態癖

Q11 楽器演奏や運動と顎関節症の関係を教えてください。
A11

楽器を演奏したり、運動をするには基礎体力が必要です。ここでいう基礎体力とは、重力に抗して、よい姿勢でいることができる体力のことを指します。

基礎体力がないにもかかわらず、無理をして楽器を演奏したり、過激な運動をしたりすると、全身の骨格にゆがみが生じ、顎の関節にも悪い影響が出てきます。

例えば、楽器の演奏でいえば、あまり力を入れなくても演奏できる楽器ならよいのですが、トランペットのように下腹部や口元にかなり力を入れなければならない楽器の演奏や、ブラスバンドで重い太鼓を持たなくてはならないような場合などは、上半身をそらし、全身に力を入れなければなりませんから、腰や首ばかりでなく、全身に大きな負担がかかります。

そのため、ブラスバンド演奏で有名な学校では、楽器の練習の前に、まず腹筋運動をしたり走りこみをしたりして、基礎体力をつけることからレッスンを始めるとのことです。

中学校の学校歯科医として活動していた竹中正敏さんは、平成7年から追加された顎関節の診査で、「吹奏楽部の生徒に顎関節の異常が多く見られる」ということに気づいたそうです。また、詳しい調査で「弦楽器ではその演奏姿勢から、バイオリンやヴィオラ奏者に顎関節障害が多く見られる」、「声楽でもその最大開口量の大きさや長時間の開口が顎関節に悪影響を及ぼす可能性がある」などの報告も見つかったようです。顎のオーバーワークにはプレイ後のアイシングが効果的です。また、休みを入れながらの演奏練習をしましょう。ウォーミングアップやクールダウン、ストレッチングやマッサージは期待されているほど効果が出ないことも分かっています。

 

楽器の演奏だけでなく、運動にも気をつけなくてはなりません。「最近、運動不足だから少し運動をしなくては・・・」などと思って、いきなり激しい運動を始めたりすると、とたんに顎関節の調子が悪くなることがあります。また、運動部に所属している人では、「もうすぐ試合があるからがんばらなくては」ということで、一生懸命練習したことが原因で、顎関節症になるなどということもあります。

よい姿勢を身につけるには、毎日適度な運動をして、首、腰、大腿部などの筋力を鍛えることが大切ですが、過度な運動は禁物です。くれぐれも注意しましょう。

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

 「筋の生理から運動指導・手技療法まで 歯科臨床が変わる筋機能学こと始め」
 竹内 正敏  砂書房

Q12 年齢とともに歯並びが悪くなったような気がします。何故でしょうか?
A12

年齢を重ねるうちにクセ(ほおずえ、つめかみ、寝る姿勢、くいしばりなど)や生活習慣で歯列が乱れてしまうことがあります。

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