ケア用品

Q11 歯ブラシで歯ぐきを磨くと出血しますが、歯みがきをやめたほうがいいのですか?
A11

歯ぐきはやわらかい組織で、歯ブラシを軽く当てた程度で出血する場合は炎症を起こしていると考えられます。出血を怖がって歯磨きをしないと腫れはどんどん悪化します。
現在使っている歯ブラシを柔らかいものに変え、また、指に薬効のあるペーストを塗ってマッサージをしてください。歯ぐきを刺激し、炎症を抑えることができ、引き締まった歯ぐきになります。
特定の部位から出血が続くときは歯科医院に診てもらいましょう。
また、歯並びやブラッシングのクセで磨き残しも発生します。歯ブラシやフロスなどの補助器具の使い方、選び方と一緒に定期的に歯科医院に診てもらうとよいでしょう。

Q12 歯磨き中に「オエッ」となるのはなぜですか?
A12

歯磨きやうがいで吐き気を起こすのは「嘔吐反射」であり、咽頭部への摩擦で起こります。
歯ブラシのヘッドを小さくしたり、奥歯や舌をブラッシングするときはあまり奥まで突っ込まないようにすれば回避できますが、口腔内のケアがうまくできなくなる可能性もあります。丁寧なブラッシングも大切ですので、歯科医院に相談してみましょう。歯ブラシの選定、ブラッシングのコツなどを教えてもらえます。

Q13 塩で歯を磨くのはよくないのでしょうか?
A13

塩には歯ぐきを引きしめる効果があります

人間の体の構成要素の一つとして「塩基」つまりイオンがありますが、この中に塩(塩化ナトリウム)が含まれています。
ナトリウムには体が水分を吸収しやすくし、老廃物も排出するという作用があります。
塩で歯を磨くと、ナトリウムの影響で歯ぐきの中の老廃物が排出されやすくなり、歯ぐきに余計なものが残らないので、引きしまった感じがします。

ただし、塩の結晶は硬度が高いので、唾液で溶ける前に歯や歯ぐきを傷つけてしまう可能性があります。塩の粒子を小さくして歯や歯ぐきを傷つけないように加工してある塩入りの歯磨きペーストを使うことをオススメします。

Q14 常在菌とはなんですか?
A14

常在菌とは、私たちのからだや口のなかに住みついている細菌や、カビのことです。
腸のなかがもっとも多く、つぎに口、そして鼻、皮膚などに存在しています。その他、私たちのからだや口には常在ウイルスも住んでいます。
目には見えないので、ふだん私たちは常在菌の存在をあまり意識する事ことはありませんが、栄養の入り口でもある口のなかには、なんと500~700種類もの常在菌が住みついています。
常在菌には善玉菌も悪玉菌もいますが、総じてふだんはおとなしく、特別な悪さをするわけではありません。それぞれの細菌が一定の数を保ち、お互いを牽制しながらおとなしく存在しているので、上手に付き合っている分には、別段問題は起きません。
ところが、歯みがきをしないでいて(あるいは雑にすませていて)、食べかすが残って栄養がタップリあると、私たちの口のなかはポカポカと温かく、常在菌の繁殖にもってこいの環境になります。
常在菌が増えると、いくら唾液に抗菌作用があるといっても、その力だけでは増殖する常在菌のパワーに太刀打ちできません。こうして起きる感染症が歯周病やむし歯です。
また、私たちの体力(免疫力)が低下したときには、ふだんおとなしくしている常在菌がスキを突いて活発になり、全身症状をともなうさまざまな感染症を引き起こすことがあります。免疫力と常在菌のパワーが均衡しているときはよいのですが、その絶妙なバランスが崩れてしまうときがあるのです。
まして口のなかの常在菌が増えていると、感染症になるリスクはますます高まってしまうので、歯みがきによる感染予防が欠かせないのです。

※参考書籍 「nico 2011.12 クインテッセンス出版株式会社」

Q15 「感染症の予防に歯みがきが効く」ってむし歯や歯周病以外にも効くってことですか?
A15

感染症は、口の外から入ってくるインフルエンザや風邪のウイルスなどのほか、口のなかにもともと住んでいる多種多様な常在菌によっても起きるんです。歯みがきでお口をきれいにしておくと肺炎や帯状疱疹、心内膜炎、院内感染など、さまざまな病気の感染予防にもなります。

