歯・お口の状態について

Q391 顎関節症の治療において、自分でできる療法はありますか?
A391

患者さん自身ができる療法として対象となるものは主に筋肉です。
次のような目的があります。

1.筋肉を協調的に働かせること

2.間違った筋肉の使用法を矯正すること

3.動きの悪い関節の動きをよくすること

4.筋肉のリラクゼーションを覚えること

5.運動のスピードを増すこと

 

具体的には、「筋機能療法」、「筋肉のマッサージ」、「等尺性筋訓練法」などがあります。

Q.筋機能療法(トレーニング方法)について教えてください。

Q.筋肉のマッサージについて教えてください。

Q.等尺性筋訓練法について教えてください。

 

 

※参考書籍
 「美しい表情は噛み合わせから」 
 稲葉歯科医院顧問 元日本歯科大学教授 稲葉 繁
 稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子

Q392 筋肉のマッサージについて教えてください。
A392

顎関節、その周りの筋肉の痛みや機能障害を訴える患者さんは、噛むときに使う筋、首や肩の筋に強い緊張を伴うことが多いです。このような場合、筋肉のマッサージは血流を促進し、筋肉を弛緩させ、緊張を取り去り、筋肉が協調的に働くことを目的としています。

筋肉は付着部位や形態が各々異なるため、それに応じたマッサージ方法が必要です。必ず左右対称に行い、疼痛を生じない程度の力で各筋肉を丁寧にもみほぐさなければいけません。マッサージはそれぞれの筋肉に3分から5分、1日3回行います。特に入浴時は効果的です。

 

1.咬筋のつまみマッサージ

咬筋、内側翼突筋(噛むときに使う筋肉)のマッサージで、親指と人差し指を用い、下顎は力を抜き、痛みを感じるか感じないかという力で約3分間揉みほぐします。

 咬筋のつまみマッサージ

2.後頸筋の回転マッサージ

後頸筋(首の後ろの筋肉)は後頭部のうなじの部分をわずかに頭を前に傾斜させ、人差し指、中指、薬指を用いて大きく円を描くように回転させながらマッサージします。

後頸筋の回転マッサージ

 

3.側頭筋の母指球マッサージ

側頭筋(左右頭の横にある筋肉)は頭をわずかに前傾させると共に下顎は安静位をとり、すべての筋の緊張を緩め、親指の付け根の大きなふくらみで痛みが感じない程度の力を用いて回転圧迫を3分間行います。

側頭筋の母指球マッサージ

 

4.その他

胸鎖乳突筋(首を左右に回す筋肉)のツマミマッサージも行うと首の柔軟性を得るために有効です。同時に頭の回転運動、柔軟運動も加えるとさらに有効です。

乳鎖乳突筋のツマミマッサージ

 

※参考書籍
 「美しい表情は噛み合わせから」 
 稲葉歯科医院顧問 元日本歯科大学教授 稲葉 繁
 稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子

Q393 筋機能療法(トレーニング方法)について教えてください。
A393
STEP1 正しい舌の位置を覚える

舌の先を前歯の切歯、やや後方にあてる練習をします。

(この部分はスポットと呼ばれ、発音や唾を飲み込む際、舌の先を圧接、続いて舌の中央部に持っていくための重要なポイントになるところです)

この時、矯正で使用するゴムを舌の先に置き、これが唾を飲み込むときに後方へ移動していないかをチェックします。舌を前に出す癖があるとゴムが後方に移動しますので、舌の癖があるかどうかのチェックに有効です。

↓スポットの確認

筋機能療法トレーニング スポットの確認

↓嚥下後にゴムが動いてなければ正しい嚥下が行われています

 嚥下後のゴムの確認

STEP2 舌の中央部の上顎(口蓋)への圧接

常に舌の先がどのような状況下でもすばやくスポットへの圧接が完全にマスターできているか否かを調べます。舌中央部の口蓋への圧接も最初はエラスティックバンドを使用し、唾を飲み込んだ後、鏡により移動がないことを確認します。

 

STEP3 舌の先、舌中央部、舌後方部の口蓋への圧接

舌全体を口蓋上部に吸い付けたまま、下顎の開閉運動を行わせます。この際、舌小帯が一直線に真っ直ぐ張られていることを認識してもらい、上下顎の歯をかみしめていただき、ゆっくり唾を飲んでもらいます。

 

