Question
子どもが反対咬合なのですが、ムーシールドで治療できると聞きました。ムーシールドについて教えてください。
Answer
ムーシールドは、オトガイ筋の緊張と口唇閉鎖力を利用しながら、舌を挙上させることによって反対咬合を改善する装置です。
ムーシールドの治療目標
| No | 症例 | 治療目標 |
|---|---|---|
| 1 | 強い上口唇圧 | 弱くする |
| 2 | 弱い下口唇圧 | 強くする |
| 3 | 緊張しないオトガイ | 過緊張を与える |
| 4 | 咬合平面の傾き （時計回り） |
順応させる （反時計回りに平坦化） |
| 5 | 低位舌 | 舌挙上 |
ムーシールドの作用機序
- 下口唇を鍛え、下顎前歯を舌側傾斜
- 装置によって挙上された舌が上顎前歯を唇側傾斜
- 挙上された舌によって装置全体が下方へ押され、後方臼歯の過萌出を抑制
- シールド部分が反対咬合者によくみられる上口唇の緊張を緩和
これらにより、被蓋改善、咬合平面の是正、舌位の挙上、口唇閉鎖力の獲得などの効果を図ることができます。
ムーシールドのトラブル対応
装着期間中、起こり得るトラブルとして、次のようなものがあります。
- 息ができない
- つばが飲み込めない
- 起きると必ず外れている
- 舌の付け根が痛い
- ヒビが入っている
ムーシールドの装置に慣れるまでは1ヶ月ほどはかかります。
※参考書籍
「Japanese Journal of Clinical Dentistry For Children 小児歯科臨床 第28巻7号(2023年7月号）」
