乳歯・永久歯

Q1 乳歯のブラッシング方法は?
A1

歯磨きは、歯とお口の健康を維持する大事な生活習慣です。小さいときから歯ブラシに慣れさせる工夫をしましょう。そして必ず保護者が年齢に適した歯磨きをしてあげてください。

乳児期

下に白っぽいカスが溜まります。ぬるま湯で湿らせたガーゼでカスを拭き取ってあげます。

生後7~8か月

前歯が生えてきています。歯の汚れは乳児のときと同じようにぬぐいます。かみ合う面を念入りに。

1歳が過ぎた頃

歯ブラシを持たせてみます。慣れさせたらお母さんが磨いてあげます。

3歳~5歳

乳歯が全部生え揃います。そろそろ自分で磨かせてあげますが、遊びを取り入れて楽しさを感じるようにすると嫌がりません。お母さんの仕上磨きがまだまだメインです。

5歳~6歳

毎食後、1日3回の歯磨きを習慣にしてください。6歳ごろまでには、最初の永久歯(第一大臼歯)が生えてきます。この歯は歯並びやかみ合わせの基本になる歯です。食べカスなどが溜まりやすいので、仕上げ磨きも忘れないようにしましょう。小学校2年生(8歳ごろ)までは仕上磨きをしてあげて下さい。

Q2 小学校の時期は、乳歯から永久歯へ生えかわる時期ですが、どんなことに注意したらいいのですか?
A2

1.前歯の生えかわりの時期は、口唇を閉じて食べ物を噛む。

できない子どもには口唇のトレーニングを!

1)破裂音の練習

口をしっかり閉じ、口の中を陰圧にしながら、「ぱっ」と音を立てて口を開けましょう。これを繰り返すことにより、口の周りの筋肉が鍛えられ、口が閉じやすくなります。

 

2)口輪筋のトレーニング

※口輪筋がかなり弱い場合や短期間で筋力をアップさせる方法

(必要なもの・・・ペットボトル、5円玉程度の大きさのボタン、紐)

ボタンとペットボトルを紐で結び、水を適量入れます。初めは水なしでもよいですが、筋力がついたら水野量を増やしていきます。口唇でボタンでくわえ、ペットボトルを1分間ぶらさげましょう。

 

3)その他

紐の両端にボタンを結び、ボタンを引っ張り合う「ボタン相撲」や、風船をふくらませる、細長いストローで水を吸うことなども口の周りの筋肉を鍛えるのに有効です。

 

2.上下の歯をしっかり噛んで(舌を口蓋にしっかりつけて)食べ物を飲み込む。

上手にできない子どもには舌のトレーニングを!

・ガムを使用した舌の挙上訓練とタッピング(舌を口蓋に打ちつける動作)

1)ガムを噛んで軟らかくした後、舌の上で丸めて舌の前のほうに置く
2)舌でガムを口蓋に貼りつける
3)口蓋についているガムを舌で押し広げる
4)ガムを舌で口蓋に押し付けたまま唾液を飲み込み、ガムの広がりを見る
(ガムが前後に伸びていれば良好)

※補足
噛みしめのトレーニング
1)~4)の後に、「5)ガムを強く噛みしめる

 

3.前歯がきちんと生えかわったら、食べ物を噛みちぎっているか確認する。

パンを食べるとき、前歯で噛みちぎっているかをチェックします。前歯を使うことを教えましょう。前歯を使っていないと、歯に備わっている感覚受容器が廃用性萎縮を起こし、固いものを噛めなくなるだけでなく、脳への情報不足により食べ方が学習できません。

 

4.食事中、できるだけ水やお茶、牛乳を飲まないように指導する。

よく噛むことによって唾液の分泌が促され、食塊をスムーズに飲み込めるようになります。

 

5.片噛みになっていないか確認する。

小学4、5年生頃は、側方歯が生えかわるため、片噛みになりやすいので要注意です。

 

