歯・お口の状態について
Q241 | 咬み合わせが悪いと骨が溶けるって本当ですか? |
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A241 |
歯槽膿漏にやられるのは、確かに歯一本ずつです。けれど歯は、上下で咬み合っています。それも奥歯ではっきり分かりますが、単純に上一本と下一本が咬み合うのではなく、上下が微妙にズレていて、噛むときには一本の歯が、上下反対側の二本ずつの相棒(対合歯)と咬み合います。 さらに歯は、隣同士も接触し、もたれ合っています。だから咬合が一か所変化すると、上下も前後(左右)も影響して、ズレた同士がまた上下でぶつかり合い、歯列全体に影響が広がります。そのため、一本の膿漏歯を治すためにでも、その上下反対側の歯や前後(左右)の広い歯列の嚙み合わせを診る必要があります。
※参考書籍 |
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Q242 | 前歯に大きなむし歯ができて大ショックです。神経を取って被せることになったのですが境目が変色しない被せものにするにはどうしたらいいでしょう? |
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A242 | 神経を取るとは、本当に残念ですね。境目の変色を完璧に防ぐのは難しいですが変色のリスクを大幅に減らせるのはオールセラミッククラウンです。金属の影響を受けずにすみます。 |
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Q243 | 早期接触って何? |
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A243 |
非常に多いケースですが、歯が一本だけ浮いて少し背が高くなり、噛むたびにその歯が他の歯よりも一瞬早くぶつかることをいいます。
※参考書籍 |
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Q244 | 早期接触って問題なんですか? |
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A244 |
一瞬ですが、早いことが大問題になります。 噛むとき歯同士がぶつかり合う力は非常に強く、普通はこの力が、上下のあごにそれぞれ十四、五本ある歯に分散されていますが、早期接触が生じると、浮いた歯が一身にこの力を受けます。 早期接触がよく見られるのは、修復物―詰め物・冠・差し歯・入れ歯などが合っていない場合です。修復物が高ければ、すぐに早期接触が起きて「当たる」感じになります。逆に修復物が低い場合は、他の複数の歯にジワジワと早期接触が起こります。これはゆっくり発生するために、患者さんが気づきにくいという問題があります。修復物のための早期接触で、膿漏が悪化しているケースは大変多くあります。よほどよく注意して修復してくれる歯科医にかからないと、大切な残存歯に高い確率で咬合異常が起こります。 歯が抜けたままだと、自然に片側で嚙む癖がつきます。この噛み癖(片噛み)で咬合の中心が狂い、「噛む側の歯列」の第一小臼歯や、噛まない側の第二大臼歯などが、軽い早期接触を起こしていることもあります。これらの歯が歯槽膿漏になりやすいのは、ある意味で早期接触が基盤となっているとも言えるでしょう。
※参考書籍 |
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Q245 | 歯の寿命について教えてください。 |
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A245 |
個人差、性別による差などがありますが、図を参考にしてください。 ※参考書籍
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Q246 | 歯周治療と矯正治療を同時に行っても大丈夫ですか? |
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A246 | 「歯周治療と矯正治療を同時進行で行っても、歯周治療完了後に矯正治療を行っても、歯周組織の治癒に差異がなかった」という研究報告があります。 Eglė Zasčiurinskienė, Nomeda Basevičienė, Rune Lindsten, Christer Slotte, Henrik Jansson, Krister Bjerklin: Orthodontic treatment simultaneous to or after periodontal cause-related treatment in periodontitis susceptible patients. Part I: Clinical outcome. A randomized clinical trial. Journal of Clinical Periodontology, 45(2): 213-224, 2018. ※参考書籍 |
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Q247 | 歯周病に罹患していますが、広範囲のブリッジは大丈夫ですか? |
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A247 | 「歯周炎患者に広範囲のブリッジを装着した場合でも、適切なSPTを続ければ長期的に良好な予後が得られる。」という研究報告があります。 Alexander Heschl, Michael Haas, Josef Haas, Michael Payer, Walther Wegscheider, Raoul Polansky: Maxillary rehabilitation of periodontally compromised patients with extensive one-piece fixed prostheses supported by natural teeth: a retrospective longitudinal study. Clinical Oral Investigation, 17(1): 45-53, 2013. SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
※参考書籍 |
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Q248 | 知覚過敏の治療ってどう進める? |
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A248 |
ひとくちに「しみる」といっても、生活習慣を変えるだけで治る軽度のものから、神経を取らなければならない重度のものまでさまざまな症例があります。そこで、まずは小さな治療法から試し、それでも治らない場合のみ、より大きな治療へと駒を進めます。知覚過敏の治療は段階的に、しかも可及的すみやかに進めます!
【STAGE1】自然治癒を促す。生活の中に隠れたリスクを発見&改善しましょう。
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Q249 | むし歯の治療をしてもしばらくするとそこがダメになり、また次の治療が必要になってしまいます。どうしたら今の状態から抜け出せるのでしょう? |
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A249 | エナメル質を削って治療した場所はその分細菌や酸が入り込みやすいのです。 お口の環境を根本的に改善し、治療後の経過をチェックするために定期的なメインテナンスがお役に立ちます。 ※参考書籍 「nico 2009.2 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q250 | 小児の一次性ヘルペス性口内炎には、補液と栄養摂取だけがよいのでしょうか? |
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A250 |
抗ウイルス薬の使用により発症期間を短縮し、症状を緩和させることが望ましいでしょう。 研究より、小児の一次性ヘルペス性歯肉口内炎患者に対して、抗ウイルス薬を使用することで、有症日数を短くし、症状の程度を緩和できる可能性があることがわかっています。 一次性ヘルペス性歯肉口内炎に対するアシクロビルの効果についてのコクランレビュー
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