Question

睡眠時ブラキシズムは修復物へ影響を与えるのでしょうか。

Answer

修復物の破損や脱落の原因としては、以下のような多くの因子があります。

1.修復物の形成・印象・適合性・咬合

2.修復物の合着材料

3.患者の食べ物の嗜好

4.“力”の問題

しかし、注意深く診査し、修復物を設計・製作しても、破損や脱落が起こることがあります。このような場合は睡眠時ブラキシズムが疑われます。

睡眠時ブラキシズムの影響を調べたデータがあります。

装着したインレー、クラウン、ブリッジ、連結冠の合計3,673個の予後25年間を調査し、睡眠時ブラキシズムの弱いグループ(B-1)は修復物の脱落が少なく、強いグループ(B-3)は修復物の脱落が多いことが分かりました。また、中間の強さであるグループ(B-2)における修復物の脱落は、B-1とB-3の中間でした。いずれのグループ間においても、有意差が認められました。

修復物の残存率経時変化

睡眠時ブラキシズムと修復物破損・脱落の関係

友永章雄, 池田雅彦, 加藤 熈, 大畑 昇:Sleep bruxismが修復物脱離に及ぼす影響. 補綴誌. 49: 221-230, 2005.

 

以上から、修復物を長期に維持するためには、睡眠時ブラキシズムのコントロールが必要であると言えます。

(参考)睡眠時ブラキシズムと顎関節症について

顎関節症は多因子疾患です。なかでも睡眠時ブラキシズムが関与しているケースでは、咬合調整などを行わなくとも、睡眠時ブラキシズムをコントロールすることで顎関節症の症状である顎関節のクリック音や疼痛を軽減させることも可能です。

※参考書籍
 「月刊 ブラキシズムは治る!1,600症例から見えたこと」
 池田 雅彦 著  デンタルダイヤモンド社

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