡眠で十分な骨休めをしない習慣
- 熟睡しているので、睡眠は五時間以下でも平気だ。
- 仕事で移動が多く、車内や飛行機の中で寝るようにしている。
- 深夜までつい夜更かししてしまう。
- 立ちっぱなしの仕事で勤務時間も長いので、休日にまとめて睡眠をとっている。
5.冷たい物で腸を冷やす食習慣
- キンキンに冷えたビールやお酒が好きだ。
- アイスクリームやシャーベットをよく食べる。
- 冷えた清涼飲料水やお茶をよく飲む。
- お刺身が好きだ。
- コンビニの冷えたおにぎりやサラダをよく食べる。
6.いいつもりの健康常識
- スポーツは体にいい。
(ほどほどに楽しむ程度ならいいですが、「やりすぎ」は禁物です。激しいスポーツは「口呼吸」を招きます。) - 子供は小さいうちからよく運動させ、走らせる。
(乳幼児は体の免疫系がまだ発達していないため、とくに負担がかかります。くれぐれも無理せず、スポーツ後の「骨休め」を怠らないことです。) - 冷え解消に、しょうがをおろして食べたり、たっぷり料理に使っている。
(生のしょうがを摂取すると、体温を下げてしまい、免疫機能が低下します。) - 体にいい玄米食を食べるようにしている。
(玄米の胚芽の部分にはアプジン酸やフィチン酸といった発芽抑制たんぱく質が含まれています。これが人間の体に適さないために、腸内細胞の状態が悪くなります。) - 体を鍛えるために薄着をしている。
(子どもには冬眠する動物と同じ特殊な脂肪(ブラウンファット)が5歳まで備わっていますが、大人になってからはリウマチや痛風、ぜんそくになってしまいます。発生学では手足も呼吸器の一部ですので冷やしてはいけません。)
免疫病の多くは、「誤った体の使い方」をした習慣がもとで発症しています。上記のような悪習慣・クセが相互に関連しながら、免疫力の源であるミトコンドリアに障害を与えています。
「正しい体の使い方」を習慣づけるための七つの実践プログラムを紹介します。
1.口呼吸をやめて鼻呼吸にする。
2.横隔膜呼吸(美呼吸)で全身の細胞呼吸を促す。
3.口呼吸を促進する「片かみグセ」を直す。
(急に片かみグセをやめ、無理に両側で噛もうとすると顎関節症を発症するおそれがあるので注意!)
4.鼻呼吸を妨げていた睡眠姿勢を「あお向け寝」に正す。
5.体を冷やさない(とくに、腸を冷やさないこと)
6.体に適した食品をとる。
7.骨休めをする(とくに、寝不足をしないこと)
※参考書籍
「アレルギー体質は口呼吸が原因だった」
医学博士 西原 克成 青春出版社