Question

口のなかがヒリヒリします。がんではないかと心配です。早期発見方法を教えてください。

Answer

早期の口腔がんは一般的に患者さんの自覚症状がありません。日常的に口腔内を診ている歯科医師、歯科衛生士の皆さんが異変に気付く目を持ち、臨床の際に広く口腔粘膜全体を診察することが早期発見のカギになります。

口腔がんは主に以下の3つで見分けることができます。

1.色で見分ける

一般的に口腔粘膜に現れる病変の色は「赤」・「白」・「黒」・「黄」の4色で、とくに初期の口腔がんを見分けるために注意すべき色調の変化は「赤」・「白」・「黒」です。

2.形で見分ける

初期の口腔がんに形態には6つのタイプがあり、発赤が顕著な「びらん型」、白色を呈する「白斑型」、上皮欠損を認める「潰瘍型」、盛り上がった形態の「膨隆型」、カリフラワー状を呈する「乳頭型」、表面が粗造な「肉芽型」です。

3.大きさで見分ける

腫瘍の増殖の特徴として、一般に良性のものはゆっくりで、悪性のものは急速に進展します。週単位の経過観察で明らかな拡大傾向を認める場合は口腔がんを疑う必要があります。

視診の次に行うことは、両手指を用いる丁寧な触診(双手診)です。周囲が硬くなっている場合は口腔がんの可能性があります。口腔内を診る機会が多い歯科衛生士でも異常を検知することがあります。

口腔がんの好発部位である舌(約60%)は、舌尖をガーゼで把持しながら、舌縁~舌下面~口底にいたるまで、しっかりと指で触れて、潰瘍や硬くなっている部分がないかを診ます。舌がんは舌を引っ張り出して診ないとまず見つけることはできません。

診断方法

1.問診・視診・触診

2週間以上治らない口内炎・褥瘡、出血、味覚異常(舌)、知覚異常、開口障害、運動障害(舌)、硬結、堤防状隆起、浮遊歯(歯肉)、頬部の腫脹、抜歯窩治癒不全などの自覚症状がある場合は、さらなる精密検査が必要です。

2.院内の検査の種類

画像検査や病理検査、血液検査などがあります。

A)画像検査

  1. パノラマX線検査
  2. CT検査
  3. MRI検査
  4. 超音波検査
  5. PET-CT検査

 

B)病理検査

  1. 細胞診
  2. 病理組織検査

 

C)血液検査

全身の検査(貧血の有無、肝機能、腎機能など)を行ううえで、必要な検査である。血液中の腫瘍マーカーとしても用いられる。

3.治療方法

治療方法は、手術療法、放射線療法、化学療法の3つがあります。

例えば、扁平苔癬(OLP)が見られた場合、癌化率は低いですが、なかには癌化するものがあるため、注意しなければなりません。

扁平苔癬(OLP)の検査から治療の流れ

扁平苔癬の治療の流れ図

※参考書籍
 「Dental magazine Spring 2021 vol.176」
 株式会社 モリタ

 「DENTAL DIAMOND 2021 4月号」
 株式会社 デンタルダイヤモンド社

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