歯・お口の状態について

Q161 歯周病の治療はどのくらいの期間がかかるの?
A161

歯周治療は歯ぐきの治り方やブラッシングの状態を確認しながら、次のステップの治療へ移行します。初期の歯肉炎であれば、比較的短期間で終了することもありますが、中等度以上の歯周病の場合には病状の程度にもよりますが、比較的長期にわたることが多い傾向にあります。治療後も引き続きメインテナンスが不可欠で、定期的な検診が必要です。

※参考サイト 「日本臨床歯周病学会」

Q162 朝起きてすぐは、口がくさい気がします。口臭って、時間帯によって増えたり減ったりするのでしょうか?
A162

唾液が減ると口臭が増えやすいのです。
就寝中は唾液の分泌が減るので朝の起床時には、健康なかたでも少し硫黄のようなにおいがします。ストレスの強いときも口臭が増えます。生理的口臭程度なら、食事で減らすこともできます。

※参考書籍 「nico 2010.11 クインテッセンス出版株式会社」

Q163 キシリトールは体に影響はありますか?
A163

歯に悪い影響がないとはいえ、血糖値コントロールという意味では、キシリトールも取りすぎは禁物です。

口腔内の細菌はキシリトールを使うことができなくても、人体の代謝の中では使われます。このため、多量に摂取すれば血糖値も上がりますしインスリンも分泌されます。

※参考書籍
 「薬に頼らず血糖値を下げる方法」
 水野雅登  アチーブメント出版

Q164 歯を抜く原因はなんですか?
A164

抜歯にはいくつか原因があります。

1.むし歯(う蝕)

むし歯は、口のなかに常在している細菌の感染により歯質が軟らかくなり、崩壊していく病気です。
神経を除去していると痛みがなく気付かないため、知らない間に侵食されていることがあります。

2.歯周病

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。

3.事故

交通事故、転倒、喧嘩など物理的な外傷力によって抜歯しなければならない場合もあります。

4.歯並び(歯列不正)

歯並びは抜歯のみで解決することは少なく、矯正治療が必要である場合が多いです。

5.医原性

かぶせものが適合していないなど、医原性により抜歯にいたる場合もあります。

6.かみ合わせ(咬合)

歯ぎしり・食いしばり・食生活などから発生する咬合性外傷や過大な咬合力により、歯根が破折したり咬合面が磨耗したりします。このことが影響して抜歯しなければならないこともあります。

抜歯の2大疾患は虫歯(う蝕)と歯周病です。
いずれの疾患も普段の歯の手入れや定期的な診断により予防することが大切で、歯を失う原因の早期発見・治療を心がけるようにしてください。 

Q165 痛くないのにむし歯といわれました。本当にむし歯なんですか?
A165

むし歯には慢性のむし歯急性のむし歯があります。
慢性のむし歯の場合、長い時間をかけてゆっくりと進行していくため、痛みを感じることがなく、気が付いたときには神経にまでむし歯が及んでいることもあります。
また、神経を取っている歯、神経が死んでいる歯についても、どんなにむし歯が進行していても痛みを感じることはありません
むし歯が進行すると最終的には歯を抜かなければならないこともありますので、ご自宅でしっかりケアしていただくとともに、初期の段階(初期虫歯)で発見・治療できるよう歯科医院での定期的なチェックをおすすめします。

倉岡

Q166 歯周病が治ると根面う蝕が多発するのですか?
A166

根面が露出すると根面う蝕のリスクが高まります。

歯周治療そのものが問題ではないからといって、歯周治療時に根面う蝕に配慮しなくてもよいというわけではありません。できることなら、予防や初期の歯周炎のうちに治療を行い、できるだけ根面の露出をさせないほうがよいでしょう。

しかし、中等度以上に進んだ歯周炎では、治療後に根面がどうしても露出してしまいます。初診時の検査の段階で治療後に根面の露出が予測されるのでしたら、う蝕リスクを判定し、歯周基本治療時の口腔衛生指導で、プラークコントロールだけでなくフッ化物の使用や、食生活習慣の改善に対するアドバイスもあわせて行うことが大切です。

歯周治療患者の根面う蝕の感受性―12年後の結果
Ravald N, Birkhed D, Hamp SE. Root caries susceptibility in periodontally treated patients. Result after 12 years. J Clin Periodontol 1993; 20(2): 124-129. 

