治療内容・方法について

Q151 歯根の治療って、じつはすごく難しいんだそうですね。なぜなんですか?
A151

小さな歯の、極細の神経のなかで暴れている細菌を、歯を傷めないように細心の注意を払い、しっかりと除去する治療だからです。
神経といっても、形や太さは人それぞれ。曲がったり、ねじれたり、枝分かれしていて歯科医師をおおいに手こずらせます。

※参考書籍 「nico 2009.4 クインテッセンス出版株式会社」

Q152 古い詰め物が取れて、ずっと放っておいたら反対側の新しい詰め物も取れちゃいました。歯医者さんの腕が悪かったのでしょうか?
A152

詰め物が取れたまま放置していると、反対側のも取れるのはよくあることです。噛み合わせの変化で力のかかり方が偏ったり、片方でばかり噛むために起こりがちなのです。腕が悪かったわけではないと思いますよ。

※参考書籍 「nico 2012.9 クインテッセンス出版株式会社」

Q153 インプラント周囲炎について教えてください。
A153

インプラント周囲炎とは、インプラント埋入後にインプラント周囲組織に炎症が起こり、歯肉の炎症や歯槽骨の吸収が起きる疾患です。

CT撮影によって、インプラント周囲にインプラント体に沿った骨吸収を確認できます。

また、慢性化すると骨吸収周囲に骨硬化様像が著しく見られます。

リスク因子

  1. 口腔清掃不良
  2. メインテナンスの欠如
  3. 喫煙
  4. 糖尿病
  5. 歯周炎の既往
  6. 歯周炎の存在
  7. セメントの滲出
  8. 上部構造の形態と設計
  9. インプラント体の破折
  10. インプラント―アバットメント接合部
     ※アバットメント…インプラントの上に入れる土台
  11. 角化粘膜の不足(ポケット2mmの場合は4mm以上)
  12. 粘膜貫通部の厚さ

 

インプラント周囲疾患の検査

  1. 診断基準
     ・プロービング 6mm以上
     ・BOP +
     ・排膿 +
     ・骨吸収 3mm以上
  2. 視診
  3. 触診
  4. プラークコントロールの評価
  5.  プロービング
     ・深さ
     ・BOP
     ・排膿
  6. X-ray
  7. 咬合診査
  8.  軟組織の診査
     ・角化粘膜幅
     ・粘膜退縮量
     ・粘膜可動性
  9. 残存歯の歯周病検査
     ・プロービング、深さ、BOP、動揺度、プラークコントロール、X-ray
  10.  アバットメント除去時の診査
     ・貫通部粘膜
     ・粘膜貫通部上部構造
     ・アバットメント
     ・アバットメントスクリュー
     ・インプラント体プラットホーム

 

治療方法

保存が困難であることから抜去の対象となります。
一般にインプラント頸部周囲の炎症症状ならびに骨吸収がある場合は積極的な処置を行います。
骨吸収があれば、インプラント周囲軟組織の掻爬(そうは)と再生療法を行う必要があります。

 

※参考書籍

 「画像診断に学ぶ難易度別口腔インプラント治療」
 編集 金田 隆
 著者 阿部 伸一、金田 隆、矢島 安朝、加藤 仁夫、月岡 庸之
 永末書店

 「3-stepと3-zoneで対応するサポーティブ・インプラント・セラピー」
 申 基喆 監、林 丈一朗 編著
 株式会社ヒョーロン・パブリッシャーズ

Q154 インプラント周囲炎の治療で、インプラントを保存する基準は何ですか?
A154

現在、インプラント周囲炎の治療では除去・保存の明確な基準がないことが問題となっています。このことはインプラント周囲炎の治療は除去が最も確立した治療であり、歯科医師によって治療方針が異なるからです。ショートインプラントの予知性から保存治療とするかを決定する考え方がありますので、ご紹介します。

(1)患者さんがインプラントの再手術を希望しない
(2)解剖学的問題(特に骨量)から再手術が困難である
(3)5mm以上の残存支持骨量を有すること
(4)炎症や感染のコントロールが可能な周囲組織(特に口腔前庭の位置)

以上の条件が満たされた場合、保存治療の対象とすることができます。

※参考書籍
 「KIT NEWS vol.38 NOV 2014」 京セラメディカル株式会社

Q155 入れ歯の取り扱いについて注意する点は何ですか?
A155

 入れ歯は、お口にピッタリ合うように薄く作られていますので、やさしく扱いましょう。 「落とさない」、「熱湯につけない」、「曲げない」、「乾燥させない」、「削らない」ということを守りましょう。取り扱いを間違えると破損します。注意してていねいに扱って下さい。
 
わからないことがあればスタッフまでご相談下さい。

河口

Q156 インプラントをしたあと、メインテナンスはなぜ必要なのですか?
A156

プロでなければ確認できないチェック項目が目白押しです。

1.視診・触診

歯ぐきが腫れていないか、プラークや歯石は溜まっていないか、膿は出ていないか、周囲の天然歯の健康状態は?などのチェックをします。

2.プロービング検査

炎症の有無をプローブで調べます。フィクスチャーとの結合を傷めないよう、軽いタッチで行います。出血したりポケットが3ミリ以上あると炎症が起きている危険信号。歯みがきの見直しや治療が必要になります。

3.染め出し

赤く染まったところは汚れの取れていないチェックポイント。その場所を確認していただき、歯ブラシやフロス、歯間ブラシが効果的に当たるようなテクニックを習得してインプラント周囲炎を予防します。

