Question
歯周治療で腎臓の状態が良くなる可能性があるってホント?
Answer
歯周病が慢性腎臓病の原因の一部かもしれない
慢性腎臓病を引き起こす代表的な原因は、糖尿病、加齢、喫煙で、ほかに高血圧、糸球体腎炎(腎臓の中で血液を濾過するフィルターの役目を果たす糸球体の炎症によって、タンパク尿や血尿が出る病気)、自己免疫疾患なども挙げられますが、原因がよくわからないことも多いのです。しかし、以前は原因不明とされたもののうち、一部は歯周病が関係しているかもしれないと言われるようになりました。
歯周病が治ると慢性腎臓病も少し改善する
歯周病の人は、血液中に炎症性物質が増加しています。つまり、全身がつねに軽い炎症の状態になっていて、歯周病が治らないかぎり長期間続いてしまいます。その状態が腎臓にも悪い影響を及ぼすかもしれないと考えられるようになりました。
慢性腎臓病と歯周病の両方にかかっている患者さんに歯周治療をしたらどうなるか調べた研究*では、歯周病が治った場合に慢性腎臓病も少し改善するという結果でした。
*Chambrone L, Foz AM, Guglielmetti MR, Pannuti CM, Artese HP, Feres M, Romito GA. Periodontitis and chronic kidney disease : a systematic review of the association of diseases and the effect of periodontal treatment on estimated glomerular filtration rate. J Clin Periodontol 2013 ; 40(5) : 443-456.
※参考書籍
「歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本」
クインテッセンス出版株式会社