ドクター 私の抜歯基準

2015.07.22

こんにちは。加藤歯科医院院長の加藤彰です。

本日は、抜歯の基準について考えてみます。

 

歯科医院には歯を残す処置を得意とする医院歯を抜くことを得意とする医院があります。

それぞれ根っこの処置や歯周病に対する処置が得意な医院インプラントが得意な医院ということもでき、当然各歯科医院は得意な分野で治療する傾向にあり、患者さんが選ぶ歯科医院がどちらを得意としているかで結果は変わってくるでしょう。

これらの治療両方を得意とする歯科医院を探すのはとても難しいと思います。

私達の医院ではどちらの処置も行っておりますが、どちらを選択してもより高い精度で治療できるようにしています。安全・正確に治療ができるように、例えば、根っこの処置ではマイクロスコープ(現在ほとんどの症例で8倍のスコープを使っています)、インプラントではCT機器を取り入れています。

皆さんは、現在の保険制度で定められている根っこの処置(歯内療法)の治療費は海外の1/10以下であることをご存知でしょうか?

このため、普通の医院ではインプラントを勧めることが多いのではないかと思われます。

しかしながら、治療するのは歯科医師ですが、自分であればどういう処置をして欲しいかという患者さんの気持ちに立つと果たしてそれでよいのでしょうか。

もし私なら可能な限り自分の歯を残したいと思いますし、どうしても抜かなればならないことになっても自分の親知らずが利用できれば移植を希望するのではないかと思います。

このように、歯科医師によって歯を抜く基準は異なるのです。
(一般的な抜歯の基準はQ&Aにありますので、こちらをご覧下さい。)
Q 抜歯の基準について教えてください。

 

細菌に感染してしまった根管のことを感染根管といいますが、根管治療の成功率は状況によって異なり、病巣がない場合は90%病巣がある場合は80%と言われています。さらに、再根管治療となると、病巣がない場合は70~80%病巣・根尖破壊がある場合は約50%にまで下がってしまいます。

 

根管治療はやってみないと残る・残らないは分からないもので、簡単な根管治療は存在しないと感じます。例えば、上の一番奥の歯の根管は様々な形態があり複雑です。

  1. 1根管2根尖
  2. 2根管
  3. 3根 根中央部までイスムスで繋がった歯
  4. 変な位置にある遠心頬側根
  5. 四角形の位置関係にある4根管
  6. 遠心頬側第2根管
  7. 近心頬側と遠心頬側根が繋がった根管(根尖でMB2も合流)
  8. 3根集まったケース
  9. 5根管

 

など、神経管が1本~5本のケースがあります。

 

上の前歯のように神経管の数が100%1本だと治療もスムーズにいくのですが、このような多様性があると治療は困難を極めます。口が開きづらいなどの問題を抱えている患者さんですと、さらに難しくなります。

 

難しい根管治療ですが、先に述べましたように歯を残したいという想いで取り組んでいます。

 

しかしながら、色々な器材・材料などを投入して精度を上げようとしても、保険制度の金額での治療は難しくなってきているのも事実です。

今後、加藤歯科医院でも歯内療法を自費治療へ移行するかもしれませんが、その時はご理解をよろしくお願いします。

現在も様々な勉強会・セミナーに参加していますが、今後も技術・知識の向上に努めます。

 

 

※参考サイト 「E.E.デンタル ブログ」

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