※参考書籍 「nico 2011.12 クインテッセンス出版株式会社」

Q16 バイオフィルムとはなんですか?
A16

バイオフィルムとは、細菌が作るベタベタしてしつこく歯につく膜のことで、お口のなかにできた細菌の巣。
お口の清潔を保とうとするときやっかいで、放置していると感染症の原因を作ってしまいます。歯みがきを油断していると悪玉菌が作り出した丈夫なバリアが悪玉菌を包み込んで守ってしまいます。
しかもベッタリと歯に引っ付くので取り除くのは容易ではありません。
毎日のていねいなお掃除が必須です!

※参考書籍 「nico 2011.12 クインテッセンス出版株式会社」

Q17 最近入れ歯の手入れを怠っていたら、口のなかにピリピリとした痛みが出てきました。悪い菌が増えているのでしょうか?
A17 おそらくカンジダ菌でしょう。
カビの一種で、体力のある人には悪さをすることはありませんが、入れ歯にくっついて増殖するとできるヌルヌル汚れが口内炎や食道炎、肺炎などの日和見感染症を起こします。抗菌薬でしっかり治しましょう。
カンジダ菌は上あごや舌に白い斑点状に広がります。赤く腫れたりピリピリと痛み、食事をしづらくなってしまうこともあるので要注意です。感染予防には入れ歯のお手入れが効果的です。入れ歯洗浄液につけるだけでなく、毎日ブラシでお手入れしましょう。
また、カンジダ菌は舌にも繁殖しやすいので、舌ブラシでお掃除しましょう。

※参考書籍 「nico 2011.12 クインテッセンス出版株式会社」
Q18 ブリッジの周りは歯みがきがむずかしくて困ります。なにかいいグッズはないですか?
A18

使いやすいケア用品がありますので、ご紹介しましょう。

むし歯になりやすい支台歯の根元のケアに! ワンタフトブラシ
ワンタフトブラシ
むし歯になりやすい支台歯の根元に溜まったプラークを除去します。歯ブラシでは掃除しにくい狭いミゾにも簡単に届きます。かぶせ物の根元を、歯ブラシよりもソフトに掃除することができ、ブリッジや歯ぐきを傷めにくいおすすめグッズです。
汚れが溜まりやすいポンティックの隙間に! スーパーフロス
スーパーフロス
ブリッジは連結しているためふつうのフロスではうまく通りません。でも、はしが固くなったスーパーフロスなら簡単に通ります。ポンティックの下に通して、毛糸のようにフワフワとした部分で拭くように動かすと食べかすやプラークをしっかりと除去できます。ブリッジを傷めにくいおすすめグッズです。
ワイヤーでこすらないよう注意! 歯間ブラシ
歯間ブラシ
汚れの溜まりやすいポンティックの隙間を掃除しましょう。ただし、ブリッジや周りの歯を歯間ブラシのワイヤーで傷めやすいので注意が必要です。ガリガリと傷つけるとかえって汚れが溜まりやすくなってしまいます。
ふつうのフロスもこれで使える! フロス 裁縫のときに使う糸通しのような使い方をします。フロス通しを使えば、ふつうのフロスでもポンティックの隙間に簡単に通すことができます。ブリッジの面に沿うようにフロスを動かしましょう。

ブリッジは連結しているためふつうのフロスではうまく通りません。でも、はしが固くなったスーパーフロスなら簡単に通ります。ポンティックの下に通して、毛糸のようにフワフワとした部分で拭くように動かすと食べかすやプラークをしっかりと除去できます。ブリッジを傷めにくいおすすめグッズです。

