Question

妊娠すると歯周病になりやすいのですか?

Answer

女性ホルモンの変化と歯周病の発現・進行

女性ホルモンの急激な変化

  • 歯周病原最近の増殖を助ける
  • 血管の透過性を高め、炎症・出血が起きやすくなる
  • 唾液の粘稠性を高め、口腔内の自浄性を低下させる

歯周病(歯肉炎・歯周炎)の発現・進行

 

生活習慣の変化とう蝕・歯周病のリスク

食生活:つわりによる食嗜好や食事回数の変化、胎児の発育による食事回数の増加
歯みがき習慣:つわりによる歯みがきの困難、食事回数の増加による口腔ケア不足

  • 食渣の口腔内停滞、自浄性の低下(酸の産生)
  • プラークの増加、口腔細菌の増殖

う蝕・歯周病のリスクが高まる

 

妊娠中は口の中の衛生状態が悪くなりがちです。妊娠中期から後期になると、女性ホルモンの血中濃度が高まります。歯周病の原因菌のあるものはその女性ホルモンを利用して増殖するため、歯ぐきからの出血や歯ぐきが赤くなったり、腫脹が起きやすくなります(妊娠性歯肉炎といいます)。
また、つわりなどの妊娠症状により、お口のケアがしづらくなることにより、歯周炎になりやすくなる場合もあります。
出産とともに元に戻りますが、しっかりとプラークコントロールを行うことで炎症を最小限におさえることができます。
一方、歯周病にかかっている患部から、毒素や炎症をひきおこす物質が血液中に入り、胎盤を刺激すると、胎児の成長に影響を与えたり、子宮の収縮を促したりして、低体重児出産(2500g未満)早産(37週未満)のリスクが高まることが明らかにされています。
母親が進行した歯周病にかかっている場合、低体重児を出産する率が7倍以上になるともいわれています。歯周病を防ぎ、軽度のうちにしっかり治療をして、丈夫な赤ちゃんを産みましょう。

歯根や歯槽骨の状態についてはレントゲンやパントモで確認することができます。
妊婦に関する放射線の被曝については、こちらのQ&Aをご覧下さい。
現在妊娠していてレントゲン撮影に不安があります。防護でどのくらい放射線をカットできるのでしょうか?
まだ妊娠安定期に差し掛かっていません。安全なレントゲン撮影の限度について教えてください。

※参考書籍
 「プレママと赤ちゃんの歯と口の健康 Q&A」
 井上 美津子  藤岡 万里  医学情報社

倉岡

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