※参考書籍
 「歯と口から伝える食育」
 岡崎 好秀・武井 典子 編著  東山書房

Q3 乳歯列期から永久歯列にうまく移行できないことってありますか?あれば理由も教えて下さい。
A3

うまく移行できないこともあります。
正常な噛み合わせを妨げると考えられる歯性の要素には次のようなものがあります。

・先天欠如歯の存在

・過剰歯の存在

・萌出している歯の歯冠形態や萌出位置の異常、う蝕等の有無

・乳歯の歯根形成不全や彎曲

・歯胚を含む未萌出永久歯の位置、乳歯・永久歯の予想される萌出の方向、順序および時期の異常

・乳歯の歯根吸収の早発または遅延

・歯の骨性癒着(アンキローシス)

これらについて異常がないかどうか、またあるとすればその原因は何かについて、リスク評価をすることが重要です。
リスク評価を正しくすることで、永久歯列期の矯正歯科治療の負荷を軽減することもできます。

 

※参考書籍
 「Elements of Orthodontics 高田の歯科矯正の学び方-わかる理論・治す技術-」
 高田 健治 編著  株式会社メデジットコーポレーション

Q4 小2の娘が歯科検診の結果を持ち帰りました。永久歯にむし歯があるらしく大ショックです。これから大事な永久歯を守っていくにはどんなことに気をつけるとよいですか?
A4

永久歯が生えると、みがく場所も範囲もガラリと変わるので注意が必要です。この機会に歯科医院でブラッシング指導を受け、フッ素やシーラントで予防していきましょう。

※参考書籍 「nico 2013.10 クインテッセンス出版株式会社」

Q5 乳歯が虫歯になりました。治療のために神経を抜くとその後に生えてくる永久歯に影響がありますか?
A5

乳歯の神経と永久歯の神経は同一と考えられる方がおられますが、別ものです。
それぞれの神経は独立しています。

しかし、ばい菌が残っていて乳歯の根っこが膿んでいる状態ですと、永久歯が白濁色や褐色に着色して萌出することがあります。このような場合、乳歯の神経を抜くことになります。神経を抜くと、歯根の吸収が上手く行われず、永久歯の萌出位置がずれる場合もあります。

乳歯であっても虫歯にならないようにしっかりケアしましょう。
当医院ではフッ素洗口をオススメしています。

Q6 親子で定期的にメインテナンスを受けると子どものむし歯予防の効果が高いそうですね?なぜでしょう?
A6

親御さんのお口の中がきれいになってむし歯菌の親子感染が減るのも一因でしょうが、見逃せないのが、ご家族の予防意識の変化です。親御さんもいっしょに実践してくださることでお子さんにも「予防するのは当たり前」という意識が生まれ、定着しやすいのだと思います。

 

※参考書籍 「nico 2016.4 クインテッセンス出版株式会社」

Q7 子どもの写真を撮ってもらったら、上の真ん中の所に過剰歯があると言われました。どうしたらよいでしょうか?
A7

上顎正中部の過剰歯は埋伏していることが多く、上顎前歯の離開萌出障害周囲の歯の歯軸の傾斜や捻転などの原因となります。

永久歯の前歯が生えてくるため、このような障害の原因となる場合には、永久前歯根尖部の形成が完了する時期の7~8歳ぐらいを目途に抜歯を考慮したほうがよいでしょう。(歯根完成後では永久歯の矯正治療が必要になることが多いため)

 

上顎正中部の過剰埋伏歯はその80%が口蓋側に存在し、歯列内に存在するのは約15%唇側に埋伏するのはわずか5%程度です。埋伏歯の位置を正確に把握するためにCT撮影を実施したほうがよいでしょう。

 

