Question

外科処置前に痛み止めを飲むのはなぜでしょう?

Answer

術後の疼痛管理は、単に患者さんの痛みを取り除くだけでなく、痛みによって二次的に引き起こされる、呼吸・循環器の合併症を予防する効果があります。

また、先取り鎮痛という取り組みも積極的に行われています。手術によって生じた侵害刺激は、脊髄や延髄にある侵害刺激を受容するニューロンを長期にわたって興奮させることが知られています。その結果、疼痛過敏が生ずることがあります。そのため、術前から鎮痛薬を投与したり侵害刺激を与える前に術野に局所麻酔を施して、痛みの伝達の抑制を図るのです。全身麻酔下でも口腔外科手術では出血をおさえ、術野を明視するために欠陥収縮薬添加の局所麻酔薬を注射しています。

局所麻酔薬を使用することは、術後の鎮痛にも大いに役立っています。また、術中に鎮痛薬を使用する、麻酔覚醒前に鎮痛薬を投与する、術後の鎮痛薬の持続投与などを行って積極的に鎮痛を図っています。

※参考書籍
 「知ると得する歯科麻酔」
 大井 久美子  一般財団法人 口腔保健協会

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