歯・お口の状態について

Q401 歯並びが悪いと噛み合わせも悪いのですか?
A401

歯並びの見た目は悪くても、機能的に大きな問題はありません

歯並びが悪い=噛み合わせが悪い、は間違った認識です。もともと尖っていた人間の歯は、使うごとに噛みやすいように表面がすり減り調整されていきます。見た目の悪さほど不便はないはずです。それなのに、アゴの発育期が終わった大人になって歯列矯正をすると、適合していたはずの噛み合わせにズレが生じて顎関節症になってしまうこともあります。「また最近では、顎関節症の治療に用いるスプリントもアゴに悪影響だといわれています」。18歳以上のアダルト矯正、スプリント治療は専門医とよく相談しましょう。

※参考書籍
 「anan(アンアン) 2004年 9月29日号」
 丸茂 義二先生 株式会社マガジンハウス

Q402 顎関節症のチェック方法を教えて下さい。
A402

今は平気でも突然起こる可能性もあります。

顎関節症予備軍度をチェックしてみましょう。

  1. 毎日6時間以上睡眠をとっている
  2. 食べることが大好きで、食事はお腹いっぱい食べるほう
  3. ヒールの高い靴が好きでよく履いている
  4. 歩くより走るのが好き
  5. 首をぽきぽき鳴らすクセがある
  6. 硬い食品やフランスパンが好き
  7. 甘いものをよく食べる
  8. 高い枕で寝ている
  9. よく長電話をする
  10. 少しでも体調が悪いとすぐ病院に行くほう
  11. 現在ストレスがたまっている&ためやすいほう
  12. 通勤以外で歩くことがあまりない
  13. 寝転がってテレビや本を見ることが多い
  14. ご飯は数回噛んで飲み込んでしまう
  15. 歩く時はついダラダラ歩いてしまう
  16. 脱力してすぐ寄りかかったり座りたくなる
  17. 座っている時は足を組んでいることが多い
  18. 鼻ではなく口で呼吸しがち
  19. 腹式ではなく胸式呼吸をしがち
  20. 体重の変動が大きい

 

YESの数 判定 コメント
4個以下 あなたはまず大丈夫 今の生活習慣を保っていれば顎関節症になる心配はありません。このまま正しい生活を送り、健康をキープして下さい。
5~12個 油断していると突然起こる? このままの生活習慣では、ゆくゆく顎関節症が起こる可能性大!今の生活をよく見直して、できることから改善しましょう。
13個以上 明日にでも起こる危険性が! あなたの今の生活習慣は、確実に顎関節症を引き起こします。痛くなってからではもう遅い!今すぐに生活態度をあらためて!

 

※参考書籍
 「Say(セイ) 2003年 11月号」
 丸茂 義二先生 青春出版社

Q403 食事のときテレビを見ることはよくないと聞きましたが本当ですか?
A403

噛み合わせにとって、テレビを見ながらの食事はよくありません。とくに横向きの姿勢は、噛み合わせに悪い影響を与えます

横向きでテレビを見ながら食事をしていると、目と首の動きにつられて、上顎はテレビの方を向いていますが、下顎は完全にその方向を向いておらず、上顎と下顎の位置、すなわち噛み合わせにずれが起こり、上と下の歯は、ずれた状態で接触してしまいます。毎日横向きでこのようなことをしていると、上の歯の裏側と下の歯がずれた状態で歯の磨耗が起こり、その結果顎がずれた状態で噛み合わせが合うようになっていきます

一度顎がずれた状態で噛み合わせが固定すると、今度は横向きで食べることに違和感がなくなります横を向くと顎はずれているが歯は噛み合っていて、正面を向くと顎はずれていないが噛み合わせがうまくいかないという状態になってしまいます。

したがって、噛み合わせをよくするには、成長期から正しい姿勢で食事をすることがとても大切なのです。

これと同じように、悪い姿勢が原因で、腰の具合が悪い、首が痛い、肩が凝るなどの症状が現れている場合、根本的な原因を治さずに顎だけに注目して正しく使おうとしても、よい噛み合わせをつくることはできません。生活習慣の乱れや悪い姿勢は噛み合わせをどんどん悪い方向にもっていってしまい、一度悪くなるとなかなか元には戻りません。噛み合わせは、日頃の生活習慣や姿勢の良し悪しなどによって、日々つくられているということをよく認識し、日頃からよい生活習慣とよい姿勢を身につけるようにしましょう。