※参考書籍
 「月刊 小児歯科臨床 2015.8」
 東京臨床出版株式会社

  「床矯正研究会 2016」
 徳永 順一郎 先生

Q8 埋まっている乳歯(埋伏乳歯)について教えてください。
A8

1歯または数歯の埋伏の原因

1)埋伏歯の歯胚の位置異常、萌出方向の異常

2)埋伏歯の大きさと形態の異常

3)埋伏歯の濾胞性膿疱または歯牙腫

4)隣接歯の歯根膿疱

5)顎骨の腫瘍

6)顎骨との癒着、骨の肥厚、歯肉の線維性肥厚

7)骨折

8)全身的疾患

くる病、先天性梅毒、内分泌腺障害、他

9)遺伝

常染色体優性遺伝

埋伏歯の頻度

乳歯は永久歯に比べ著しく少なく、永久歯では上顎犬歯および第三大臼歯が最も多い。
乳歯は乳臼歯に多い。

埋伏乳歯の特徴

1)口腔内に萌出せず、歯槽骨内部に滞留している。

2)低位乳臼歯のように咬合機能を営んだものと異なり、未だ機能を営むに至っていない。

3)X線的に埋伏乳臼歯の歯冠の位置が不正である。またその原因は、発育過程中における歯胚の位置異常が大きい。

埋伏乳歯の組織学的な所見

1)歯冠のエナメル質の表面に原生セメント質および第2セメント質の添加

2)歯根膜腔は狭く、シャーピー線維の発達および配列が悪い

3)歯周組織の機能構造が認められない

4)埋伏歯と周囲の顎骨との間に骨性癒着を起こす

埋伏歯による障害

1)埋伏歯が歯根を圧迫し、萌出している歯の転位をきたす

2)周囲の歯の歯根を吸収する

3)埋伏歯によって周囲神経の圧迫により、三叉神経痛を惹き起こす

4)口腔と埋伏歯との間に連絡が生じると、う蝕や顎骨骨髄炎を惹き起こす

多数の埋伏歯の原因

原因は不明ですが、全身的疾患および遺伝的な影響にあるとされています。

全身的疾患では、くる病、クレチン病、小児性粘液水腫、ダウン症候群、鎖骨頭蓋異骨症、外胚葉性異形症などの疾患にみられることがあります。

 

※参考書籍
 「月刊 小児歯科臨床 2016.5」 全国小児歯科開業医会(JSPP)

Q9 子どもが前歯をぶつけてしまい、前歯が埋もれてしまいました。そのままにしてもよいのでしょうか?
A9

次のような報告があります。

「外傷により乳前歯が埋入した場合、再萌出が期待され、整復固定処置により再度歯周組織に重篤な損傷を与える危険性も懸念されることから、後続永久歯胚以外の方向に埋入した乳前歯を整復固定せずに経過観察した。

その結果、被験24歯はすべて受傷後1カ月以内に再萌出を開始し、完全埋入群も含めて、受傷後半年までには80%以上の症例で歯冠全体が萌出した。受傷歯自身の予後では、臨床的に無症状に経過したものが6歯であり、歯髄腔狭窄が7歯、慢性根尖性歯周炎が9歯、歯髄腔狭窄と慢性根尖性歯周炎が合併して2歯に認められた。これらは埋入後整復固定処置を行った乳前歯の予後よりも幾分良好な成績と考えられた。

※参考書籍
 「月刊 小児歯科臨床 2000.4」 東京臨床出版株式会社

Q10 私、歯医者さんに歯の数が足りないと言われました。歯を抜いたことないのにどうして?
A10

そのような症状を「歯数不足症」といいます。

歯数不足症の発現率

民族の分布と性別で分析すると、白人女性が最も高く155人中14人(9.03%)、ラテン系米国人男性が最も低く47人中2人(4.26%)であり、部位別では下顎第二小臼歯が最も多く、次いで上顎第二小臼歯、上顎側切歯の順に多く先天性欠如が認められたという報告があります。

病因

歯数不足症の原因は、さまざまなものが考えられます。

  • 遺伝要因
  • 環境要因
    • アレルギー
    • 顔面の外傷
    • 妊娠中の母親に対する薬物療法
    • 内分泌異常
    • 妊娠中の母体の健康状態
    • 妊娠中の風疹(三日ばしか)
    • 歯性の進化
    • 歯形成の初期における局所的な炎症や感染
    • 全身疾患(くる病、梅毒)
    • 異形成症候群(外胚葉異形成症)と外胚葉組織の奇形
    • 化学療法と放射線療法

※参考書籍
 「早期治療」
 著 Alialbar Bahreman
 訳 嶋 浩人/石谷 徳人
 クインテッセンス出版株式会社

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