※参考書籍
 「歯周病学の迷信と真実 その論文の解釈は正しいか?」
 関野 愉、小牧令二 著  クインテッセンス出版株式会社

Q167 10年程前から、口を開けると左の顎がカクカクと鳴ります。それと顔の右半分(眉、目、口元など)が左よりも下がっています。右目も左目より開いていません。これは顎がカクカクしていることに原因があるのでしょうか?この左顎と顔の右半分のゆがみは関係あるのでしょうか?
A167

口を開けたり閉じたりする時は様々な筋肉を使います。左右の筋肉の使い方が違っていれば顔のゆがみ、さらには全身のゆがみがでてきます。左右対称にバランスよく噛めるようにすることで、目も左右対称にしっかり開けることができるようになります。

 

※参考書籍
 「美しい表情は噛み合わせから」 
 稲葉歯科医院顧問 元日本歯科大学教授 稲葉 繁
 稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子

Q168 口臭撃退法を教えてください。
A168
1.歯周病の治療をしましょう。

歯ぐきがムズムズしても「痛くないから」と放置していませんか?これ以上歯周ポケットのなかで歯周病菌を培養し続けるのは止めましょう。
歯周病が進行するとお口からはタンパク質が分解される腐食臭(病的口臭)が漂いはじめます。
お口だけでなく全身の健康のためにも由々しき事態です。

2.半年に一度歯石を取りましょう。

歯周病ではないかたも、定期的に歯石取りを受けましょう。
歯石やプラークは知らないうちに歯周炎の原因になってしまいます。
ご自分ではにおいに気付きにくいからこそ、ふだんのケアが大切。「備えあれば憂いなし」です。

3.半年に一度クリーニングを受けましょう。

PTC、あるいはPMTCと呼ばれるプロのワザで、歯面歯間についてプラークを徹底的に取り除きましょう。
汚れを取るだけでなく、歯面をツルツルに仕上げてプラークが付きにくくするプロフェッショナルケアです。
歯石取りとセットで受けると、一層効果が上がります。

4.1日3回歯みがきをしよう。

口臭を減らすには、短い時間で何度も歯みがきをすると効果的だということがわかっています。
1日3回、どんなに忙しくても最低1分半以上の歯みがきをし、必ずフロスもするようにします。それから、歯みがき剤のミントの清涼感にごまかされないように。ミントの香りは一瞬だけ。口臭予防には効果はありません。
歯みがきで効果的にプラークを取り除きましょう。

5.舌の掃除を習慣にしましょう。

口臭ケア法として、舌のブラッシングが効果大です。口臭物質が発生しやすく、口臭の60%は舌苔から出ています。
舌の表面にはたくさんの小さな突起があり、そこに細菌や、細菌のエサになるタンパク質が漂着してクリーム色の舌苔として溜まっていくからです。そこで、細菌を減らして口臭ガスの発生を抑えるために、舌のブラッシングを毎日のケアのなかに取り入れてください。
舌は軟らかく傷つきやすいので、ゴシゴシこすらないようにしましょう。

6.フロスも毎日使いましょう。

歯ブラシは、歯面の掃除にはすぐれた力を発揮しますが、歯間の掃除はいたって苦手です。そこで、毎日フロスを使って歯間に溜まったプラークを取り除きましょう。
生活全体は欧米化した日本ですが、フロスの使用率は依然低く、歯ブラシ1本だけに頼る従来型のセルフケアがなかなかあらたまりません。
フロスを使うと、セルフケアの質が格段によくなります。ぜひお使いください。

7.しっかり噛んで朝ご飯を食べましょう。

なるべく固形物をよく噛んで食べます。噛み砕かれた食べ物が舌を擦って舌苔をかき取ってくれるからです。また唾液がたっぷり出ると自浄作用でお口のなかがきれいになります。
リンゴや漬物など、歯ごたえのある食べ物ほど効果が高くおすすめ。忙しくても、朝ご飯をしっかり食べましょう。

8.職場の午後はおやつでリフレッシュ。

長時間仕事に向かっていると、緊張で唾液の分泌が減り口臭も強くなりがち。そこで午後におやつタイムを設けましょう。甘いものはお口のなかを酸性にし、口臭物質を中和します。
ただしダラダラ食べはむし歯の原因になるので、パクッと食べ、お茶を飲んでおくといいでしょう。

9.酵素配合の口中ケア・タブレットも!

