ドクター 検診における私の視点

2025.09.17


こんにちは。院長の加藤彰です。
一雨ごとに秋の深まりゆく昨今、
いかがお過ごしでしょうか。
夏の疲れが出やすい時期ですので、
くれぐれもお身体を大切になさってください。


さて先月のブログでは
https://www.kato.or.jp/kato-blog/dr-blog/19809/
企業歯科検診に行くことになったこと、
現場では大きく6つの質問をさせていただくこと、
私は多角的な視野を以て検診するよう心がけていること、
などをお伝えしました。

6つの質問はこちらです。

Q1.歯みがきは1日何回するか
(1回あたり何分磨くか)

Q2.歯間ブラシまたはフロスを使っているか

Q3.過去1年間に歯科検診を受診したか

Q4.たばこを吸ったことがあるか
(現在喫煙している場合、1日あたり何本吸っているか)

Q5.かかりつけの歯科医療機関はあるか

Q6.糖尿病、関節リウマチ、内臓脂肪型肥満、
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、妊娠
・・・といった全身症状に当てはまるか


今回は上記の6つの質問をさせてもらうときに
実際にどのような視点で見ているか、
どのようなお話をさせていただいているか、
について解説します。
(あくまで1例であり、
一人ひとりに合った歯科情報の提供や
アドバイスをその都度させていただいております)


1 歯磨きは1日何回するか

→歯みがきは1日2回以上するようお伝えしています。
うち1回は就寝前に、しっかり時間をかけるのが大事。

そして虫歯予防にはフッ素がとても大切な働きをします。
歯磨剤は必ずフッ化物配合のものを使い、
1回の使用量は6才以上で
1500ppm含有のものであれば2cm出して使いましょう。
フッ素を的確に歯に作用させる為、うがいは1回のみ。
軽くゆすぐ程度にしましょう。

また、虫歯予防にはフッ化物だけでなく、
糖の摂取頻度も大切です。
間食はなるべくせず飲食を4回まで、
とすることをおすすめしています。


2 歯間ブラシやフロスを使っているか

→フロス、歯間ブラシを的確に使うのはとても難しいのですが、
専門家がフロスを使用すると虫歯のリスクが
約40%低下したとのデータもあります。
効果的な使用には技術が必要ですが、
虫歯予防以外にも歯肉炎や歯周病の予防、
露出した歯根面の虫歯コントロールにも有効です。

そのためご利用になっていない方には利用をおすすめし、
時間があればその方に合った使い方も
レクチャーするようにしています。


3 1年のあいだに歯科検診を受診したか

→早い段階で健診に来ていただければ早期発見、
早期治療が出来ていたのにと
悔やまれる事を多く経験しています。

そのためしていないとお答えした方には
定期検診の機会を大切にするようお伝えしています。


4 たばこに関して

→たばこのニコチンは血管収縮を起こし
血流量を減少させ、また、
酸素供給に悪影響を及ぼします。
それらの影響もあり
たばこの有害成分は喫煙者の歯周を
破壊されやすく修復されにくい
脆弱な組織に変えてしまいます。
実際、オッズ比で非喫煙者を1とすると、
喫煙者で4.9、受動喫煙者であっても2.9と
大きな危険因子であることが分かると思います。
しかし禁煙を行うと1年経過で歯周組織が改善していき、
歯周治療の効果を高めるとデータで出ています。

ただ歯周病リスクが非喫煙者と
同じレベルになるには禁煙後10年は必要です。

喫煙者の方には上記のような
注意喚起や、
可能なら本数を減らしたり
禁煙を目指すことをおすすめしています。


5 かかりつけの歯医者があるか

かかりつけ歯科医院はとても大切だと考えています。
定期的に健診に行っていただき
いい状態を維持できるように
疑問に思うことがあれば的確な回答アドバイスがもらえる
いい関係を築ける信頼できるドクターを
できるだけ早く見つけてほしいと思います。

(当院でも新規の患者様のご相談を受け付けしておりますので、
継続的なサポートをご希望される方は
お気軽にご来院ください)


6 なぜ「歯科」検診なのに

最後に全身の症状についての質問があるか、
疑問に思った方も多いことでしょう。
歯周病と全身疾患との兼ね合いですが

歯周病による炎症は
原因がバイオフィルムや縁下歯石ですから
適切な歯周治療が行われない限り刺激は続く為、
慢性的な炎症となります。

歯周病は歯と歯肉の境界にできた
歯周ポケットの歯根面についたバイオフィルムや
歯肉縁下歯石が原因で歯肉に潰瘍(傷口)を作り
そこにバイオフィルム中の細菌が
侵入(菌血症)して全身疾患をひきおこします。

実はこの最後の質問には、
歯周病に関係があるとされている
疾患が挙げてあります。
妊娠については歯周病により
早産や低体重児出産のリスクを高めることが知られています。
歯周病との関連が指摘されている全身疾患は
他に骨粗鬆症、アルツハイマー型認知症など
100以上あるといわれています。

そのため口腔内の健康維持をすることで
全身の健康も守っていただきたいとの思いから、
最後に全身症状をお伺いしている次第です。

他にも歯周病とは関係はないが
企業健診に中で問診する必要のある疾患として
睡眠時無呼吸症候群があります。
これは以前のブログで記載しているので
確認していただきたいと思います。
https://www.kato.or.jp/kato-blog/dr-blog/19572/

以上、6つの質問について解説しましたが、
記事をご覧の皆さまにもお役に立てれば幸いです。


また、この他の歯科に関するご質問がございましたら
医院のホームページにQ&Aがありますので、
こちらもご参照ください。

https://www.kato.or.jp/question/

 

 

 

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