治療内容・方法について
Q271 | 私は糖尿病ですが、インプラントをしても大丈夫? |
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A271 | まだはっきりと「糖尿病はインプラント治療におけるリスクである」とは言えません。 糖尿病患者におけるインプラント治療は、さまざまな角度から検討したところ禁忌症とはいえず、十分に注意して行うことにより非糖尿病患者と同様にインプラント治療が行えるかもしれません。 しかし、創傷治癒不全や易感染性を甘くみてはならず、インプラント治療が重篤な併発症を引き起こすリスクとなりうることを否定することはできません。そのため、血糖値のコントロールをしっかりと行うことのできる患者にインプラント治療は行うべきであり、医科との連携を図りながら治療は行われるべきであると考えます。 抜歯や歯周外科処置を含む観血的処置の場合でも、休薬を勧める必要はないと結論づけられています。 日本口腔外科学会を含むガイドラインにおいても、International Normalized Ratio (INR)が3.0以下の患者であれば歯周外科治療においても術後の出血に有意差はなかったという報告もあり、インプラント治療も基本的には同様に考えられます。しかしながらINRが高値の場合には、侵襲を少なくする術式の選択が必要となる可能性があります。 一般社団法人日本有病者歯科医療学会、社団法人日本口腔外科学会、一般社団法人日本老年歯科医学会 編. 科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2010年版. 東京:学術社, 2010. ただし、インプラント周囲炎ではリスクが1.5倍高いと結論付けられています。 Monje A, Catena A, Borgnakke WS. Association between diabetes mellitus/hyperglycaemia and peri-implant diseases : Systematic re-view and meta-analysis. J Clin Periodontol 2017 ; 44(6) : 636-648 また、日本口腔インプラント学会が刊行している治療指針(2016年度版)は、空腹時血糖:140mg/dL以下、ケトン体(-)、HbA1c:6.9%(NGSP値)未満の者にインプラント治療は行われるべきであると示しています。 治療後の定期検診は必ず行くことをおすすめします。
※参考書籍 「インプラントの迷信と真実」 |
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Q272 | 今度親知らずの抜歯のためにCTを撮ると言われました。CT撮影による被爆線量を教えてください。 |
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A272 | 当院では、Kavo 3D eXamというCT機器を導入しています。 Minds医療情報サービス(厚生労働省委託事業)に歯科X線撮影の被曝について掲載されています。 |
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Q273 | 歯根の治療をしたら治療前よりも治療後のほうが腫れて痛くなりました。この治療、失敗したのでしょうか。 |
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A273 | 歯のなかの掃除や薬の刺激で、炎症が歯根膜などに一時的に起こり数日間痛むことがあります。でもこれは治っていくまでの一過程で、失敗ではありません。 |
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Q274 | 歯周病で歯が動いてしまい歯並びが悪くなって気になっています。こんな私でも矯正治療はできますか? |
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A274 |
矯正治療では歯周靭帯や骨が健康でなければなりません。 歯周病の治療をしっかりと受けて炎症のコントロールができているかたなら多くの場合、矯正治療は可能です。ただし、健康なお口の治療とくらべて特別な配慮が必要です。
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Q275 | 被せもののひとつやふたつ、しなくてもいいでしょ? |
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A275 | お口の状態が健康かどうかで、人生は大きく変わります。 口の周りのささいな衰えのことを「オーラルフレイル」といいます。
オーラルフレイルの人は、そうでない人と比較すると、サルコペニア、要介護認定、総死亡のリスクが約2倍以上になることが報告されています1)。 また、補綴治療を行わないで欠損を放置している歯数が8歯程度になると死亡リスクが2倍に上昇することが知られるようになりました2)。 1)Tanaka T, Takahashi K, Hirano H, Kikutani T, et al. Oral frailty as a risk factor for physical frailty and mortality in community-dwelling elderly. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 73(12), 1661-1667, 2018. 2)Maekawa K, Ikeuchi T, Shinkai S, Ohkawa S, et al. Number of functional teeth more strongly predicts all-cause mortality than number of present teeth in Japanese older adults. Geriatr Gerontol Int. 20(6), 607-614, 2020.
※参考書籍 |
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Q276 | 矯正治療中に急に前歯の色が変わってきました。大丈夫ですか? |
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A276 | そのような状況では、歯髄壊死が考えられます。歯髄壊死の原因は、傾斜移動などによって歯槽骨の範囲から歯根が出てしまった場合や、外傷歯、矯正の力が強い場合などが一般的に挙げられます。矯正治療中の歯髄壊死は予測できないことが多いため、完全に予防することは難しいです。
※参考書籍 |
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Q277 | メインテナンスを途中で中断したのですが・・・・ |
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A277 |
メインテナンスも重要な歯周治療の一部分です。歯周病は主に口腔内の細菌が原因で発病する疾患です。したがって、この細菌を除去し続けることが歯周病を予防し、お口の健康を維持するために必要となります。細菌の集団である歯垢は、毎日の適切なブラッシングでほとんど除去することが出来ますが、深い歯周ポケットの中や歯並びの悪い所にある細菌はご自身のブラッシングだけでは除去できません。メインテナンスを途中で中断した場合、歯周病が再発したり、新しいう蝕が発生して、以前に行った治療の効果が失われてしまいます。歯科衛生士による専門的なクリーニングを受け定期的なメインテナンスを継続していくことが、歯周治療のゴールとなります。 ※参考サイト 「日本臨床歯周病学会」 |
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Q278 | 矯正治療をしています。歯と歯の間に黒い隙間が目立つようになってきました。どうしたら治りますか? |
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A278 | 歯と歯の間にできた黒い隙間を、ブラックトライアングルといいます。 ブラックトライアングルを改善したい患者さんに対しては、歯の形態修正や歯肉移植などの改善方法があります。
※参考書籍 |
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Q279 | 持病があるのですが麻酔をしても大丈夫でしょうか? |
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A279 | 問診表や、診療のなかでの問診で、病気のことや、飲んでいるお薬のことなどについて、かならずお教えください。麻酔薬の成分が影響することもないとはいえません。 ことに高血圧症や心臓病、動脈硬化、重篤な糖尿病のかたは注意が必要です。 お口もからだの一部だという意識をぜひもっていただきたいと思います。 ※参考書籍 「nico 2007.12 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q280 | ハイブリッドセラミックって何? |
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A280 |
オールセラミックはセラミック単体ですが、ハイブリッドセラミックはセラミックにファイバー(プラスチック)を混ぜた新しい材料です。 メリット1.歯に近い硬さであるため、違和感が少なく、被せた歯だけでなく咬み合う歯を傷めない
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