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

Q404 細菌と臭いの関係性について教えて下さい。
A404

私たちの身の回りを見渡してみると、臭いの原因に細菌がかかわっていることが多いことに気づきます。生ゴミの臭いは、生ゴミを材料に細菌が生み出したものですし、私たちが夏場、汗臭くなるのも細菌の仕業です。本来汗は無臭なのですが、皮膚の表面に棲みついている細菌が汗を材料にして臭い(つまり、ガス)を作り出しているわけです。その証拠に、風呂上がりに汗をかいても汗臭くありませんが、時間がかなり経つと若干臭くなってきます。これは風呂上がりには細菌自体が少なくなっていて汗を臭いにできませんが、時間が経って細菌が増殖しだすと汗を分解できるようになるからです。

口臭も、基本的に細菌が生み出しているガスが原因です。歯周病で強い口臭のする人でも、悪いのは細菌なのです。ニンニクや玉ネギなど、飲食物そのものに臭いの原因が内在しているものもたしかにありますが、口臭のほとんどは“口腔内の細菌が生み出したガス”が原因です。また、口臭の原因を胃腸などの内臓や糖尿病などの病気のせいにする患者さんもおられますが、これらの可能性は数%なのです。やっぱり、悪いのは口腔内の細菌なのです。

材料 + 細菌 = 臭い

臭いは“ある材料”を“細菌”が分解した結果、発生することが多いです。

※参考書籍 「ペリオバカ養成講座~学びの門戸を開くための100の質問~」
      山本浩正 著 医歯薬出版株式会社

Q405 “かみぐせ”は治したほうがよいのですか?
A405

噛み方にもクセがあります。左右の歯でバランスよく噛むのではなく、主として片側だけで噛むようなクセです。この“かみぐせ”は、治すべきかそのまま放っておいてよいのでしょうか?結論から先にいうと、治すにこしたことはないのですが、大人で“かみぐせ”はあるけれど噛むときの姿勢はきちんとしているという場合は、そのまま放っておいても大丈夫です。このような人の場合、長年に渡ってつくられてきたその人なりのバランスを無理に治そうとすると、かえって身体に負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあるためです。

骨や筋肉の発育における左右差には、成長する過程で姿勢の良し悪しが深く関係しています。ですので、片側で噛んでいることもまた、いままでの日常生活における姿勢のあり様の結果と考えることができるのです。そのため、根本的な原因である日常生活を正すことをしないで噛み方だけを変えようとすると、かえって無理をすることになり、顎関節症のような症状が現れてくるのです。

子供の頃から左右の偏りのない正しい姿勢で生活することは、左右の顎をバランスよく使うために必要なことです。しかし、すでに骨格の固まった大人が、生活様式はそのままで、噛み方だけ変えることは問題がすり替えられているだけのように思われます。

普段の姿勢に問題がある人の場合は、噛み癖を治すより先に姿勢を正すことの方が根本的かつ全体的な治療になります。そして姿勢がよくなってくると、噛み癖も良い方向に変わってくるのです。

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

Q406 いすに座って足を組むとどんな悪影響があるのですか?
A406

足を組んでいすに座ることは歯の噛み合わせを悪くする原因になります。実際に、足を組んだ姿勢で歯を噛み合わせると、足を組んでいないときに比べて顎の位置がずれてしまうことが明らかになっています。コンピューターで解析すると、足を組んでいないときと比較すると、足を組んでいるときは歯の接触面積は半分以下、噛む力も半分以下になるという結果がはっきりと出ています。

このように、いすに座って足を組んだ状態で食事をしたり、ガムを噛んだりしていると、顎関節にずれが生じ、噛み合わせがおかしくなってきます。また、顎関節のずれは、肩こりや首の痛みの原因にもなりますので、いすに座るときは、足を組むことをやめ、身体への負担が少なく、見た目にも美しい姿勢で座るようにしましょう。

■こんな座り方していませんか?

悪い座り方

脚を組んで膝を内転させていますが、ポーズを作るために肩と腰椎、さらに足首も外旋させるモデル座りは大きな負担がかかります。真似をするのはやめましょう。肘掛けにもたれたり、足を投げ出したりするのもよくありません。

■美しくいすに座るためのポイント

・自然な形で背もたれに腰を当てる。

・深く腰掛ける。

・首すじをぴんと伸ばす。

・胸を張り、顎を引く。

・足をそろえてまっすぐ下へ。かかとを床につける。

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

 「Tarzan 2016年2月11日号」
 株式会社マガジンハウス

Q407 楽器演奏や運動と顎関節症の関係を教えてください。
A407

楽器を演奏したり、運動をするには基礎体力が必要です。ここでいう基礎体力とは、重力に抗して、よい姿勢でいることができる体力のことを指します。

基礎体力がないにもかかわらず、無理をして楽器を演奏したり、過激な運動をしたりすると、全身の骨格にゆがみが生じ、顎の関節にも悪い影響が出てきます。

例えば、楽器の演奏でいえば、あまり力を入れなくても演奏できる楽器ならよいのですが、トランペットのように下腹部や口元にかなり力を入れなければならない楽器の演奏や、ブラスバンドで重い太鼓を持たなくてはならないような場合などは、上半身をそらし、全身に力を入れなければなりませんから、腰や首ばかりでなく、全身に大きな負担がかかります。