STEP4 舌の先をスポットにあて、舌全体を口蓋に圧接

さらに、臼歯を噛みしめてゆっくりと唾を飲む訓練を行います。また、食物を噛む際スピードを徐々に増加し、リズミカルに噛み、唾を飲む訓練をします。練習する際は、デンタルフロスを下顎の犬歯と小臼歯にはさみ、これに舌が触れないように唾を飲みます。これができるようになれば完了です。

効果的に行うには、目立つ色のリマインダーマーカーやシール等を自分の生活の中で頻繁に目に付くところ、例えばドアのノブやテレビの前、机の上などに張り、これを見た瞬間に舌の先をスポットにあて、さらにゆっくり唾を飲むようにします。これが反射的にできれば効果はさらに上がってきます。

 

STEP5

正しい唾の飲み方と舌の使い方が無意識にできるように日常の習慣づけを行います。

 

※参考書籍
 「美しい表情は噛み合わせから」 
 稲葉歯科医院顧問 元日本歯科大学教授 稲葉 繁
 稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子

Q394 口腔顔面痛の治療とはどのようなものですか?
A394

あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長  コメント

「歯や顎、舌など口の中の原因不明の痛みに対して、内科的なアプローチで治療を行います。風邪をひいたからと言って外科に行かないのと同じで、口の中やその周辺の痛みに対して、投薬や理学療法などで対処します。」

※引用サイト
 Doctors File あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長

Q395 抜歯後に上顎洞口腔瘻が形成されやすくなる原因として、どのようなものがあるでしょうか?
A395
  • 歯根と上顎洞との近接、大きな上顎洞形態
  • 難抜歯、歯根の肥大や彎曲
  • 歯根肉芽腫や歯根嚢胞のような根尖病巣
  • 歯周炎や歯内-歯周病変による骨吸収
  • セメント質増殖症
  • 局所感染もしくは腐骨
  • 易感染症(例:糖尿病)
  • ドライソケットもしくはその他の治癒不全
  • 加齢
  • 上顎洞内にすでに存在している病変(これが重要な要因であることはほとんどない)

※参考書籍
 「66症例に学ぶ 歯科臨床の問題解決」
 Edward W. Odell 医歯薬出版株式会社

Q396 歯が白く濁って1か月くらい経ちますが、元に戻りますか?
A396

「1か月かかってできた脱灰病変を再石灰化するには約3倍の3か月かかる」と言われています。白く濁っていることに気づいてからでなく、歯が白く濁り始めたときからの時間の経過によりますので、はっきり元に戻るかはわかりません。

Q397 顎関節のゆがみを改善するために気をつけたらよいことはありますか?
A397

以下の生活習慣を見直すことで改善できます。

1.1日3食、腹6~8分を守って

規則正しく生活するためにも、1日3食という基本原則は厳守しましょう。食事時間をしっかりとれば、生活リズムの乱れを防げるはずです。だから当然、間食は厳禁です。料理のジャンルは、日本人の歯やあごの構造に合うように考えられている和食がベストです。

2.睡眠時間は7時間以内に

休日の日は寝だめしようと一日中ゴロゴロしていませんか?まず、休日もいつもと同じ時間に起きるということが基本です。「7時間眠れば十分」なのです。寝ている間の姿勢にもクセがあり、長く寝れば寝るほど体に悪影響がでます。「眠り以外には寝ない」も鉄則です。

3.1日1万歩以上しっかり歩く

東京の成人サラリーマンの平均歩行量は1日7700歩だそうです。デスクワークが多いOLならその半分もいかないと思います。足の筋肉が衰えると、体がゆがみ、あごにもダメージが来ます。ダラダラ歩きはノーカウントです。両手を振って毎日1万歩を目標にしましょう。

4.甘いものや酒はほどほどに

体によくないとわかっていても、つい手が伸びてしまうものには要注意です。ストレスや精神状態のゆがみで、簡単にストップがかけられなくなるのがこの類の嗜好品です。甘いものやお酒は食事のサイクルを狂わせ、余分な脂肪や糖分までも摂取することになってしまいがちです。なるべくなら手を出すのをやめましょう。

5.無理な運動、過剰な運動はしない

運動とはそもそも無理な姿勢を強いるものです。成長期にひとつのスポーツだけをやらせることが禁止されていたときもあったと聞きます。大人とはいえやりすぎは禁物。普段忙しくてできないから、休日はムキになって過剰な運動をしてしまうこともあるでしょう。ムリな姿勢や動きは全身不調の原因になります。

6.○○しながら●●しない、「ながら」行動は絶対NG!

