麻酔

Q11 前に麻酔がなかなか効かなかったことがあります。
A11

患者さんの服用しているお薬によっては、麻酔がまるで効かないことがあるので、歯科医師にどんな薬を服用しているかを必ず伝えましょう。
また、残念ながら、炎症が大きくなるほど、局所麻酔が効きにくくなってしまいます。炎症が大きいほど、その場所は強い酸性になります。アルカリ性の麻酔薬を注入すると、中和してしまい、思うように麻酔薬の効果が発揮されないからではないか、と考えられています。
まして、痛むところに注射すると思うだけでも、痛みに対する閾値(感覚の敏感さ)は高くなるものです。歯の痛みを我慢せず、早めの来院をお願いいたします。
とくに麻酔が効きにくいのは下あごです。浸潤麻酔をする場合、下あごの歯槽骨は硬く厚い骨で覆われているため、患者さんによっては歯槽骨の内側にある海綿状の骨までしっかりと薬剤を浸み込ませにくいことがあります。
そうしたときは、浸潤麻酔を何本か追加するか、伝達麻酔でガッチリと麻酔をかける、あるいは精神鎮静法と併用するなどして対応をします。
ただ、精神鎮静法にも限界があり、「絶対に寝ないぞ」と頑張るかた、興奮が著しいかたの場合十分に効かないことがあります。そうした患者さんに全身麻酔ならばしっかりと効きます。

※参考書籍 「nico 2013.3 クインテッセンス出版株式会社」

Q12 局所麻酔を受けるときに注意することはありますか?
A12
1.持病はありますか?

高血圧、心臓病、動脈硬化などの持病はありますか?歯科治療で緊張し血圧が上がるなどして体調を崩したり、偶発症を起こしてはたいへんです。持病の様子や治療内容によっては、病院歯科の静脈内鎮静法や全身麻酔下で治療を受けるほうが適切な場合もあります。必ず歯科医師と医科の主治医にご相談ください。

2.お子さんの麻酔後に注意!

麻酔後は、くちびるや頬がしびれていたり、麻痺してゴムのように感じられるため、とくに小さなお子さんの場合、いじったり、噛んだり、吸ったりしてひどく傷つけてしまうことがあります。麻酔が切れた後に腫れて痛みますので、止めるよう声をかけてあげてください。

3.治療後の食事に気をつけて!

局所麻酔後は、2時間ほど麻酔が効いています。そのため食事をとろうとしても、くちびるや舌、頬がうまく動かず誤って噛んで傷つけやすいうえ、傷つけてもそのときは気が付きにくく、後になってひどく腫れて傷むことがあります。食事は麻酔が切れてからにしましょう。

4.ハンカチを忘れずに!

局所麻酔後は、くちびるの感覚もしばらくは麻痺していることがあります。気をつけているつもりでも、ついよだれが垂れてしまい、抜歯後などは血の混ざった唾液で服を汚してしまうことも。口もとをサッと押さえられるよう、ハンカチの用意を忘れずに。

※参考書籍 「nico 2013.3 クインテッセンス出版株式会社」

Q13 先日歯科医院で麻酔を受けたのですがよく効かず、追加の注射が必要でした。麻酔がなかなか効かなかったのはお酒に強い私の体質のせいでしょうか?歯科医師が下手だったからでしょうか?
A13

いわゆる「歯科の麻酔」の浸潤麻酔は歯槽骨によくしみ込ませなければならず、骨の表面が厚く硬いかたには効きにくいのです。また、炎症がひどい場合も効きにくいです。注射の腕や体質とはまず関係ないでしょう。

※参考書籍 「nico 2015.3 クインテッセンス出版株式会社」

Q14 麻酔はどれくらいで切れますか?
A14 個人差もありますが、2~3時間です。
Q15 麻酔薬投与後、意識を失うことがあるそうですね。どのような原因があるのですか?
A15

原因、誘発因子と症状にまとめましたので、下記を参考にしてください。

原因 誘発因子と症状
血管迷走神経性失神 しばしば不安により誘発される。毎回ではないが、意識消失の前駆症状として失神を起こす。冷たく湿っぽい皮膚、蒼白、初期の徐脈と小脈に続いて頻脈と大脈が起こる。仰臥位もしくはやや頭部を下げる姿勢(推奨される最大角度は10度)によりすぐに回復する。
低血糖症 空腹の患者や、糖尿病患者が空腹やストレス負荷によりインスリン過剰の状態になった時にみられる。経口的にグルコースを摂取することですぐに回復するが、意識のない時にはグルカゴン注射を行い、意識回復後にグルコースを経口摂取させる。
ステロイドクライシス ステロイドの全身投与を行っている患者にのみ発症し、ストレス負荷によりステロイドが不足することで起こる。
心停止 心拍が停止する。通常、狭心症、冠動脈疾患、高血圧などのリスクファクターの既往がある。

 

※参考書籍
 「66症例に学ぶ 歯科臨床の問題解決」
 Edward W. Odell 医歯薬出版株式会社

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