小児全般

Q31 1歳半になりますが、母乳をやめないとむし歯になりますか?
A31

母乳に含まれる乳糖はショ糖ほど酸産生能は高くありません。睡眠時は口腔内の自浄作用が低下します。規則的授乳は規則的食生活傾向・自律的授乳は食生活が乱れる傾向があります。添い乳は危険です。「泣いたらすぐおっぱい」や「寝かしつけ」のための授乳は避けましょう。

※参考文献
 「子どもの健やかな発育を願って いつどういう支援をすればいいのか」
 鏡 宣昭 講師 セミナーレジュメより引用

Q32 3歳を過ぎても指しゃぶりをやめませんが、どうしたらよいですか?
A32

東京都の調査で、指しゃぶりの頻度を調べたデータがあります。

  • 1歳2か月(393名)28.5%
  • 1歳6か月(557名)28.9%
  • 2歳0か月(472名)21.6%
  • 3歳0か月(695名)20.9%

 

指しゃぶりの弊害については、しゃぶる指の種類やしゃぶり方によるとされています。上顎前突・開咬・変則性交叉咬合などの異常により、舌癖・口呼吸・構音障害などが起こりやすくなります。

子どもの発達と指しゃぶりへの対応

乳児期及び幼児期前半(1~2歳)

見守りの時期

幼児期後半(3歳~就学前)

専門家による積極的な対応

小学校入学後

専門家による積極的な対応

※参考文献
 「小児科と小児歯科の保健検討委員会(H18)」より

Q33 子どものむし歯は治さなければいけませんか?
A33

治さない場合、「今こまること」と「先にいってこまること」があります。

今こまること

  1. 痛い
  2. 咬めない、飲めない(咬みにくい、飲みにくい)
  3. 見た目が悪い

 

先にいってこまること

  1. 痛みの重傷化(時には腫れたり・・・)
  2. 永久歯の歯並びに影響?
  3. 咬み方に変化?

 

知っててほしい子どものむし歯

乳歯は永久歯よりも、「エナメル質が薄く、むし歯の進行が速い」ということを覚えておいてください。

※参考文献
 「子どもの健やかな発育を願って いつどういう支援をすればいいのか」
 鏡 宣昭 講師 セミナーレジュメより引用

Q34 歯みがきはいつから始めたらよいですか?
A34

歯みがきの始まりはスキンシップからです。

焦らず急がず早めの準備をしましょう。乳歯が生えるまでは準備期間です。乳歯が生えたらガーゼで拭いたり、歯ブラシを入れて慣れてもらいましょう。

前歯4本が揃い、奥歯が生え始める1歳半頃から歯みがきが習慣づけられるといいですね。

※参考文献
 「子どもの健やかな発育を願って いつどういう支援をすればいいのか」
 鏡 宣昭 講師 セミナーレジュメより引用

Q35 おしゃぶりのメリット・デメリットについて教えてください。
A35

日本小児歯科学会によると、次のようにメリット・デメリットを説明しています。

【明確な根拠はないが、一般的に言われている歩き始めから2歳過ぎまでのおしゃぶり使用の利点と欠点】

メリット

■精神的安定、簡単に泣き止む、静かになる、入眠がスムーズ、母親の子育てのストレスが減る

■おしゃぶりの宣伝に使用されている「鼻呼吸や舌や顎の発達を促進する」は現時点では学問的に検証されていない

デメリット

■習慣性となりやすく、長期間使用すると噛み合わせが悪くなる

■子供がどうして泣いているのかを考えないで使用する

■あやすのが減る、ことば掛けが減る

■ふれあいが減る、発語の機会が減る

※噛み合わせの異常は2歳頃までに使用を中止すれば発育とともに改善される。

※おしゃぶりの害は乳臼歯が生え揃い、開咬や乳臼歯交差咬合などの噛み合わせの異常が存続しやすくなる2歳半から3歳過ぎになっても使用している場合といえる。

※参考 床矯正研究会

Q36 おしゃぶりの目的と使用期間を教えてください。
A36

おしゃぶりは使う目的と使用期間を理解することが大切です。

目的

  • あやすためではない
  • 子育て手抜きするためのものではない
  • お口の機能を高めるために使用する

使用期間

  • 遅くても2歳半くらいまでには止める

※参考 床矯正研究会

Q37 うちの子、転んで歯をぶつけたんですけど、別に血も出てないしもう痛くないって言うんです。放っておいても大丈夫ですか?
A37

出血や痛みがなくても、歯の根っこや歯の周りの組織にダメージが及んでいることがあります。そうしたダメージは専門家の検査でないとわからないものですし、あとになって痛みが新たに生じる危険性もありますのでできるだけ速やかに歯科医院を受診してください。

乳歯をぶつけたときに恐いのが、生え替わる永久歯への影響。じつは「乳歯が抜けた」というケガは、永久歯への影響がいちばん大きいことがわかっています。

東京医科歯科大学歯学部附属病院の小児歯科外来のデータでは、初診時に乳歯が抜けて来院された場合、70%の確率であとに生えてくる永久歯に何かしらの異常が見られました。生え替わる永久歯のためにも、歯をぶつけたときには、歯科で検査を受けましょう。