そのため、ブラスバンド演奏で有名な学校では、楽器の練習の前に、まず腹筋運動をしたり走りこみをしたりして、基礎体力をつけることからレッスンを始めるとのことです。

中学校の学校歯科医として活動していた竹中正敏さんは、平成7年から追加された顎関節の診査で、「吹奏楽部の生徒に顎関節の異常が多く見られる」ということに気づいたそうです。また、詳しい調査で「弦楽器ではその演奏姿勢から、バイオリンやヴィオラ奏者に顎関節障害が多く見られる」、「声楽でもその最大開口量の大きさや長時間の開口が顎関節に悪影響を及ぼす可能性がある」などの報告も見つかったようです。顎のオーバーワークにはプレイ後のアイシングが効果的です。また、休みを入れながらの演奏練習をしましょう。ウォーミングアップやクールダウン、ストレッチングやマッサージは期待されているほど効果が出ないことも分かっています。

 

楽器の演奏だけでなく、運動にも気をつけなくてはなりません。「最近、運動不足だから少し運動をしなくては・・・」などと思って、いきなり激しい運動を始めたりすると、とたんに顎関節の調子が悪くなることがあります。また、運動部に所属している人では、「もうすぐ試合があるからがんばらなくては」ということで、一生懸命練習したことが原因で、顎関節症になるなどということもあります。

よい姿勢を身につけるには、毎日適度な運動をして、首、腰、大腿部などの筋力を鍛えることが大切ですが、過度な運動は禁物です。くれぐれも注意しましょう。

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

 「筋の生理から運動指導・手技療法まで 歯科臨床が変わる筋機能学こと始め」
 竹内 正敏  砂書房

Q408 歯周病に伴う臭い対策を教えてください。
A408

あくまで歯周治療がベースであり、付加的に舌清掃や洗口を考えます。
口腔乾燥があればその対策は必須です。

歯周病に伴う臭い対策

※参考書籍 「ペリオバカ養成講座~学びの門戸を開くための100の質問~」
      山本浩正 著 医歯薬出版株式会社

Q409 歯周病はどこから感染するんですか?
A409

「歯周病菌の感染ルートは不明ではない」とは言えますが、「歯周病菌の感染ルートは明らかにされた」わけでもありません。
Aさんの口の中に歯周病菌が見つかったとしましょう。この歯周病菌は、どこからどのようにやってきたのでしょう。歯周病菌は嫌気性菌ですが、体の中で嫌気性の常在菌がいるところといえば腸内が最初にあげられます。実際、歯周病の原因菌として非常に有名なP.g.菌(Porphyromonas gingivalis)の親戚にあたるバクトロイデス属は、腸内細菌の半分を占める上得意様です。そのため、P.g.菌は腸内からやってきた、というようなストーリーも考えられますが、証明されていません。となると、Aさんと仲のよいBさんから歯周病菌が移った、というのはどうでしょうか?これは十分ありえることです。しかし、細菌の伝播は現行犯逮捕できません。AさんとBさんが「そんなことをしたら移るんじゃないの?」というのはあるかもしれませんが、それでも歯周病菌の伝播は目では見えません。そのため、AさんとBさんが全く同じDNAの歯周病菌をもっているかどうかを調べることになります。そういう調べ方をすると、2つのことがわかりました。1つは「歯周病菌はコンタクトする機会の多い人同士で共有することが多い」ということ。そしてもう1つは「歯周ポケット内で見つかる歯周病菌の多くが唾液でも見つかる」ということ。これで歯周病菌の感染ルートの1つに“唾液”が注目されるようになってきたのです。やっぱりAさんとBさんは怪しい・・・。

伝播 → 定着 → 感染

伝播は感染の前提条件です。伝播しても特定の部位で定着し、病原性を発揮しなければ感染に至りません。

※参考書籍 「ペリオバカ養成講座~学びの門戸を開くための100の質問~」
      山本浩正 著 医歯薬出版株式会社

Q410 歯周病は必ずかかる病気なのですか?
A410

歯周病は必ずかかるわけではありません。歯周病の多くは、原因であるプラークや歯石を日頃の歯磨きや、定期的な歯科検診などを受けることにより除去することで予防できます。

予防できない歯周病もありますが、遺伝性の病気など、非常に特殊な場合です。

※参考サイト 「日本歯周病学会」

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