4.エックス線写真撮影

炎症が見られるときなど、必要に応じて適宜エックス線写真撮影をし、あごの骨が失われていないかを調べます。

5.噛み合わせのチェック

噛んだときにどこか当たる感じがあるなどの違和感がないか、偏った無理な力がかかっていないか、周りの天然歯が動いてはいないかなどのチェックをします。

6.ネジの緩みのチェック

毎日噛んでいるうちにパーツのネジが緩んでくると、隙間に汚れが入り込みやすく、炎症の原因になります。また、部分も傷みやすくなってしまうので定期的なチェックが必要です。

7.PMTC

軟らかいラバーカップやラバーチップを使い、研磨材の入っていないペーストでソフトにみがきます。歯間や歯ぐきのキワなど、セルフケアが不十分になりがちな場所や、患者さんが苦手なところのプラークコントロールを、プロのケアでお手伝いします。

8.スケーリング

骨との結合を促進させる加工がほどこされているので、傷めないようにカーボン製などの軟らかいスケーラーを使い、注意深く行います。

9.パーツの分解掃除

パーツの接合部のマイクロギャップは汚れの溜まりやすい場所です。また、ネジが緩んでいたりして、接合部からなかにプラーク汚れが入りこんでいるときは、パーツを分解して掃除をします。

インプラント治療に区切りはあっても完了はありません。
治療が終わって快適になったら今度は定期検診で会いましょう!

 ※参考書籍
 「nico 2012.1 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2007.2 クインテッセンス出版株式会社」

Q157 同じ治療なのに歯医者によって金額が違うのはなぜ?
A157

保険診療の場合であれば医院によって治療費が大きく変わることはありません。
しかし、インプラント治療や審美歯科治療などの自費診療の場合には、その医院が採用している治療内容や使用する素材などによって治療費が異なってきます。
これは、詰め物、被せ物やインプラントなどといった補綴物の製作を依頼している技工所の技術や設備等によっても異なることもあります。

河口

Q158 入れ歯を熱湯消毒してもいいですか?
A158

入れ歯は熱により変形する材質を使用していることがあります。熱湯(60度以上)に浸したり、掛けたりしないでください。

河口

Q159 どんな歯医者さんにかかるとよいですか?
A159

迷ったり考える時間を与えてくれて、患者さんにメリット・デメリットやほかの選択肢も示してくれる歯科医師がいいでしょう。インプラントは、その多くが手術の緊急性がありません。ご家族とじっくり相談なさることをおすすめします。セカンドオピニオン、サードオピニオンをとるのもよいでしょう。

※参考書籍 「nico 2007.2 クインテッセンス出版株式会社」

Q160 仮歯ってなぜ必要なのですか?
A160

仮歯はこんなに役に立ちます!

1.歯の移動を防ぐ

歯を削ると、周囲と歯のあいだに隙間ができ、ピタリと並んで支えあっていた歯が動き始めます。
仮歯がないと、歯がないスペースに両隣の歯が倒れ込んできたり、相対する歯が伸びてきたりするため、噛み合わせが悪くなってしまいます。
歯の移動は、意外と短時間でも起こるものです。周囲の歯が倒れたり出っ張ったりすると、できあがったかぶせ物が入らなくなったりして治療を妨げます。仮歯があれば、そういった歯の移動を防ぎ、歯並びや噛み合わせの調和を保つことができます。

2.さらなるむし歯を防ぐ

歯の表面のエナメル質はむし歯への抵抗性がありますが、その内側にある象牙質はむし歯に対する抵抗性があまり強くありません。そのため、エナメル質に穴があいた状態で長期間(1~2ヶ月以上)治療が続く場合に、仮歯がないと治療中の歯の内側に唾液といっしょにバイ菌が入り、新たにむし歯になってしまいます。仮歯は、治療中の歯にむし歯ができるのを防ぐことができます。

3.歯がしみるのを防ぐ

エナメル質を削って歯の治療をすると象牙質が露出します。
象牙質が露出すると歯の神経に直接刺激が伝わってしまうので、「しみ」や痛みが生じます。
ことに神経が生きている歯ではひどくしみます。。
仮歯は神経のある歯をさまざまな刺激(とくに温冷熱刺激)から保護し、歯がしみたりするのを防ぎます。
また、削った表面が汚れて、新たな炎症の原因になってはたいへんです。
つまり、仮歯はエナメル質の役目も担い、歯質を守ってくれるのです。

4.歯ぐきの変化を防ぐ

歯を大きく削ると、いままで歯にどかされていた歯ぐきが、削った分の空いたスペースに広がり、おおいかぶさってきます。かぶせ物を入れるときの邪魔にならたにように、また余分に広がった歯ぐきがこすれて炎症を起こしたり、汚れが溜まりやすくならないように仮歯を入れます。

5.グラグラの歯を固定できる

噛むたびにグラつく歯がある場合などに、何本か仮歯で歯をつなげて歯の固定を行うことができます。歯のグラつきを固定することで、安定した噛み合わせの治療や歯周病治療を行うことができます

6.見た目が変わらない

とくに前歯の治療中、歯がないと口もとの印象が悪くなってしまいます。治療の途中でも患者さんの印象があまり変わらないように仮歯を入れます。

7.食事がいつもどおりできる

治療中、食べることに支障が出ないようにするために、仮歯を入れます。例えば、奥歯の治療中に仮歯がないと奥歯で噛むことができません。また、食べたものがたくさん詰まったりします。極端に引っ付くもの(ガムなど)や硬いものは噛めませんが、ふつうの食事なら通常どおりできます。

8.見た目がよく、しかもいつもどおりおしゃべりできる

前歯の治療中に仮歯がないと、見た目が悪くなります。しかも歯のないところから息がもれて発音しづらくなります。仮歯があれば見かけも悪くなく、いつもどおりおしゃべりすることができます

※参考書籍
  「nico 2008.9 クインテッセンス出版株式会社」
  「nico 2007.5 クインテッセンス出版株式会社」

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