※参考書籍 「nico 2017.10 クインテッセンス出版株式会社」

Q38 歯をぶつけたとき、そのダメージは歯だけにとどまらないそうですね。具体的にはどういうことですか?
A38

歯をぶつけたときには、歯そのものへのダメージと、歯の周りの組織やあごの骨へのダメージが考えられます。また、乳歯をぶつけた場合は、乳歯の奥でつくられている永久歯への影響も考えられます。ですから、ぶつけた歯が欠けたり、グラグラになったりしていなくても、見えないところにダメージを受けている可能性があるんです。

永久歯の芽である永久歯胚は、お子さんの成長とともにだんだんと歯の形になっていきます。最初はゼリーのようにやわらかく、徐々に硬くなっていくのですが、乳歯がまだ生えている時期の永久歯胚は、学校で使うチョークのようなやわらかさ。ですから、ぶつけた乳歯が押し込まれて当たると、簡単に削れたり変形してしまうんです。

※参考書籍 「nico 2017.10 クインテッセンス出版株式会社」

Q39 うちの子が転んで歯をケガしてしまいました!とにかくすぐに歯科医院に連れて行けばいいんでしょうか?
A39

まずはお子さんの様子を見て、頭部や全身の症状があるようなら、先に医科を受診してください。心配な点はないようでしたらここでお話しする応急処置をしつつできるだけ早く歯科への受診をお願いします。

■まずは全身をチェック!

歯科を受診する前に、お子さんの脳や目に異常がないかをチェックします。次の症状があるなら、まずは医科の受診を。

吐く、鼻血・鼻水が続く、ふらつく、頭痛がする、目が見えにくい、記憶が欠けている、顔色が悪い、短時間でも意識がなかった、目の動きがおかしい、歩き方がおかしい

いちばん危険なのは、耳介後部出血(パンダ耳)と、眼窩周囲の皮下出血(パンダ目、ブラックアイ)です。1時間以内に医科を受診してください。

〇記録を取りましょう。

余裕があれば、お子さんがケガをした場所や状況・時刻などをメモしておきましょう。医師がケガの種類や範囲、程度を診察し推察する際の助けとなります。

■歯が抜けた場合

・歯のケガのうち、緊急度ナンバーワン。抜けた永久歯は早く植え治してもらうほど、元に戻る可能性が高まります。

・抜けた永久歯が残せるかどうかは、時間との闘いです。お子さんの場合、ゴールデンタイム(治療の成功率が高い時間)は3時間といわれています。

・乳歯が抜けた場合、植え治すことは原則としてありませんが、あとに生えてくる永久歯への影響も考えられますので、受診をおすすめします。

〇抜けた永久歯の扱い方

・乾燥は大敵

ラップやビニールで包んで乾燥を防ぎ、1時間以内に受診を。すぐの受診が難しい場合は、牛乳*に入れて冷蔵庫で保存しておきます(もつのはひと晩ほど)。学校や幼稚園には、子どもの歯のケガに備えて、「歯の保存液」が備えられているところもあります。

*牛乳アレルギーのお子さんの場合は避けましょう。

・水洗いはNG

水道水には塩素が含まれるため、泥や砂がついていても、抜けた歯を水で洗うのはNG。再植前に歯科医院で徹底的に洗浄しますので、泥や砂は気にしなくて大丈夫です。どうしても洗いたければ牛乳*で。

■歯が欠けた、折れた場合

・歯のかけらを見つけたら、牛乳に入れるなどして、乾燥を防いで歯科医院にお持ちください。

・歯の神経(歯髄)を守るためには1日以内に受診するのがおすすめです。半日くらい経つと痛みが強まることが多いので、放置は危険です。

■くちびるや歯ぐきが切れた場合

・傷口を清潔なガーゼなどで軽く押さえて、止血しておきます。腫れを防ぐためにできるだけ早く氷で30分冷やします。腫れてからは水とタオルで冷やします。

・土やアスファルトなどは、たとえ粉のような細かい異物でも、傷のなかに残ると傷跡になりかねません。ですので、その日のうちに歯科医院で十分に洗浄してもらいましょう。同時に歯をぶつけていることがあるので、歯の検査も受けましょう。

■歯がグラグラする、噛むと痛い場合

・歯が抜けかけていたり、歯の根っこや、歯を支えるあごの骨が骨折している可能性があります。

・外れそうな歯を飲み込まないように注意して、少なくとも3日以内に受診してください。

※参考書籍 「nico 2017.10 クインテッセンス出版株式会社」

Q40 うちの子の歯のケガを歯医者さんで診てもらい、ひと安心です。今後は定期的な受診をすすめられましたが、それはなぜなのでしょうか?
A40

歯をケガした場合、ダメージはたいてい歯や歯の周りの組織にも及びますが、そのなかには時間がたってわかってくるものもあります。何かトラブルの芽が見られたら速やかに対応することが歯を残すために大切。ですから、歯科医院での経過観察は欠かせないんです。

※参考書籍 「nico 2017.10 クインテッセンス出版株式会社」

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