舌苔に着目したシュガーレスのタブレットがあります。キウイ由来のタンパク質分解酵素が配合されています。
酵素は舌のケアの役に立ち、たとえば納豆のなかの納豆菌のタンパク質分解酵素やビール酵母なども効果があります。

10.お口が渇きやすいかたにガムが効果あり。

お口の渇きやすいかたにシュガーレスガムがおすすめ。
唾液が出て口臭がグッと和らぎます。ところで、唾液が充分出る健康なお口のかたの場合はむしろ口臭が少々増えることが実験でわかりました。どうやらガムはの表面をかき混ぜ、口臭物質を揮発させて、食事をしたときほど舌苔をかき取ってはくれないようです。
でもストレスでお口の渇きやすい忙しい現代人には必需品。プラークの多糖を分解するデキストラナーゼ酵素を配合したガムなどもあります。

11.塩化亜鉛配合のうがい薬が口臭物質を中和。

てきめんに効くのが塩化亜鉛入りのうがい薬です。塩化亜鉛口臭物質を中和し揮発を抑えます。
スプレー式のものもあり、出先などで、短時間確実に口臭をなくしたいときに便利です。
ただ、口臭の(ことに病的口臭の)原因を根本的に取り除くことはできないので、治療や予防は別途きちんとする必要があります。

※参考書籍 「nico 2010.11 クインテッセンス出版株式会社」

Q169 睡眠時無呼吸症候群やいびき不眠症にはどんな人がなりやすいのですか?痩せていると、いびきをかきませんよね?
A169

たしかに舌がスリムな分、リスクは少ないです。でも、あごが小さくて口のなかが狭いかたは痩せていても舌が口のなかに収まりきらず年齢とともにいびきが増えることも。主なリスクについてご説明しましょう。

1.太っている

太ってボリュームのある舌が下がると、大きなフタとなって空気の通り道を塞いでしまいます。睡眠時無呼吸症候群のかたはもちろん、いびきで不眠症のかたも、合併症のリスクを軽減するためダイエットに励みましょう。

2.口を開けて寝る

鼻炎のあるかた、鼻呼吸が苦手なかたは、就寝中も口が開きがち。すると舌が下がりやすく、軟口蓋も舌と連動して下がるため、気道が閉塞しやすいのです。鼻炎を治療し、なるべく鼻呼吸のクセをつけましょう。感染予防にも効果があり、一石二鳥です。

3.あごが小さい

下あごが小さく小顔のかたは口のなかが狭く、舌が就寝中に下へはみだして気道を閉塞させてしまうことがあります。痩せていてもいびきをかき不眠症になっていることがあるので、早めに検査を受け、治療を開始しましょう。

4.鼻が小さい

鼻が小さく低いかたは、鼻腔が狭く、通気性の点で不利な面があります。逆に、鼻が大きく鼻梁の高いかたは鼻腔が広く、通気性がよいため有利です。
顔の前後に奥行きがあり、口のなかが広いかたは、概して舌の収まりがよく、その点でもリスクは低くなりやすいです。

5.扁桃が大きい

のどの奥の両側に大きな扁桃があると、舌同様、就寝中に下がって気道閉塞の原因になります。
診断の結果必要な場合は、健康に影響が出てしまわないうちに、切除してしまうとよいでしょう。

※参考書籍 「nico 2013.7 クインテッセンス出版株式会社」

Q170 歯ぐきがやせるとどんなトラブルが?
A170

本来なら歯ぐきに覆われている場所が露出したり、歯ぐきがくぼんでしまいます。するとが不自然に長く見えたり、歯ぐきに影ができて暗くなり、見た目が老けた印象になってしまいます。
お口の健康維持にとっても不利な条件が増え、たとえば歯ぐきがやせて象牙質が露出すると、エナメル質よりも酸に弱いためむし歯になりやすいのです。知覚過敏の原因になることもあります。また、歯ぐきのくぼみにプラークが溜まると歯周病も進行しやすいです。

※参考書籍 「nico 2010.8 クインテッセンス出版株式会社」

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