むし歯になりやすい支台歯の根元のケアに!
ワンタフトブラシ
ワンタフトブラシ
むし歯になりやすい支台歯の根元に溜まったプラークを除去します。歯ブラシでは掃除しにくい狭いミゾにも簡単に届きます。かぶせ物の根元を、歯ブラシよりもソフトに掃除することができ、ブリッジや歯ぐきを傷めにくいおすすめグッズです。
汚れが溜まりやすいポンティックの隙間に!
スーパーフロス
スーパーフロス
ワイヤーでこすらないよう注意!
歯間ブラシ
歯間ブラシ
汚れの溜まりやすいポンティックの隙間を掃除しましょう。ただし、ブリッジや周りの歯を歯間ブラシのワイヤーで傷めやすいので注意が必要です。ガリガリと傷つけるとかえって汚れが溜まりやすくなってしまいます。
ふつうのフロスもこれで使える!
フロス
裁縫のときに使う糸通しのような使い方をします。フロス通しを使えば、ふつうのフロスでもポンティックの隙間に簡単に通すことができます。ブリッジの面に沿うようにフロスを動かしましょう。

※参考書籍 「nico 2009.9 クインテッセンス出版株式会社」

Q19 むし歯の予防法を教えてください。
A19

 むし歯予防には、正しい歯磨きフッ素洗口(フッ化物洗口)!
順番に詳しく説明しましょう。

1.歯みがき

フッ素入りの歯みがき剤(歯みがき粉)を使って歯みがきをしてください。

A)歯科用歯ブラシの半分の長さに歯みがき剤をのせる。

歯磨き粉・横歯磨き粉・縦

※どのくらいのせるかは歯みがき剤のチューブの出口の大きさで変わりますので、小さい出口のものの場合は、歯ブラシのヘッドの長さと同じくらいの量を目安にしてください。(約0.5gと言われています)

B)口腔内をしっかりブラッシング

C)ブラッシング後、軽く吐き出し、洗口は1回だけ

 <洗口方法>

 a.ブラッシング後、歯みがき剤を吐き出します。
 b.すすぎの水約15ml(大さじ1)をはかる。
 c.約5秒間、1回、口をすすぐ。

2.フッ素洗口

フッ素洗口とは、フッ化物水溶液を用いてブクブクうがいをすることで、歯のエナメル質表面にフッ化物を作用させて、むし歯を予防する方法です。歯を磨いた後にフッ素洗口をすることで、より効果的にむし歯を予防できます。

A)フッ素洗口液のう蝕予防効果

フッ素洗口液のう蝕予防効果は、フッ素配合歯磨剤と比較して高いと言われています。例えば、小学校において6年間実施した場合、30~50%のう蝕予防効果が得られ、その効果は中学3年生、あるいは20歳まで持続することが確認されています。保育園/幼稚園(4歳)から中学校(14歳)まで継続実施した場合、効果はさらに高く、70~80%のう蝕抑制率が得られることが確認されています1)

この理由として、
(1)口腔内に入る1回分のフッ素量は、フッ素洗口液の方が歯磨き剤より多いこと
(2)フッ素洗口液は、洗口した後の水のすすぎがないので、フッ素が口腔内に残りやすいこと
(3)液体タイプなので口腔内に全体にフッ素が拡がりやすいこと
などが挙げられます。

・フッ素洗口剤

フッ素物濃度 225~900ppmF
う蝕抑制率 30~80%

・フッ素配合歯磨剤

フッ素物濃度 1,000ppmF
う蝕抑制率 20~40%

※出典
 高江洲 監修
 21世紀の歯科医師と歯科衛生士のためのフッ化物臨床応用のサイエンス
(永末書店、2002)

B)家庭応用と集団応用

このフッ素洗口は、どのくらいの頻度で行われているのでしょうか。フッ化物洗口には、毎日法と週1回法があります。毎日法では通常フッ素濃度225~450ppmFの洗口液を使用します。この方法は、家庭で個人が実施する「家庭応用」に適した方法で、毎日の歯磨き習慣と組み合わせることで、フッ素洗口の習慣化を図ることができます。一方、週1回法では、フッ素濃度900ppmFの洗口液を使用します。この方法は、小中学校などの集団で実施する「集団応用」に適した方法です。

このように二つの洗口方法がある「フッ素洗口」ですが、その実施状況について調べてみました。学校などで実施されている「集団応用」の実施状況は、直近10年間で急激に実施人数が増えています2

