治療内容・方法について
Q251 | 神経のある歯でもセレックはできますか? |
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A251 | はい、問題ありません。 |
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Q252 | ジルコニアって何? |
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A252 | ジルコニアは、Zirconium(原子番号:40)の安定酸化物である二酸化ジルコウム(ZnO2)の総称です。
Zirconiumは金属、Zirconiaは「セラミック」、その中でも「ファインセラミック」の一つとされ、天然で採取されるジルコン砂(Zircon sand)から湿式で精製され、加熱により粉末になります。
純粋なジルコニアは常態で白色の個体、融点が約2715℃、沸点が4300℃と高く、白色顔料、耐火物、高温接着剤に応用されており、種々の元素と固溶することで相変位を安定化させ、性質を変えることができます。このような特性を活かし、宝飾品、光ファイバー用コネクタ、酸素センサー、排ガス浄化触媒、人工関節骨頭にも応用されています。
ジルコニアには3つの結晶系が存在し(単斜晶、正方晶、立方晶)、温度により転移します。また、応力によっても変態を起こします。
純粋なジルコニアは室温では単斜晶系が最も安定します。Y(イットリウム)、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Ce(セリウム)などのイオンを固溶することで、常温で安定した正方晶、立方晶になり、温度の変化による破壊を抑制でき安定、または準安定となります。(例:立方晶ならキュービック・ジルコニア)
固溶量を少なくすると正方晶が常温で安定します。この状態のものをPSZ(Partially Stabilized Zirconia)と呼びます。PSZの中でも、Yが3mol%(5.4w%)、またはCeが10~12mol%のときは、常温で正方晶を100%にすることができます。TZP(Tetragonal Zirconia Polycrystal)は正方晶多結晶体と呼ばれます。
※参考書籍 |
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Q253 | 矯正治療中ですが、入院直後に妊娠が判明しました。どうしたらいいですか? |
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A253 | 矯正治療中の妊娠、出産は起こりうる事項であり、患者さんの人生にとって矯正治療以上に重要なことです。 妊娠初期および後期の体調の変化により通院が困難になることがあり、その対応、出産後の通院再開時期について患者さんに説明します。また、口腔衛生状態が悪化することもあるため、十分に気をつける必要があります。 治療期間が延長しても、妊娠・出産にともなう重篤な問題が発生しなければ、対応できます。
※参考書籍 |
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Q254 | ジルコニアのメリット、デメリットは何ですか? |
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A254 | ジルコニア修復物は金属や他のグラスセラミックの修復物と比較して、次のようなメリット・デメリットがあります。 メリット1.溶け出しにくく、アレルギーを起こさない、アレルゲンにならない 2.透光性があり、色調再現が自在で審美性に優れる 3.価格が安い 4.熱伝導率が低い(エナメル質と同等)
デメリット1.CAD/CAM装置やシンタリングファーネスなどの専用の機械が必要 2.ロウ着ができない 3.口腔内装着後の撤去が困難 4.長期的臨床データが少ない
金属修復物のアレルギー、毒性、細菌付着性、グラスセラミックの強度の低さと比較すると、デメリットよりもメリットのほうが大きいと考えられます。
※参考書籍 |
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Q255 | 矯正治療中に向精神薬を服用したら、噛み合わせに変化が生じていると言われました。どうしたらいいですか? |
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A255 | 筋弛緩作用のある向精神薬を服用すると、舌の筋弛緩により新たな舌癖や低位舌などの機能異常が起こることがあります。その結果、歯列に加わる舌圧などに変化が生じ、歯列弓形態に変化をもたらすため、服用量が多いときに矯正治療を行ったとしても、噛み合わせを安定させることが難しくなる可能性があります。そのため、筋弛緩作用がある薬を常用する場合には、当該の専門医へ対診し、矯正治療の可否の判断と、薬の服用量の減少を確認した後に矯正治療を行う必要があります。また、治療終了後においても舌癖は残存することから、不均一は舌圧が加わったとしても歯列形態の変化が起きないように、固定式および可撤式リテーナーを用いて保定を強化することが重要です。
※参考書籍 |
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Q256 | マウスピース矯正装置のインビザラインはどんな症例に適していますか? |
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A256 | 「インビザラインの強みは、空隙閉鎖や前歯部の捻転改善、辺縁隆線の配列を行う能力だった。」 Djeu G, Shelton C, Maganzini A. Am J Orthod Dentofacial Orthop 2005; 128(3):292-298. ※参考書籍 |
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Q257 | ホワイトニングって薬剤さえあれば手軽に自分でできそうですよね? |
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A257 | 自己流のホワイトニングには要注意です。たとえば、むし歯があるのにそれに気づかず薬剤を使ったら、ひどい痛みや歯髄炎などのトラブルを引き起こしかねません。歯科医院では問診と診察、エックス線検査、そして十分な説明をしたうえで患者さんのお口の状態にあった安全で適切なホワイトニングを処方させていただきます。 ※参考書籍 「nico 2018.11 クインテッセンス出版」 |
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Q258 | オールセラミックとメタルセラミックの違いはなんですか? |
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A258 |
オールセラミックは金属を使わず全てセラミックで作り上げた物です。
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Q259 | デンタルX線でどのようなものを診ているのですか? |
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A259 |
1. う蝕の有無とその程度 歯の支持組織1. 骨の欠損と吸収の程度 ※参考書籍 |
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Q260 | 矯正治療後、多数歯に脱灰が認められると言われました。どうしたらいいですか? |
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A260 | 一般的な矯正治療でむし歯予防の対策を行っても改善が見られない場合、治療を中断して固定式装置(マルチブラケット)の撤去も考えられますが、抜歯治療の場合は空隙の閉鎖は最低限完了する必要があります。また、治療期間の短縮のため、歯の移動への反作用を考慮したうえ、治療メカニクスの変更も検討します。装置の清掃性への判断も重要です。その際、治療ゴールは妥協的にならざるを得ないことも患者さんおよび保護者には十分説明します。
※参考書籍 |
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