例えば、食事をしながらテレビを見るという行為。当たり前のようにやっているのではないでしょうか?横を向いて食べれば、あごの筋肉にゆがみが表れてしまいます。食べることに集中できないから咀嚼もおろそかになってしまいます。なによりも行儀も悪い行為です。どんな“ながら”作業もゆがみの原因です。

※参考書籍
 「Hanako(ハナコ) 2005年 1月12日号」
 丸茂 義二先生 株式会社マガジンハウス

Q398 糖尿病と歯周病の関係性について教えてください。
A398

糖尿病だと歯周病になりやすいことはご存知のかたも多いかと思います。

厳密にいうと、糖尿病に併発する歯周病は、糖尿病が原因で発症するものではありません。糖尿病による免疫系機能障害、末梢血管循環障害などが歯周病を引き起こします。

つまり、免疫機能が低下するため、細菌感染を起こしやすくなるからです。歯周病は細菌感染によって起こる病気で、そのため糖尿病のかたは歯周病になりやすいのです。

糖尿病になるとからだの抵抗力が落ちるため歯周病などの細菌感染が起きやすいのです。

最近の研究では、その逆で、歯周病で糖尿病が悪化しやすいことも解明されつつあり注目されています。
歯周病菌の出す毒素とからだの免疫機能が戦うと、インスリンの働きを鈍らせる物質が出て、血糖値のコントロールが難しくなるからだと考えられています。
どうやら、歯周病と糖尿病は双方向に悪さをし合っているようです。
運動しても食事療法をしても糖尿病がよくならなかった人が、歯周病の治療をしたら血糖値が下がったなど糖尿病のデータが改善した、という研究結果が出ています。
糖尿病のかたは歯周病の治療もお忘れなく!

歯周病を取りまく背景と、糖尿病を取りまく背景は酷似しています。
食事や運動、ストレス、喫煙などのライフスタイルは共通項です。
ですので、歯周病だけよくなって糖尿病は悪くなるとか、歯周病は悪化の一方だけど糖尿病はずいぶんよくなった、というようなことは起こりにくいのです。
つまり、“ライフスタイル”という視座に立つと、糖尿病と歯周病はよくなるときも悪くなるときも同じ方向を向いていると考えられます。

糖尿病と歯周病の関係性

糖尿病になると、歯周病の発症が2.6倍((1))、歯槽骨の吸収度が3.4倍((2))になると報告されています。

歯周病は糖尿病に限らず、心筋梗塞、動脈硬化などを悪化させることもわかってきています。
お口の健康はもちろん、全身の健康のためにも、歯周病の治療を早期にはじめましょう!

※参考書籍
 「nico 2013.4 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2011.9 クインテッセンス出版株式会社」
 「ペリオバカ養成講座~学びの門戸を開くための100の質問~」
  山本浩正 著 医歯薬出版株式会社
 「nico 2011.5 クインテッセンス出版株式会社」
 「歯周治療の指針2015」
 特定非営利活動法人 日本歯周病学会

Q399 噛み合わせの悪さが肩や腰のコリにも深い関わりがある?
A399

噛み合わせのせいで肩コリになるというよりも、肩コリを起こす生活習慣の人は、顎にも無理な力をかけていて、その結果、噛み合わせが悪くなる、ということです。

女性なら、ハイヒールを履く、脚を組むといったあらゆる生活習慣が、顎への悪影響に。

なかでも、食事中の姿勢の悪さは何とかしないと。洋食ではテーブルに置いた皿に口を近づけ、うつむいて食べています。咀嚼面が斜めに傾いて、顎関節に負担がかかるんです。和食ならお茶碗を口元に運んで、背筋を伸ばして食べるでしょう。あの姿勢が本当はいいんです。

※参考書籍
 「anan(アンアン) 2004年 9月15日号」
 丸茂 義二先生 株式会社マガジンハウス

Q400 左右均等に噛んだほうがよいのですか?
A400

体の歪みを補う“利きアゴ”をムリに直すとアゴが悲鳴をあげます

よく耳にする「偏った噛み癖が顎関節症を招く」という話。それにはちょっと誤解があります。人間の体は左右どちらかに歪んでいるものですが、それを補うために派生したのが“利きアゴ”。「右ばかりで噛んでいた人がある時から無理に左で噛むと、アゴが痛い、口が開かないといった顎関節症に繋がる危険性が。利き手があるように、“利きアゴ”もあっていいのです。」

※参考書籍
 「anan(アンアン) 2004年 9月29日号」
 丸茂 義二先生 株式会社マガジンハウス

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