Question

テレビを見ていたら、顎は左右均等に使わないと顎関節症になったり、顎が変形すると言っていたのですが本当でしょうか?

Answer

以下、日本歯科大学名誉教授の丸茂義二先生のコメントです。

顎関節症の専門医師としての診療をしていると、マスコミの被害者によく巡り会います。もともと顎関節症という病気は、たくさんある関節の一つのアゴの関節に症状が出る病気ですが、全身の関節は相互に関連があるので腰の調子が悪い時にアゴの関節が不調になったりします。また足を組むことにより骨盤が傾斜し、これがくせになったためにアゴがちゃんと動かせなくなる人も多いのです。

このような方には、いつ頃から調子が悪くなったかをよく問診をしてみます。そうすると雑誌に左右両方で噛まないとアゴが曲がると書いてあったので、一生懸命ガムを噛んで練習したなどという方がいます。いつも使わない所で噛むのには相当に努力が必要です。普通はすぐにやめてしまうのですが、頑張る人がアゴに障害を起こしてしまうこともあるのです。特に骨格の柔らかい子供のうちならいいですが、大人になって骨格が固まってしまうとどうも問題が起こりやすいようです。

物事の考え方は勝手なもので、このような両側を噛むことが正しいかどうかは、右利きで字を書く人は長年右手で字を書いていると体が曲がるとでも言うのでしょうか。手は片手だけ使っても大丈夫で、顎だけは片方だけではいけないとでもいうのでしょうか。アゴは右で噛んでも左側の筋肉も同時に使いますし、世の中の半数の人は噛むことに得意な側があるとも言われています。

このように、頭で考えることとは違って両方を使うことがかえって障害の原因になってしまうこともあるという事実こそ大切なことかもしれません。

多くのまじめな方は、テレビにあるいは雑誌に書いてあることを信じやすく、特に健康関連の記事はそのままの情報を鵜呑みにしてしまうかもしれません。大事にすべき生活習慣と改善すべき習慣を適切に判断することが生活の知恵と言えます。」

※引用
 日本歯科大学附属病院 関節症診療センター 初代センター
 日本歯科大学名誉教授 丸茂義二先生のコメント

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