集団応用の特長は、
(1)地域全体の子供たちに平等な効果をもたらせることが期待できること
(2)学校、園の中で時間が位置づけているため、継続性が保たれること
です。そこで使用される洗口液は、歯科医師の指導により、フッ化ナトリウム試薬から作る洗口液が主流です。

一方、「家庭応用」とは、歯科医師の指導に基づいて、家庭で洗口する方法ですが、その特長は、歯科医師による、患者さん個人の口腔リスクに合わせた、きめ細やかな指導が可能であるということです。例えば、その患者さんにあったフッ素濃度や洗口量、洗口方法、洗口する時間帯、他の予防法との組み合わせなどの指導が可能です。そこで、使用される洗口液は、市販されている粉末を水に溶かして作ることが主流です。今後、患者さん個人個人の口腔状態に合わせたオーダーメイドの医療が伸展することを考えると、家庭におけるフッ素洗口の普及の可能性は非常に高いと考えています。お母さんのむし歯予防に関する関心も、昔と比べると格段に上がっており、家庭での普及拡大の大きな要因になると考えられます。

C)翌朝起床時の唾液中のフッ素濃度の測定データ

洗口後にどれくらいフッ素が口腔内の残るかについて神奈川歯科大学の荒川先生らが行った実験データ3があります。

・実験方法
(I)チェックアップスタンダードで就寝1時間前にブラッシングして、翌朝起床時の唾液中のフッ素濃度を測定
(II)チェックアップスタンダードで就寝1時間前にブラッシングして、就寝直前にチェックアップジェルを併用し、翌朝起床時の唾液中のフッ素濃度を測定
(III)チェックアップスタンダードで就寝1時間前にブラッシングして、就寝直前にフッ素洗口剤を併用し、翌朝起床時の唾液中のフッ素濃度を測定

・結果
(I)は0.04ppm、(II)は0.07ppmであったのに対して、(III)は0.81ppmと非常に高い値が得られました。この理由として、フッ素洗口は、ブラッシングにより唾液で液が薄まることがなく、また水によるすすぎもないために、口腔内にフッ素が多く残ったと考えられます。

※参考文献
 ライオン歯科材株式会社ホームページ
 1)高江洲 監修21世紀の歯科医師と歯科衛生士のためのフッ化物臨床応用のサイエンス(永末書店、2002)
 2)NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議ホームページ
 3)戸田真司、荒川浩久ら:ホームユースフッ化物製剤の組合わせが唾液中フッ化物保持に及ぼす影響、第47回日本小児歯科学会大会(2009)

※参考
 高齢者にもフッ素が必要 (PDF形式 729KB)
 ライオン歯科材株式会社ホームページ

Q20 私に合うのはどんな電動歯ブラシでしょうか?
A20

歯みがきの大切な目的のひとつは、プラーク(歯垢)の除去。手用歯ブラシを使おうと、電動歯ブラシを使おうと、目指すところはいっしょです。プラークとは、歯の表面にベッタリとつく白い汚れ。そのなかはむし歯や歯周病の原因になる細菌でいっぱいです。1mgのプラークのなかに1億以上の最近が棲んでいます。
プラークはとてもしつこい汚れで、ブクブクうがいや殺菌剤では落ちません。そこで、私たちは毎日、歯みがきをします。プラークを除去するには、器械的にこすり取るのがもっとも効果的な方法だからです。
電動歯ブラシは、プラーク除去を効率的に短い時間でやってしまおうというもの。ブラシ自体が高速で動いてくれるので、基本的には歯面に当てるだけでプラーク除去が可能になるのです。
ただし、上手に使いこなすにはちょっとしたコツと慣れが必要です。というのも、手用歯ブラシは子どものころから慣れ親しんだおなじみの道具ですが、電動歯ブラシは私たちにとって、新たに出会う道具ですから。
また、機種によって歯ブラシの動きや仕組みに独自性があり、歯への効果的な当て方なども少しずつ異なります。高機能の電動歯ブラシは、使うこと自体が新鮮で楽しく、毎日の歯みがきタイムをより効率よく、リフレッシュしてくれるすぐれもの。それぞれの機種に応じた使い方で、あなたのプラークコントロールを楽しくグレードアップさせましょう!

※参考書籍 「nico 2011.6 クインテッセンス出版株式会社」

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