Question

抜歯前にどんなことに注意すればよいですか?

Answer

抜歯を受ける前にいくつかご協力いただきたい重要事項があります。

1.決して抗血栓薬を中断しないでください。

抜歯の際に止血しにくいだろうと心配なさり、自己判断で服用を中断してしまう患者さんがときどきおられます。が、これはたいへん危険ですので、中断しないようにお願いします。
また、抜歯にあたり薬の中断を希望するかどうかを医師から尋ねられた場合は、服用を継続する旨を医師にお伝えください。

2.ふだんのINR値を教えてください。

ワルファリンを飲んでいる患者さんには、血液のINR値(凝固指数)を、ふだんどれくらいの値にコントロールしているかをお教えいただいています。INR値3.0以下であれば、基本的には服用を継続したままで抜歯が可能です。
ご自分のINR値についてわからない場合は、処方している医師にご確認をお願いします。

3.抜歯直前のINR値をお持ちください。

ワルファリンを服用している患者さんのINR値は、食事や薬の飲み合わせ、体調などによって比較的短時間で変動しがちです。
安全に抜歯を行うには、抜歯当日(あるいは古くとも72時間前)のINR値の確認が必須です。
新しい血液検査の結果を当日ご持参いただけるよう、処方している医師に相談し、可能かどうか事前に確認を取っておきましょう。

4.持病の治療の担当医をお教えください。

抗血栓薬を継続しつつ、なおかつ抜歯も安全に行われるよう、歯科医師と医師が直接コンタクトをとり、連携して治療を進めます。ときには歯科医師から医師にINR値のコントロールをお願いし、可能な範囲でINR値を下げ、抜歯の準備を整えることもあります。
医療連携は、患者さんの安全な歯科治療のために必須です。

5.止血対策の準備が必要です。

歯石やプラークが溜まったお口では、炎症が起きやすく出血のリスクが高まってしまいます。そこで、事前にお口のなかのクリーニングをさせていただくことがあります。
また、出血傾向のより高い患者さんの場合、傷の圧迫・保護に用いる樹脂製の型(止血シーネ)を事前に製作するため、お口の型取りをさせていただきます。

6.抜歯の延期や、大きな病院をご紹介することも。

INR値が高く止血の困難が予想される場合、医師との連携でINR値のコントロールを安全な範囲で行い、数値の安定が確認できるまで治療を延期することがあります。
また、INR値のコントロールが困難なかた、合併症のあるかた、親知らずの抜歯、抜歯の本数が多いなどの症例に応じて、さらなる安全を期すために、大学病院や総合病院の口腔外科をご紹介する場合もあります。

※参考書籍 「nico 2011.11 クインテッセンス出版株式会社」

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